マーケット市況情報

2018年09月10日 09時00分

2018年8月の貴金属市況2018年09月10日 09時00分

価格ベース
金 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:   〃   円建:   〃

金(Gold)
■ドル建て金相場
月間最高値の1,222.75ドルでスタートした8月のドル建て金相場は、1日の米FOMC声明発表で米国経済の底堅さが認識され、緩やかなペースで利上げを行う方針が示されたことや世界的に高まる貿易摩擦に対する緊張感を背景に主要通貨に対してドルが買い進まれ、1,200ドル台中盤まで下落。その後、1,210ドル近辺で揉み合ったあとは、トルコでの米国人牧師拘束問題を背景にトルコ・米国間の関係が悪化しトルコリラが急落。この流れが新興国通貨全般に波及したことで、ドルへの資金流入が加速し1,190ドル近辺まで続落。引き続き新興国市場や通商問題を巡る先行き不透明感から、ドルに対する需要が強くなる中で、17日には月間最安値の1,176.70ドルまで下げ足を強めた。
その後は、FRBの利上げに対する米大統領の牽制発言から、ドルが売られ堅調地合いへと転換。22日公表のFOMC議事要旨では、通商問題を下方リスクとみなしていることが示されドルが続落すると1,200ドル近辺まで上昇。1,200ドル近辺では投機的な売りが旺盛となり1,180ドル台中盤まで反落するも、パウエルFRB議長の講演にて、今後の金融政策について慎重な発言がみられたことからドル売りが強まり1,210ドル近辺まで反発。月末にかけて、米8月消費者信頼感指数が高水準だったことで景気先行き見通しに楽観的な見方が広がったことに加え、米大統領による中国からの輸入品2,000億ドル相当への関税を発動する意向との報道からドル買い優勢となると、31日には1,202.45ドルまで下落して終了。

■円建て金相場
月間最高値の4,447円でスタートした8月の円建て金相場は、月半ばにかけて軟調推移するドル建て金相場を受け16日に月間最安値の4,207円まで下落。その後は、ドル建て相場の反発と為替相場が円安に推移したことから、月末31日には4,321円まで値を戻して終了。

プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
830ドルでスタートした8月のドル建てプラチナ相場は、月初、売り買いが交錯し820ドル近辺から830ドル近辺のレンジ相場を形成する中で、米国株高を好感した買いから9日には月間最高値の837ドルまで下値を切り上げた。その後は、米国人牧師拘束問題を背景にトルコ・米国間の関係が悪化しトルコリラが急落すると、新興国通貨全般にも波及しドル買いが進むと800ドル近辺まで急落。同値付近では心理的節目から買い支えられ、反発する場面がみられたものの、米国を中心とした世界的な貿易摩擦への懸念や新興国市場の先行き不透明感からドル買いは旺盛で800ドルを下抜けすると、売りが売りを呼ぶ展開となり15日に月間最安値の775ドルまで下げ幅を拡大。
その後は、トランプ米大統領の発言をきっかけにドルが軟化したことから800ドル近辺まで買い戻された。同値付近では徐々に売りが優勢となり780ドル近辺まで反落。月末にかけて、米国とメキシコが新たな貿易協定に合意し、通商問題に対する緊張感の緩和から再びドル売りが優勢となり一時810ドル近辺まで上昇。その後は、良好な米経済指標を受け景気先行き見通しに楽観的な見方が広がったことや、米国の中国に対する追加関税発動に関する報道を受けドル高となると、月末31日には792ドルまで値を下げて終了。

■円建てプラチナ相場
月間最高値の3,107円でスタートした8月の円建てプラチナ相場は、月半ばのドル建てプラチナ相場急落により、16日に月間最安値の2,815円まで下落。月末にかけてドル建て相場が底堅く推移し為替相場が円安に進んだことで31日には2,924円まで反発して終了。

銀(Silver)
■ドル建て銀相場
月間最高値の15.48ドルでスタートした8月のドル建て銀相場は、月初、15.40ドルを挟んだレンジ相場を形成し動意に欠ける展開となったあとは、トルコ・米国間の緊張を背景にドル買い優勢となると15ドル近辺まで値を落とした。心理的な節目となる15ドルでは一時底堅さをみせたものの、トルコリラをはじめとした新興国通貨の下落からドルへの資金流入が加速し15ドルを下抜けすると16日に月間最安値の14.61ドルまで急落。
この価格水準では買戻しも入り、銅やニッケルなどの非鉄金属の上昇にもサポートされ14.80ドル近辺まで値を戻したあとは、売り買いが交錯する展開。その後は、金相場に連れ安となり反落する場面もみられたが、24日にパウエルFRB議長が利上げに対する慎重な姿勢を示したことでドルが軟化。下げ幅を打ち消し底堅く推移すると15ドル台を回復。月末にかけて、トランプ米大統領が中国からの輸入品に対して追加関税を望むとの報道から、実需後退懸念による非鉄金属全般の下落が材料視され上値を削ると、月末31日には14.66ドルまで値を下げて終了。

■円建て銀相場
月間最高値の58.60円でスタートした8月の円建て銀相場は、月半ばのドル建て銀相場下落に伴い、16日に月間最安値の54.00円まで値を落とした。月末にかけてドル建て相場がやや回復し、為替相場が円安方向に進んだことも相俟って31日には54.70円まで値を戻して終了。

■為替
月間最高値の111.84円でスタートした8月の為替相場は、月初、米トランプ大統領が対中国への追加関税を検討していると報じられたことからドル売りが優勢となると、その後に発表された米FOMCでは、市場予想通りとなる政策金利の据え置きや景気判断の上方修正等が行われ、米7月雇用統計で非農業部門の雇用者数が伸び悩んだことを材料に加えて111円前半まで下落。その後は中国による対米報復関税が報じられ、9日には110.91円まで続落。翌10日にはトルコでの米国人牧師の拘束に対して同国政府が解放を拒否したことから米国政府は対トルコ制裁となる鉄鋼・アルミニウムの関税引き上げを発表。対ドルでトルコリラが急落する中で新興国通貨全般にも波及する流れが強まると、逃避的に円も買われる展開となり、トランプ大統領の利上げけん制発言も相俟って21日には月間最安値の109.90円まで大きく円高が進んだ。
しかし、その後はFRB高官が同発言を受けて政策判断に大きな影響はないと発言するなど反応は薄く、110円台を回復すると月末には好調な米第二四半期GDPや底堅い米国株を背景にドル買いが優勢となり、30日には111.76円まで上昇。月末にはやや値を落として111.06円で終了。

略語注釈
FOMC 連邦公開市場委員会 FRB 連邦準備制度理事会 GDP 国内総生産        

以上