マーケット市況情報

2020年06月04日 17時00分

2020年5月の貴金属市況2020年06月04日 17時00分

価格ベース
金 プラチナ 銀 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格

金(Gold)
■ドル建て金相場
月間最安値の1,673.05ドルでスタートした5月のドル建て金相場は月初、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動停滞によって米国企業が先行き見通しを下方修正したことで同ウイルスによる経済的影響が表面化し、金への資金流入を促す結果となった。加えて、米大統領がウイルスの感染拡大は中国に責任があるとの認識を示し、対中関税の引き上げを示唆するなど一段と対中強硬姿勢を強めたことが材料視され1,710ドル近辺まで堅調に推移する展開となった。
月半ばにかけて、米雇用統計の悪化が市場予想よりも小幅にとどまったことで上昇が一服する場面もみられたが、毎週発表されている米新規失業保険申請件数が高水準を維持していることから下値は限定的で、その後の低調な米経済指標も相まって、経済の先行きに対する不安から底堅く推移すると18日には月間最高値の1,756.90ドルまで上値を伸ばした。
月末にかけては、新型コロナウイルスワクチンへの期待感や米経済指標から経済減速ペースが和らいでいる兆候が示されたことで徐々に上値を削る相場展開となった。また、主要国で経済活動の再開が進む中でリスク回避の流れが弱まり、一時1,700ドルを割り込む水準まで下落した。しかしその後は、米中の関係悪化懸念が再び強まったことで上昇に転じると、月末29日には1,728.70ドルで終了した。

■円建て金相場
5,870円でスタートした5月の円建て金相場は、為替相場が円高に進んだことで7日には月間最安値の5,827円まで下落。月半ばにかけてドル建て金相場が底堅く推移したことで徐々に下値を切り上げると、18日には月間最高値の6,102円まで値を伸ばした。その後はドル建て相場が下落に転じたことで、月末29日には5,995円まで値を下げて終了した。

プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
760ドルでスタートした5月のドル建てプラチナ相場は、新型コロナウイルスの感染拡大による経済的な影響が表面化してきたことから米株式市場が下落すると、需要減少に対する警戒感から上値を削り6日には月間最安値の745ドルまで下げ幅を拡大した。月半ばにかけて、動意に欠ける展開が続き760ドル近辺から780ドル近辺でレンジ相場を形成したあとは、新型コロナウイルスワクチンへの期待感や、軟調な経済指標を背景に上昇する金相場に連れ高となり、21日には月間最高値の851ドルまで値を伸ばした。
月末にかけて、これまでの上昇に対する利食い売りから820ドル近辺まで値を下げたあとは、主要国での経済活動再開や米中関係悪化といった材料を背景に売り買いが交錯する展開が続き、月末29日には825ドルで終了した。

■円建てプラチナ相場
2,761円でスタートした5月の円建てプラチナ相場は、軟調なドル建てプラチナ相場を受けて、7日に月間最安値の2,683円まで下落。月半ばに、ドル建て相場が急騰したことで21日には月間最高値の3,043円まで値を伸ばした。その後は、ドル建て相場と為替相場の上値が重かったことで月末29日には2,968円まで下落して終了した。

銀(Silver)
■ドル建て銀相場
14.85ドルでスタートした5月のドル建て銀相場は月初、15ドルを挟んで小動きとなる中で5日に月間最安値の14.75ドルまで下落した。その後は、米中関係の悪化懸念が再燃したことで上昇した金相場に連れ高となると15.50ドル近辺まで下値を切り上げた。月半ばにかけて、材料不足から同値近辺でもみ合いが続いたあとは、徐々に経済活動再開が広がる中で米株式市場が上昇し、需要回復期待から17.20ドル近辺まで急騰した。その後も、米中関係悪化など実需に対する不安が燻りつつある中で、主要都市での経済活動再開が好感され底堅く推移すると、月末29日には月間最高値の17.59ドルで終了した。

■円建て銀相場
54.00円でスタートした5月の円建て銀相場は月初、円が強含んだことで値を下げ、7日には月間最安値の53.50円まで下落。その後はドル建て銀相場の上昇と円安が相俟って、21日には月間最高値の62.60円まで値を伸ばした。月末にかけて同値近辺で推移すると、月末29日には62.30円で終了した。

■為替
107.28円でスタートした5月のドル円為替相場は月初、本邦大型連休の中、米大統領が新型コロナウイルスの感染拡大は中国に責任があるとした上で新たな関税を課すことを示唆し、米中関係悪化の懸念が再燃すると7日には月間最安値の106.27円まで円高が進行した。
その後は、新型コロナウイルスの感染拡大ペースにやや落ち着きがみられ、世界的に株式市場が上昇に転じたことに加え、中国人民銀行が強力な経済刺激策を打ち出すと発表したことで円売りが強まり107円を突破すると、米長期国債利回り上昇を受けてドル買いが旺盛となり107.70円近辺まで続伸した。月半ばにかけて、弱い経済指標や米中間の緊張が悲観的な材料となり再び107円を割り込む水準まで下落するも、経済再開期待から米国株式市場が堅調に推移する中で107.50円近辺まで回復した。その後は、新型コロナウイルスワクチン開発期待から本邦株式市場が急騰する流れからドルが強含み20日には月間最高値の107.98円まで値を伸ばした。
月末にかけて、主要国での経済活動再開や米中関係の悪化懸念など、強弱入り混じる材料から107円台後半でもみ合う展開が続き、月末29日には107.53円で終了した。

以上
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