マーケット市況情報

2020年09月07日 18時00分

2020年8月の貴金属市況2020年09月07日 18時00分

価格ベース
金 プラチナ 銀 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格

金(Gold)
■ドル建て金相場
1972.95ドルでスタートした8月のドル建て金相場は月初、米国における追加経済対策法案の合意が難航していることで主要通貨に対してドル安が進むと買いが旺盛となり、2,000ドルの大台を突破したあとは6日に月間最高値の2,067.15ドルまで急騰した。7日発表の米7月雇用統計では底堅い内容だったことで、同国経済の回復期待を背景に下落に転じると、ロシア政府が新型コロナウイルス感染症のワクチンを承認したとの報道を背景に利食い売りが急速に進み、一時1,900ドル近辺まで下落した。
月半ばにかけて、米国が中国大手通信企業に対する規制を強化したことや、米追加経済対策を巡る協議が難航していることを材料にドル安が進むと、再び2,000ドル近辺まで上昇した。しかし、その後公開された米FOMC議事要旨で、金融当局による資産購入の規模や内容変更についてほぼ記載されていなかったことから、新たな金融緩和導入に前向きではないとの見方が強まり、ドルが強含むと1,920ドル近辺まで急落した。月末にかけて、米国における新型コロナウイルス感染症の治療に対する期待感や米株式市場の上昇などの景気回復の兆候から上値を削り、25日には月間最安値の1,911.15ドルまで続落した。その後、米FRB議長講演でこれまで目標としてきた物価上昇率を一時的に超えることを容認するとしたことで、ゼロ金利政策が長期化するとの見方から1,950ドル近辺まで急騰したものの、新政策がインフレと景気拡大を促すとの見方が強まり急速に上げ幅を打ち消す展開となった。月末28日には、ドルの実質金利低下を材料に主要通貨に対しドル安が進行すると、1957.35ドルまで上昇して終了した。

■円建て金相場
6,786円でスタートした8月の円建て金相場は、堅調なドル建て金相場を受けて下値を切り上げると7日には月間最高値の7,063円まで上昇した。その後は、軟調なドル建て相場を背景に上値を削ると、円高も相俟って25日には月間最安値の6,622円まで下げ幅を拡大した。月末にかけてドル建て相場が上昇すると、31日には6,714円まで回復して終了した。

プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
906ドルでスタートした8月のプラチナ相場は月初、市場予想を上回る良好な欧米経済指標を受け、世界経済回復期待から徐々に下値を切り上げると、堅調な米株式市場にもサポートされ1,000ドルを試す展開となった。その後は、良好な米7月雇用統計を受け主要通貨に対するドル高から値を下げる場面もみられたが、堅調な欧米株式市場を材料に10日には月間最高値の986ドルまで上昇した。しかし、この価格水準では利食い売りが旺盛となり、急速に値を下げると920ドル近辺まで下落した。
月半ばには、米通商当局が欧米製品に対し検討していた大幅な関税引き上げを見送ったことが好感され反発したものの、米国が中国通信大手企業に対する規制強化を表明したことや米追加経済対策協議の難航を嫌気し下落に転じると、21日には月間最安値の900ドルまで値を下げた。月末にかけて、米国で新型コロナウイルス感染症の新たな治療法が承認されたことや、米FRB議長の講演で物価上昇率の目標値が改定され、金融緩和の長期化が示されたとの見方から米国株式市場が上昇すると、月末28日には930ドルまで回復して終了した。

■円建てプラチナ相場
月間最安値の3,173円でスタートした8月の円建てプラチナ相場は、ドル建てプラチナ相場の急騰を受け7日に月間最高値の3,432円まで値を伸ばした。その後、ドル建て相場の下落を背景に徐々に上値を削り月末31日には3,232円で終了した。

銀(Silver)
■ドル建て銀相場
月間最安値の24.23ドルでスタートした8月のドル建て銀相場は、米国の追加経済対策協議に対する進展がみられないことで同国経済に対する先行き不安から上昇する金相場に追随して値を伸ばすと、7日には月間最高値の28.33ドルまで急騰した。その後、過熱感からやや値を下げると、ロシア政府の新型コロナウイルス感染症ワクチンの承認報道を受け続落した。
月半ばには米国の中国通信大手企業に対する規制強化や、米追加経済対策に対する不透明感からドル安が進行すると28ドル台を回復。その後、米FOMC議事要旨などを材料に値を下げる局面はあったものの、底堅い金相場もサポート材料となり下値は限定的となると、28日には27.35ドルまで上値を伸ばして終了した。

■円建て銀相場
84.60円でスタートした8月の円建て銀相場は月初、同値近辺で揉み合うと4日には月間最安値の84.40円まで値を下げた。その後、ドル建て銀相場が急騰したことで上昇すると、7日には月間最高値の102.10円まで上げ幅を拡大した。月半ばにはドル建て相場が急落したことから値を下げる場面も見られたが、月末にかけてドル建て相場が回復し、為替相場も円安方向に動いたことで月末31日には96.60円で終了した。

■為替
106.13円でスタートした8月の為替相場は月初、ドル安調整が強まったことに加え、米7月ISM製造業景況指数が高水準だったことから106.50円近辺まで上昇するも、その後の米追加経済対策への不透明感が高まったことで105.50円近辺まで値を落とした。月半ばにかけて、米経済指標が軒並み好調な結果を示し、米株式市場が堅調に推移する中、ロシア政府が新型コロナウイルス感染症ワクチンを承認するとの報道もあり、経済復調への大きな期待感から上値を伸ばすと14日には月間最高値の106.98円まで急騰した。しかし、この水準では高値警戒感から積極的な買いは控えられ、その後に発表された米7月小売売上高が市場予想を下回り、米国が中国大手通信企業に対して更なる規制強化を発表したことで19日には月間最安値の105.19円まで反落することとなった。その後は、月末の米FRB議長講演を前に同値近辺で売り買い交錯する展開となったあと、同講演で、ゼロ金利政策がより長期的な期間続くであろうという見方が強まったことで一時106円を割り込む水準まで下落したものの、新たな政策が雇用の拡大を促すものと判断され、一転107円近辺まで買われる展開となった。しかし、月末には本邦における首相辞任表明を受けた円買いの動きが強まり、31日には105.36円まで急落して終了した。

略語注釈
FOMC:米連邦公開市場委員会 FRB:米連邦準備理事会

以上
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