マーケット市況情報

2019年02月08日 16時00分

2019年1月の貴金属市況2019年02月08日 16時00分

価格ベース
金 プラチナ 銀 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格

金(Gold)
■ドル建て金相場
1,287.20ドルでスタートした1月のドル建て金相場は、弱い米経済指標の結果を受けドルが主要通貨に対して値を落とすと一時1,300ドル近辺まで急騰。4日発表の米12月雇用統計では雇用者と賃金の伸びが示され、景気減速懸念の後退からドルが反発し月間最安値と同レベルの1,280ドル近辺まで急落。しかし、その後はFRB議長が講演でこれまでの政策を柔軟に見直すとの考えを示し、米利上げ観測が後退する中で1,290ドル台中盤まで買い戻された後、米中通商協議の方向性に対する楽観的な見方も広がり、米国株およびドルの上昇から1,280ドル台半ばまで反落した。9日発表の米12月FOMC議事要旨では追加利上げに対する慎重姿勢が示されたことでドルが大きく売り込まれると1,300ドル近辺まで上値を伸ばした。その後は方向感無く小動きとなり、1,290ドル台半ばを挟んでレンジ相場を形成。米国が対中関税を引き下げる措置を検討との報道から、貿易摩擦解消への期待感からドルが押し上げられ、21日には月間最安値の1,278.70ドルまで急落。
しかし、その後は昨年末から続く米政府機関の封鎖、出口の見えない米中通商問題などを背景に1,280ドル近辺で買い支えられると、米FOMCを前に米国の利上げペースの鈍化が意識される中で急騰し1,300ドルを突破。同会合では政策が据え置かれたものの、米中の貿易対立、英国のEU離脱を巡る動きを受けて徐々に下値を切り上げると、31日には月間最高値の1,323.25ドルまで値を伸ばして終了。

■円建て金相場
月間最安値の4,521円でスタートした1月の円建て金相場は、月を通じて堅調に推移するドル建て相場になびく形で下値を切り上げる展開。月半ばにドル建て相場が値を落としたものの、為替相場がドル高・円安に推移したことで相殺され底堅く推移すると、月末31日に月間最高値の4,646円で終了。

プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
796ドルでスタートした1月のドル建てプラチナ相場は、同日ロンドン時間午後に月間最安値の785ドルまで下落。しかし、米12月雇用統計が労働市場の強さを示す内容だったことで、景気後退への懸念が一服したことから米国株が大きく反応。これが材料視され800ドルを上抜け、7日には月間最高値の829ドルまで急騰。
その後は820ドルから830ドル近辺で方向感に乏しい展開が続いたが、14日に発表された中国12月貿易統計は市場予想を大きく下回る結果となり、米中貿易戦争の影響を受けた景気減速への懸念から800ドルを下抜け、790ドル近辺まで下げ足を強めた。
月末にかけては、好調な米企業決算を受けて米国株が続伸したことや、底堅く推移する金相場に追随する形で堅調地合いへと転換すると、800ドル台を回復。30日の米FOMC声明では、米国経済の先行き見通しを巡る不確実性に言及。今後の政策判断について柔軟に対応する考えが示されたことからドルが弱含み、月末31日には821ドルまで反発して終了。

■円建てプラチナ相場
2,964円でスタートした1月の円建てプラチナ相場は、ドル建てプラチナ相場の急伸を受けて8日に月間最高値の2,978円まで上昇。下旬にかけて為替相場がドル高・円安となったものの、ドル建て相場の下落により23日に月間最安値の2,881円まで値を落とした。月末にかけてドル建て相場が回復し下値を切り上げ31日には2,962円で終了。

銀(Silver)
■ドル建て銀相場
15.44ドルでスタートした1月のドル建て銀相場は、12月からの堅調地合いを維持する中、市場予想を下回る米経済指標を受けてドルが対主要通貨で全面安となると、15.80ドル近辺まで上げ幅を拡大。同値近辺では上値は重く、15.60ドル近辺から15.80近辺のレンジ相場を形成する中で、中国景気減速懸念から産業用需要縮小に対する警戒感が広がり徐々に上値を削る展開。その後は、米国の対中関税の一部緩和の報による米国株式上昇を受け、ドルが堅調に推移すると21日と22日に月間最安値の15.26ドルまで下げ幅を拡大。
その後は、15.30ドル近辺で揉み合う中、地政学的・政治的リスクや米利上げペースの減速懸念を背景に急騰する金相場に追随し15.80ドル近辺まで上昇。月末にかけて堅調地合いを維持すると、30日の米FOMC声明では米国経済の先行き見通しを巡る不確実性について言及したことでドルが弱含み上げ幅を拡大。月末31日には昨年7月以来の16ドルを突破し、月間最高値の16.08ドルで終了。

■円建て銀相場
57.60円でスタートした1月の円建て銀相場は、月半ばにかけて徐々に上値を削るドル建て銀相場を受けて軟調に推移すると、22日に月間最安値の56.60円まで下落。月末にかけて、ドル建て相場が急伸したことで値を伸ばすと、31日には月間最高値の59.00円で終了。

■為替
2019年1月の為替相場は昨年末の円高基調を引き継ぎ、米通信機器大手の販売不振をきっかけに急激な円高が到来すると本邦祝日で市場流動性が低下する中、ストップロスを巻き込んで104円台まで急落してスタートするも一巡後は107円台まで回復。4日には米12月雇用統計が発表され、市場予想通り非農業部門の雇用者数、賃金の伸びが確認されたことから米FRB議長が段階的な利上げを大幅に見直しする可能性について言及し108円半ばまで上昇。その後は米中通商協議を前にした期待感や追加利上げに慎重なFRB高官の発言はあったものの、月の半ばまで概ね107円台後半から109円台前半のレンジ相場で推移。その後は、17日の対中関税の一部緩和の報道や翌18日の中国の対米黒字解消に向けた取り組みについての報道等から米国株が上昇する中、ドル円も総じて堅調な値動きとなり、21日にかけて109.67円まで上昇すると、25日には昨年12月から35日間に及んだ米国連邦政府機関の一部閉鎖が解除される見通しとなったことから月間最高値の109.77円まで続伸。30日の米FOMCでは政策金利は据え置かれたものの、同声明で米国経済の先行き見通しを巡る不確実性と今後の政策判断への対応について言及。これを受けてドル売りが優勢となると月末31日には108.96円まで下落して終了。

略語注釈
FRB 米連邦準備制度理事会 FOMC 米国連邦公開市場委員会

以上
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