- ホーム
- 貴金属価格情報
- マーケット市況情報一覧
- 2020年9月の貴金属市況
マーケット市況情報
2020年10月08日 11時30分
2020年9月の貴金属市況2020年10月08日 11時30分
価格ベース
金 プラチナ 銀 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格
金(Gold)
■ドル建て金相場
月間最高値の1,987.95ドルでスタートした9月のドル建て金相場は、月を通して軟調な展開となった。月初、米8月ISM製造業景況指数が力強い内容だったことでドルが対主要通貨で強含み、米株式市場も堅調に推移していたことから1,940ドル近辺まで値を下げると、その後発表された米8月雇用統計では、前月に引き続き改善が示され、景気回復期待が高まり1,920ドル近辺まで続落した。月半ばにかけて、ECB理事会を受けユーロ高容認姿勢との見方が強まり、欧州通貨に対するドル安が進行し下値を切り上げると、16日のFOMCでは少なくとも今後3年間はゼロ金利政策を維持することが示唆され1,970ドル近辺まで回復した。しかし、複数の世界的な大手銀行による不透明取引を巡る調査報道を受け、米株式市場が下落すると損失補填の換金売りが強まり1,900ドルを割る水準まで急落。その後も、米追加経済対策への与野党合意が不透明な中、米株式市場が続落し24日には月間最安値の1,850.75ドルまで下げ幅を拡大した。月末にかけて、米株価が反発し、過度なドル資金確保の動きが一服したことや、欧州での新型コロナウイルスの感染再拡大などを材料に上昇すると、月末30日には1,886.90ドルで終了した。
■円建て金相場
6,742円でスタートした9月の円建て金相場は、翌2日に月間最高値の6,751円まで上昇したあとは、軟調なドル建て金相場を受けて上値の重い展開となった。月半ばにドル建て相場が急落すると為替相場も円高に推移していたことから24日には月間最安値の6,359円まで下落した。月後半にかけて、ドル建て相場が反発し為替も円安に進んだことで月末30日には6,482円まで上昇して終了した。
プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
950ドル近辺でスタートした9月のドル建てプラチナ相場は月初、前月から続くドル買い戻しの動きから上値は重く900ドル近辺まで下落すると、同値近辺で停滞する展開が続いた。10日のECB理事会後の声明発表では、ユーロ高容認姿勢との見方が強まり、対ユーロでドル安が進行すると、ETFなどを中心に資金流入が強まり、16日には月間最高値の981ドルまで上昇した。同日の米FOMCでの、当面の利上げ見送りの継続や、足元のGDP見通しの上方修正などが示され、ドル安の流れが一服すると先物市場を中心とした投機筋による利食い売りから940ドル近辺まで下落した。月後半にかけては、大手外銀のマネーロンダリング関与疑惑報道などから先行き不透明感が広がり、欧州での新型コロナウイルス再拡大も材料視され、ドルが急速に買われると900ドルを割り込む水準まで急落した。その後も、ドル高が一服するまでこの流れは継続し、24日には月間最安値の831ドルまで下げ幅を拡大した。900ドルを下回る水準では、安値を拾う動きや、中華圏の長期休暇前のポジション調整なども重なり、徐々に下値を切り上げると月末30日には884ドルで終了した。
■円建てプラチナ相場
3,260円でスタートした9月の円建てプラチナ相場は、徐々に下値を切り上げるドル建てプラチナ相場を受けて値を伸ばすと、16日には月間最高値の3,327円まで上昇した。その後、ドル建て相場が急落につられ下落すると24日には月間最安値の2,958円まで下げ幅を拡大した。月末にはドル建て相場の回復と円安を受けて上昇し30日には3,086円で終了した。
銀(Silver)
■ドル建て銀相場
