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マーケット市況情報
2018年11月09日 14時00分
2018年10月の貴金属市況2018年11月09日 14時00分
価格ベース
金 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$: 〃 円建: 〃
金(Gold)
■ドル建て金相場
月間最安値の1,185.30ドルでスタートした10月のドル建て金相場は、月初、イタリア政府要人のEU離脱示唆を受け、安全資産として選好され1,210ドル近辺まで上昇するも1,210ドル近辺では上値は重く1,200ドル近辺で売り買い交錯したあと、米長期金利の上昇を材料にドル買いが優勢となり、9日には1,185.55ドルまで下落。
その後は、米国株の急落をきっかけに世界同時株安が波及すると、11日発表の米経済指標も軒並み市場予想を下回る結果となったことでドルが売られ、1,220ドル台中盤まで急騰。加えて、サウジアラビア人記者失踪を巡りサウジアラビア・米国間の情勢が緊迫したことで15日には1,233.00ドルまで上値を伸ばした。17日にはFOMC議事要旨が発表され、今後も段階的な利上げの維持が示されドルが強含む一方、中東情勢の緊迫化による地政学的リスクも巻き込み、1,220ドル近辺から1,230ドル近辺の方向感のない展開で推移した。
その後は、1,230ドル近辺で底堅く推移すると、米企業決算の不調を受け米国株が下げ幅を拡大すると26日には月間最高値の1,236.05ドルまで上昇。月末にかけて、米国株が上昇に転じ、米経済指標も市場予想を上回る強い結果だったことからドルが強含み月末31日には1,214.95ドルまで上値を削り終了。
■円建て金相場
4,402円でスタートした10月の円建て金相場は、月半ばにかけて軟調なドル建て金相場と円高方向に進んだ為替相場を受け、11日には月間最安値の4,354円まで下落。その後は、反転に転じたドル建て相場により値を伸ばすと24日には月間最高値の4,492円まで上伸。月末にかけてドル建て相場がやや弱含んだことで31日には4,481円まで値を落とし終了。
プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
月間最安値の813.00ドルでスタートした10月のドル建てプラチナ相場は、米国株上昇を好感した買いから835ドル近辺まで値を伸ばすも、米長期国債利回り急騰を受け米国株が下落に転じると8日には814.00ドルまで値を落とし、上げ幅を打ち消す展開となった。その後、820ドル近辺で揉み合ったあとは、米国株急落を受け世界的に株安が進行したことや、弱い米経済指標を背景にドルが上値を削ったことで、貴金属全般に資金が流入し840ドル近辺まで上昇。更に、サウジアラビア人記者を巡る中東情勢不安から上昇する金相場に連れ高となり、15日には月間最高値の845.00ドルまで続伸。
しかし、基本的な需給構造の弱さから高値を下支えする材料は乏しく下落に転じると、17日発表のFOMC議事要旨にて今後も段階的な利上げ継続が示されたことでドルが強含み830ドル近辺まで下落。同値近辺で揉み合ったあとは、底堅く推移する金相場に連れ高となり840ドル近辺まで値を伸ばすも、米国株が上昇に転じたことや好調な米経済指標を受けてドル高となると31日には834.00ドルまで値を落として終了。
■円建てプラチナ相場
3,078円でスタートした10月の円建てプラチナ相場は、月初、堅調推移するドル建てプラチナ相場とドル高が相俟って3日に月間最高値の3,136円まで上昇。その後は米国株が軟調に推移したことから為替相場が一転ドル安に推移する中、ドル建て相場も上値を削ったことで11日に月間最安値の3,061円まで下落。月末にかけて、為替相場はやや円安方向に動き、ドル建て相場は下げ幅を戻したことで31日には3,120円まで回復し終了。
銀(Silver)
■ドル建て銀相場
14.55ドルでスタートした10月のドル建て銀相場は、月を通して動意に欠ける展開となった。月初、金相場の上昇に好感し連れ高となるも、米10年債利回り上昇を背景にドル高が進んだことで上げ幅を打ち消すと9日には月間最安値の14.33ドルまで下落。
