マーケット市況情報

2018年10月10日 13時00分

2018年9月の貴金属市況2018年10月10日 13時00分

価格ベース
金 US$:LBMA Price  円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:   〃   円建:   〃

金(Gold)
■ドル建て金相場
1,201.70ドルでスタートした9月のドル建て金相場は、4日発表の米8月ISM製造業景況指数が市場予想を上回りドルが強含むと1,190ドル台前半まで下落。この価格レベルでは買いが旺盛となり、徐々に下値を切り上げ1,200ドル台を回復するも上値は限定的。力強い米経済指標の結果を背景に主要通貨に対してドルが買い進まれ、軟調地合いへと転換すると11日には1,189.85ドルまで下げ幅を拡大。その後は、米国が中国に対し更なる貿易関係悪化を回避するため新たな通商交渉を提案したとの報を受けドルからの資金流出が加速すると、13日ロンドン時間午後には月間最高値の1,209.80ドルまで急騰。
しかし、米中通商会議再開を探る動きの一方で、トランプ米大統領が中国製品に対して新たな追加関税を示唆したことによるドル高の進行から1,195ドル近辺まで下落する場面は見られたものの、やや加熱気味であったドル高の一服で1,200ドル台を回復。実際に発動された追加関税は想定よりも低い税率に留まったことから、米中貿易戦争に対する懸念が楽観視され下値を切り上げた。また、中国政府が大半の貿易国に対して、幅広い商品を対象に関税を引き下げる計画との報から、貿易摩擦への緊張緩和に対する期待感が高まり、主要通貨に対してドルが売られると1,210ドルを試す展開。しかし、連日の米株式史上最高値更新を受け1,195ドル近辺まで急落したあとは、1,200ドル近辺で推移。26日にはFOMCにて約3ヶ月ぶりの利上げ実施が発表されたことに加え、力強い米経済指標の結果もサポート材料となり、ユーロに対してドルが急伸すると1,185ドル近辺まで急落。翌28日ロンドン時間午前には月間最安値の1,183.50ドルまで下げ幅を拡大し、同日午後には1,187.25ドルまで値を戻し終了。

■円建て金相場
4,326円でスタートした9月の円建て金相場は軟調な為替相場を背景に、7日と10日に月間最安値の4,313円まで下落。月半ばにかけては下値を切り上げるドル建て金相場と底堅く推移する為替相場が相俟って21日には月間最高値の4,413円まで値を伸ばした。その後は、ドル建て相場の下落に伴い値を落とすと、月末28日には4,357円で終了。

プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
787ドルでスタートした9月のドル建てプラチナ相場は、根本的な需給構造の弱さから月を通じて上値の重い相場展開となった。月初、強い米経済指標を背景にドルが強含んだことで、4日に月間最安値の772ドルまで下落するとその後は、徐々に下値を切り上げ790ドル台前半まで回復するも続かず、800ドルが心理的な節目となり上値は抑えられる展開。780ドル近辺まで反落したあとは、米国が中国に対して新たな通商交渉を計画しているとの報道からドルが弱含み再度800ドルを試すと、投機筋の買い戻しも巻き込み810ドル近辺まで急伸。
800ドル近辺で売り買い交錯し揉み合う展開となったあとは、米中通商問題が一服したことや米株高にサポートされる形で下値を切り上げ、21日には月間最高値の838ドルまで上昇。月末にかけて、830ドル近辺で動意の乏しい展開となったあとは、約3ヶ月ぶりにFOMCが利上げ実施を発表し、翌27日発表の米経済指標も力強い内容であったことから、米国経済の底堅さが再認識されドルが強含むと810ドル近辺まで下落。月末28日にはやや値を戻し815ドルで終了。

■円建てプラチナ相場
2,910円でスタートした9月の円建てプラチナ相場は、ドル建てプラチナ相場の下落を受けて5日に月間最安値の2,886円まで値を下げた。月半ばにかけてドル建て相場と為替相場が双方強含むと21日には月間最高値の3,111円まで反発。月末にかけてドル建て相場が軟調地合いとなり28日には3,047円まで値を戻して終了。

銀(Silver)
■ドル建て銀相場
月間最高値の14.53ドルでスタートした9月のドル建て銀相場は、ドル堅調地合いを背景に下落する金相場に連れ安となり14.10ドル近辺まで急落したものの、14ドル近辺の底値が意識されると下支えられ14.30ドル近辺まで回復。その後は、14.10ドルから14.20ドル近辺の方向感に欠ける展開の中で、11日に月間最安値の14.13ドルをつけた。総じて、米中通商問題を背景に実需後退懸念が燻り、銅やニッケルなどの非鉄金属同様に上値は抑えられる相場展開。
その後は、米中通商問題悪化を回避すべく米国が中国に対し歩み寄り姿勢をみせたことで14.30ドル近辺まで回復したものの、米大統領が追加関税導入を示唆したことで再度14.10ドル近辺まで下落。同追加関税の内容が市場の想定よりも緩やかだったことや、中国政府が多くの貿易相手国に対し輸入関税を引き下げる計画があるとの報道から、通商問題に対する楽観的な見方が広がり14.40ドル近辺まで徐々に下値を切り上げた。その後、ドルが対ユーロで弱含んだことで14.40ドルを上抜けると26日には14.48ドルまで急伸。月末にかけて利食い売りや金相場の下落に連れ安となり、28日には14.31ドルまで値を下げて終了。

■円建て銀相場
54.60円でスタートした9月の円建て銀相場は、ドル建て銀相場と為替相場の下落によって7日に月間最安値の53.10円まで値を落とした。月末にかけてドル建て相場と為替相場が堅調地合いとなったことで26日に月間最高値の55.40円まで上昇。月末28日にはやや値を戻し54.80円で終了。

■為替
110.99円でスタートした9月の為替相場は、米国を取り巻く対外通商摩擦の激化が懸念される中、4日に発表された米8月ISM製造業景況指数が14年ぶりの高水準となったことからドルが買い進められ、111.50円付近まで上昇したが、6日には米トランプ大統領が日米貿易協議を前に現状の対日貿易に強い不満を持っていることが報道され、翌7日には月間最安値である110.51円まで急落。その後は米8月雇用統計では市場予想を上回る新規雇用者数や低い失業率が示されたことから111円台を回復。
月の半ばにかけて、米国による対日通商交渉への警戒感から弱含む場面が見られたが、米中・米加通商交渉への期待感や新興国通貨への懸念が後退したことで112円近辺まで上値を伸ばした。18日には米トランプ大統領が2000億ドル相当の中国製品に対する輸入関税発動を発表したものの、事前報道の25%ではなく、10%に留まったことから市場に安心感が広がり、円売りが優勢となると21日には112.61円まで続伸。
26日には米FOMC声明が発表され、市場予測通り利上げが決定し、米国経済に対して楽観的な見方が示されたことから対主要通貨でドルが強含み、113.00円を突破。月末には月間最高値の113.57円まで上昇して終了。

略語注釈
FOMC 米国連邦公開市場委員会

以上
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