月間最高値の28.89ドルでスタートした9月のドル建て銀相場は、堅調な米経済指標を受けドル高が進み、米株式市場も底堅く推移したことで下落する金相場につられ、27ドル近辺まで値を下げた。その後、月半ばにかけて新規材料に欠ける中、方向感に乏しい相場展開となり同値近辺での揉み合いが続いた。月後半にかけては、米追加経済対策の成立見通しが立たない中、世界的な大手銀行の不透明取引に関する調査報道も相俟って米株式市場が下落すると、逃避的な資金がドルに流入したことで24日には月間最安値の22.22ドルまで下落した。月末にかけて、新型コロナウイルスが再拡大していることを材料に上昇する金相場に連れ高となり、月末30日には23.73ドルまで上昇して終了した。
■円建て銀相場
月間最高値の98.10円でスタートした9月の円建て銀相場は、月半ばにかけて動意に欠ける相場展開が続いたものの、その後はドル建て銀相場が下落し、為替相場も円高に推移したことで24日には月間最安値の77.50円まで下落した。月末にかけて、反発するドル建て相場と円安を受け上昇に転じると30日には84.30円で終了した。
■為替
105.89円でスタートした9月の為替相場は月初、米8月ISM製造業景況指数が市場予想を上回り、製造業が順調に回復していることが示唆され徐々に下値を切り上げると、米新規失業保険申請件数や米8月雇用統計で雇用の改善が示されたことで7日には月間最高値の106.36円まで上値を伸ばした。その後は、米国が新彊産の綿製品などを念頭に輸入禁止措置を示唆したことで米中関係の一層の悪化が懸念され上値は抑えられると、米追加景気対策の合意が不透明な中でドル売りが強まり105.50円近辺まで下落した。16日のFOMCでの結果は概ね予想通りであったことから反応は限定的となるも、米追加景気対策可決の見通しが立たないことから、米株価が軟調に推移するとドル売りが続き、18日には月間最安値の104.84円まで下げ幅を拡大した。月末にかけては、世界的な株安や欧州圏での新型コロナウイルス再拡大を受け、ドル買戻しの動きが強まると、ドル円にも波及し105.50円近辺まで値を戻した。その後は、米大統領候補討論会を前に同値近辺で揉み合ったあとは、良好な米経済指標を材料に月末30日には105.80円まで上昇して終了した。
略語注釈
ECB:欧州中央銀行 FOMC:米連邦公開市場委員会 ISM:米国供給管理協会
以上
金 プラチナ 銀 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格
金(Gold)
■ドル建て金相場
月間最高値の1,987.95ドルでスタートした9月のドル建て金相場は、月を通して軟調な展開となった。月初、米8月ISM製造業景況指数が力強い内容だったことでドルが対主要通貨で強含み、米株式市場も堅調に推移していたことから1,940ドル近辺まで値を下げると、その後発表された米8月雇用統計では、前月に引き続き改善が示され、景気回復期待が高まり1,920ドル近辺まで続落した。月半ばにかけて、ECB理事会を受けユーロ高容認姿勢との見方が強まり、欧州通貨に対するドル安が進行し下値を切り上げると、16日のFOMCでは少なくとも今後3年間はゼロ金利政策を維持することが示唆され1,970ドル近辺まで回復した。しかし、複数の世界的な大手銀行による不透明取引を巡る調査報道を受け、米株式市場が下落すると損失補填の換金売りが強まり1,900ドルを割る水準まで急落。その後も、米追加経済対策への与野党合意が不透明な中、米株式市場が続落し24日には月間最安値の1,850.75ドルまで下げ幅を拡大した。月末にかけて、米株価が反発し、過度なドル資金確保の動きが一服したことや、欧州での新型コロナウイルスの感染再拡大などを材料に上昇すると、月末30日には1,886.90ドルで終了した。
■円建て金相場
6,742円でスタートした9月の円建て金相場は、翌2日に月間最高値の6,751円まで上昇したあとは、軟調なドル建て金相場を受けて上値の重い展開となった。月半ばにドル建て相場が急落すると為替相場も円高に推移していたことから24日には月間最安値の6,359円まで下落した。月後半にかけて、ドル建て相場が反発し為替も円安に進んだことで月末30日には6,482円まで上昇して終了した。
プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
950ドル近辺でスタートした9月のドル建てプラチナ相場は月初、前月から続くドル買い戻しの動きから上値は重く900ドル近辺まで下落すると、同値近辺で停滞する展開が続いた。10日のECB理事会後の声明発表では、ユーロ高容認姿勢との見方が強まり、対ユーロでドル安が進行すると、ETFなどを中心に資金流入が強まり、16日には月間最高値の981ドルまで上昇した。同日の米FOMCでの、当面の利上げ見送りの継続や、足元のGDP見通しの上方修正などが示され、ドル安の流れが一服すると先物市場を中心とした投機筋による利食い売りから940ドル近辺まで下落した。月後半にかけては、大手外銀のマネーロンダリング関与疑惑報道などから先行き不透明感が広がり、欧州での新型コロナウイルス再拡大も材料視され、ドルが急速に買われると900ドルを割り込む水準まで急落した。その後も、ドル高が一服するまでこの流れは継続し、24日には月間最安値の831ドルまで下げ幅を拡大した。900ドルを下回る水準では、安値を拾う動きや、中華圏の長期休暇前のポジション調整なども重なり、徐々に下値を切り上げると月末30日には884ドルで終了した。
■円建てプラチナ相場
3,260円でスタートした9月の円建てプラチナ相場は、徐々に下値を切り上げるドル建てプラチナ相場を受けて値を伸ばすと、16日には月間最高値の3,327円まで上昇した。その後、ドル建て相場が急落につられ下落すると24日には月間最安値の2,958円まで下げ幅を拡大した。月末にはドル建て相場の回復と円安を受けて上昇し30日には3,086円で終了した。
銀(Silver)
■ドル建て銀相場
月間最高値の28.89ドルでスタートした9月のドル建て銀相場は、堅調な米経済指標を受けドル高が進み、米株式市場も底堅く推移したことで下落する金相場につられ、27ドル近辺まで値を下げた。その後、月半ばにかけて新規材料に欠ける中、方向感に乏しい相場展開となり同値近辺での揉み合いが続いた。月後半にかけては、米追加経済対策の成立見通しが立たない中、世界的な大手銀行の不透明取引に関する調査報道も相俟って米株式市場が下落すると、逃避的な資金がドルに流入したことで24日には月間最安値の22.22ドルまで下落した。月末にかけて、新型コロナウイルスが再拡大していることを材料に上昇する金相場に連れ高となり、月末30日には23.73ドルまで上昇して終了した。
■円建て銀相場
月間最高値の98.10円でスタートした9月の円建て銀相場は、月半ばにかけて動意に欠ける相場展開が続いたものの、その後はドル建て銀相場が下落し、為替相場も円高に推移したことで24日には月間最安値の77.50円まで下落した。月末にかけて、反発するドル建て相場と円安を受け上昇に転じると30日には84.30円で終了した。
■為替
105.89円でスタートした9月の為替相場は月初、米8月ISM製造業景況指数が市場予想を上回り、製造業が順調に回復していることが示唆され徐々に下値を切り上げると、米新規失業保険申請件数や米8月雇用統計で雇用の改善が示されたことで7日には月間最高値の106.36円まで上値を伸ばした。その後は、米国が新彊産の綿製品などを念頭に輸入禁止措置を示唆したことで米中関係の一層の悪化が懸念され上値は抑えられると、米追加景気対策の合意が不透明な中でドル売りが強まり105.50円近辺まで下落した。16日のFOMCでの結果は概ね予想通りであったことから反応は限定的となるも、米追加景気対策可決の見通しが立たないことから、米株価が軟調に推移するとドル売りが続き、18日には月間最安値の104.84円まで下げ幅を拡大した。月末にかけては、世界的な株安や欧州圏での新型コロナウイルス再拡大を受け、ドル買戻しの動きが強まると、ドル円にも波及し105.50円近辺まで値を戻した。その後は、米大統領候補討論会を前に同値近辺で揉み合ったあとは、良好な米経済指標を材料に月末30日には105.80円まで上昇して終了した。
略語注釈
ECB:欧州中央銀行 FOMC:米連邦公開市場委員会 ISM:米国供給管理協会
以上