その後は、米国株大幅下落から世界中に連鎖的な株安が広がり、冴えない米経済指標もドル売りを加速させ、貴金属全般に資金が流入したことで14.60ドル近辺まで反発。加えて、サウジアラビア人記者失踪を背景に地政学的リスクの台頭から金が選好されると、これに追随するかたちで16日には月間最高値の14.76ドルまで続伸。しかし、中国経済指標の結果を受け、中国経済減速懸念の広がりから銅やニッケルといった非鉄金属が下落。産業用メタルとしての側面からこれを嫌気し14.50ドル近辺まで値を下げた。その後は、イタリア財政問題や米国株をはじめとした世界的な株安、米中通商問題による経済減速懸念といった世界情勢から金が買い進まれると月間最高値近辺まで回復。月末にかけて、米国株が反転し、米経済指標も好調だったことでドル高が進むと、31日には14.34ドルまで値を下げて終了。
■円建て銀相場
56.40円でスタートした10月の円建て銀相場は、月初、上昇するドル建て銀相場とドル高を受けて3日に月間最高値の56.80円まで値を伸ばした。月半ばにかけて、下落するドル建て相場とドル安が相俟って11日に月間最安値の54.40円まで下落。月末にかけてドル建て相場が底堅く推移したことで31日には55.40円まで値を戻して終了。
■為替
113.92円でスタートした10月のドル円相場は米国とカナダのNAFTA再交渉の妥結や1997年以来の高水準となった米9月非製造業総合景況指数を材料に4日には月間最高値となる114.42円まで上昇したものの、その後は米国株の下落を嫌気したポジション調整が進み、114円台前半まで反落。5日には米9月雇用統計が発表されたものの、市場予想通り好調な結果となったことから、為替への反応は限定的であった。月の半ばにかけて中国連休明けに同国株が急落する場面が見られ、イタリア財政問題や英国のEU離脱問題等も加わり円買い圧力が強まると、これまで急速に進んできた米長期金利上昇を警戒した米国株の急落をきっかけに世界的な株安の連鎖が続き、ドル円は下げ足を強め、16日には月間最安値の111.89円まで急落。
月後半に入り、米FOMC議事要旨が公表され、9月の利上げが全会一致で決定されていたことや今後の利上げに対し積極的な姿勢が見られたことから、市場は概ねドル買いで反応し、112.70円付近まで反発。一方でサウジアラビア情勢、イタリアとEUによる財政を巡る対立激化、米中通商摩擦の行方への懸念等も根強く、その後は円が買い戻されている。月末にかけて世界的な株安連鎖の状況が徐々に緩和される中、対主要通貨でドルが買い戻される展開となったことから29日には111.96円まで上昇すると月末31日には113.26円まで続伸して終了。
略語注釈
FOMC 米国連邦公開市場委員会 NAFTA 北米自由貿易協定
以上
金 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$: 〃 円建: 〃
金(Gold)
■ドル建て金相場
月間最安値の1,185.30ドルでスタートした10月のドル建て金相場は、月初、イタリア政府要人のEU離脱示唆を受け、安全資産として選好され1,210ドル近辺まで上昇するも1,210ドル近辺では上値は重く1,200ドル近辺で売り買い交錯したあと、米長期金利の上昇を材料にドル買いが優勢となり、9日には1,185.55ドルまで下落。
その後は、米国株の急落をきっかけに世界同時株安が波及すると、11日発表の米経済指標も軒並み市場予想を下回る結果となったことでドルが売られ、1,220ドル台中盤まで急騰。加えて、サウジアラビア人記者失踪を巡りサウジアラビア・米国間の情勢が緊迫したことで15日には1,233.00ドルまで上値を伸ばした。17日にはFOMC議事要旨が発表され、今後も段階的な利上げの維持が示されドルが強含む一方、中東情勢の緊迫化による地政学的リスクも巻き込み、1,220ドル近辺から1,230ドル近辺の方向感のない展開で推移した。
その後は、1,230ドル近辺で底堅く推移すると、米企業決算の不調を受け米国株が下げ幅を拡大すると26日には月間最高値の1,236.05ドルまで上昇。月末にかけて、米国株が上昇に転じ、米経済指標も市場予想を上回る強い結果だったことからドルが強含み月末31日には1,214.95ドルまで上値を削り終了。
■円建て金相場
4,402円でスタートした10月の円建て金相場は、月半ばにかけて軟調なドル建て金相場と円高方向に進んだ為替相場を受け、11日には月間最安値の4,354円まで下落。その後は、反転に転じたドル建て相場により値を伸ばすと24日には月間最高値の4,492円まで上伸。月末にかけてドル建て相場がやや弱含んだことで31日には4,481円まで値を落とし終了。
プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
