マーケット市況情報

2020年07月08日 12時00分

2020年6月の貴金属市況2020年07月08日 12時00分

価格ベース
金 プラチナ 銀 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格

金(Gold)
■ドル建て金相場
1,734.80ドルでスタートした6月のドル建て金相場は、新型コロナウイルスの感染拡大による主要都市封鎖が緩和されつつあることで上値は抑えられると、その後発表された米5月雇用統計において、事前予想では非農業部門の雇用者数及び失業率の悪化が見込まれていたものの、前月から一転して改善された結果だったことから、5日には月間最安値の1,683.45ドルまで下げ幅を拡大した。 
良好な米経済指標は景気回復に対する期待感を高めているものの、新型コロナウイルスの新規感染者は増加傾向にあることに加え、米FOMCでゼロ金利政策を2022年まで維持する方針が示されたことで、1,740ドル近辺まで回復した。月半ばには、米FRBが広範な社債購入を開始したことで、経済活性化への期待感から弱含む場面もみられたが、米国の一部の州や中南米などで感染が拡大していることから、下値は限定的となり再び上値を試す展開となった。その後も、感染拡大に歯止めがかからず、感染者数増加が顕著になる中で、経済活動が鈍る可能性が強まり24日には月間最高値の1,775.70ドルまで上昇した。月末にかけて、利食い売りから1,750ドル近辺まで下落したものの、新型コロナウイルス感染拡大に対する警戒感や香港への中国政府介入を背景とした米中対立の再燃から30日には1,768.10ドルまで回復して終了した。

■円建て金相場
6,050円でスタートした6月の円建て金相場は、軟調なドル建て金相場を受けて、9日に月間最安値の5,969円まで下落した。月半ばには、ドル建て相場が上昇したものの、為替相場が円高に推移したことで相殺され6,000円近辺で揉み合う展開が続いた。その後はドル建て相場が続伸し、為替も円安方向に動いたことで、月末30日には月間最高値の6,148円まで上昇して終了した。

プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
836ドルでスタートした6月のドル建てプラチナ相場は、月初発表された米5月ISM製造業景況指数が市場予想を上回り、新型コロナウイルスの拡大により停滞していた製造業に回復の兆しが見えたことで上昇する米株式市場にサポートされ、2日には月間最高値の846ドルまで値を伸ばした。その後は、市場予想に反して好結果だった米5月雇用統計を背景にドルが強含み815ドル近辺まで急落したあとは、米FOMCでゼロ金利政策の長期化が示唆されると15日には月間最安値の796ドルまで続落した。同値近辺では相対的な割安感から買いが旺盛となり、830ドル近辺まで回復するも、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動停滞懸念が再燃したことで上値は限定的となった。月末にかけても上値重く推移すると、主要生産国である南アフリカの大手鉱山会社が先般発表の不可抗力条項の宣言解除を行ったことで供給懸念も軟化し上値を削ると、月末30日には814ドルまで下落して終了した。

■円建てプラチナ相場
2,998円でスタートした6月の円建てプラチナ相場は、為替相場が円安方向に動いたことで、5日に月間最高値の3,036円まで上昇した。その後、ドル建てプラチナ相場が上値重く推移し、為替も円高に進んだことで徐々に上値を削り、25日には月間最安値の2,853円まで下げ幅を拡大した。月末にかけて、ドル建て相場と円安が相俟って反発すると30日には2,891円まで回復して終了した。

銀(Silver)
■ドル建て銀相場
18.16ドルでスタートした6月のドル建て銀相場は月初、同値近辺で揉み合うと2日に月間最高値の18.27ドルまで上昇した。その後は、主要都市の封鎖緩和や市場予想に反して好転した米5月雇用統計を背景に17.20ドル近辺まで下落した。月半ばの米FOMCでゼロ金利政策を長期的に継続するとしたことで18ドルを超える水準まで上昇したものの、急速な景気回復に対して懐疑的な見方が強まったことで米株式市場が急落し、ドル資金確保の動きが強まると15日には月間最安値の17.09ドルまで急速に値を下げる展開となった。
月末にかけて、米国で新型コロナウイルス感染者増加が顕著に表れたことで、経済活動正常化に対する期待感が剥落し、上昇する金相場に連れ高となるも、産業用メタルとしての側面から需要減速懸念が意識され18ドル近辺で上値は抑えられる展開が続き方向感なく推移すると、月末30日には17.85ドルで終了した。

■円建て銀相場
64.70円でスタートした6月の円建て銀相場は月初、高値圏で揉み合っていたドル建て銀相場を受けて2日には月間最高値の65.40円まで上昇した。その後、ドル建て相場が軟調に転じたことに加え、為替相場が円高方向に進んだことで19日には月間最安値の62.30円まで下落した。月末にかけて、ドル建て相場が反発し、為替も円安に進んだことで30日には64.30円まで戻して終了した。

■為替
107.74円でスタートした6月のドル円為替相場は、世界の経済活動再開に対する期待感から底堅く推移し108円を突破すると、ストップロスを巻き込んで108.70円近辺まで急騰した。その後も堅調な米株式市場を背景に上値を伸ばすと、米5月雇用統計が市場予想に反して好転していたことからドル買いの流れが強まり、8日には月間最高値の109.48円まで上げ幅を拡大した。
月半ばには、米FOMCで政策金利据え置きが決定され、2022年までゼロ金利政策を維持し長期の緩和方針を表明したことでドル売り圧力が強まり107円近辺まで続落した。月半ばには新規材料が乏しい中、107円近辺から107.50円近辺でレンジ相場を形成すると、新型コロナウイルスの感染再拡大から24日には月間最安値の106.52円まで下落した。その後は、新規感染者増加に伴う経済活動停滞への懸念から米株式市場が急落する中で、ドル資金確保の動きが強まり107円台を回復した。同ウイルスの感染再拡大に対する警戒感はあるものの、米経済指標が軒並み市場予想を上回っていることから、景気回復に対する楽観的な見方が強まり、月末30日には107.74円まで上昇して終了した。

略語注釈
FOMC:米連邦公開市場委員会 FRB:米連邦準備制度理事会 ISM:米国供給管理協会

以上
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