月間最安値の813.00ドルでスタートした10月のドル建てプラチナ相場は、米国株上昇を好感した買いから835ドル近辺まで値を伸ばすも、米長期国債利回り急騰を受け米国株が下落に転じると8日には814.00ドルまで値を落とし、上げ幅を打ち消す展開となった。その後、820ドル近辺で揉み合ったあとは、米国株急落を受け世界的に株安が進行したことや、弱い米経済指標を背景にドルが上値を削ったことで、貴金属全般に資金が流入し840ドル近辺まで上昇。更に、サウジアラビア人記者を巡る中東情勢不安から上昇する金相場に連れ高となり、15日には月間最高値の845.00ドルまで続伸。
しかし、基本的な需給構造の弱さから高値を下支えする材料は乏しく下落に転じると、17日発表のFOMC議事要旨にて今後も段階的な利上げ継続が示されたことでドルが強含み830ドル近辺まで下落。同値近辺で揉み合ったあとは、底堅く推移する金相場に連れ高となり840ドル近辺まで値を伸ばすも、米国株が上昇に転じたことや好調な米経済指標を受けてドル高となると31日には834.00ドルまで値を落として終了。
■円建てプラチナ相場
3,078円でスタートした10月の円建てプラチナ相場は、月初、堅調推移するドル建てプラチナ相場とドル高が相俟って3日に月間最高値の3,136円まで上昇。その後は米国株が軟調に推移したことから為替相場が一転ドル安に推移する中、ドル建て相場も上値を削ったことで11日に月間最安値の3,061円まで下落。月末にかけて、為替相場はやや円安方向に動き、ドル建て相場は下げ幅を戻したことで31日には3,120円まで回復し終了。
銀(Silver)
■ドル建て銀相場
14.55ドルでスタートした10月のドル建て銀相場は、月を通して動意に欠ける展開となった。月初、金相場の上昇に好感し連れ高となるも、米10年債利回り上昇を背景にドル高が進んだことで上げ幅を打ち消すと9日には月間最安値の14.33ドルまで下落。
その後は、米国株大幅下落から世界中に連鎖的な株安が広がり、冴えない米経済指標もドル売りを加速させ、貴金属全般に資金が流入したことで14.60ドル近辺まで反発。加えて、サウジアラビア人記者失踪を背景に地政学的リスクの台頭から金が選好されると、これに追随するかたちで16日には月間最高値の14.76ドルまで続伸。しかし、中国経済指標の結果を受け、中国経済減速懸念の広がりから銅やニッケルといった非鉄金属が下落。産業用メタルとしての側面からこれを嫌気し14.50ドル近辺まで値を下げた。その後は、イタリア財政問題や米国株をはじめとした世界的な株安、米中通商問題による経済減速懸念といった世界情勢から金が買い進まれると月間最高値近辺まで回復。月末にかけて、米国株が反転し、米経済指標も好調だったことでドル高が進むと、31日には14.34ドルまで値を下げて終了。
■円建て銀相場
56.40円でスタートした10月の円建て銀相場は、月初、上昇するドル建て銀相場とドル高を受けて3日に月間最高値の56.80円まで値を伸ばした。月半ばにかけて、下落するドル建て相場とドル安が相俟って11日に月間最安値の54.40円まで下落。月末にかけてドル建て相場が底堅く推移したことで31日には55.40円まで値を戻して終了。
■為替
113.92円でスタートした10月のドル円相場は米国とカナダのNAFTA再交渉の妥結や1997年以来の高水準となった米9月非製造業総合景況指数を材料に4日には月間最高値となる114.42円まで上昇したものの、その後は米国株の下落を嫌気したポジション調整が進み、114円台前半まで反落。5日には米9月雇用統計が発表されたものの、市場予想通り好調な結果となったことから、為替への反応は限定的であった。月の半ばにかけて中国連休明けに同国株が急落する場面が見られ、イタリア財政問題や英国のEU離脱問題等も加わり円買い圧力が強まると、これまで急速に進んできた米長期金利上昇を警戒した米国株の急落をきっかけに世界的な株安の連鎖が続き、ドル円は下げ足を強め、16日には月間最安値の111.89円まで急落。
月後半に入り、米FOMC議事要旨が公表され、9月の利上げが全会一致で決定されていたことや今後の利上げに対し積極的な姿勢が見られたことから、市場は概ねドル買いで反応し、112.70円付近まで反発。一方でサウジアラビア情勢、イタリアとEUによる財政を巡る対立激化、米中通商摩擦の行方への懸念等も根強く、その後は円が買い戻されている。月末にかけて世界的な株安連鎖の状況が徐々に緩和される中、対主要通貨でドルが買い戻される展開となったことから29日には111.96円まで上昇すると月末31日には113.26円まで続伸して終了。
略語注釈
FOMC 米国連邦公開市場委員会 NAFTA 北米自由貿易協定
以上