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マーケット市況情報
2018年07月09日 10時00分
2018年6月の貴金属市況2018年07月09日 10時00分
価格ベース
金 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$: 〃 円建: 〃
金(Gold)
■ドル建て金相場
1,299.15ドルでスタートした6月のドル建て金相場は、5月米雇用者数の増加及び失業率の低下からリスク選好の動きが強まり1,290ドル台前半まで値を落としたあとは、ECBが近いうちに金融緩和終了時期を公表する可能性があるとの報により、対ユーロでドルが売られ1,300ドル近辺まで反発。その後はG7サミット ・米朝首脳会談・FOMC・ECB理事会といった多くのイベントが開催される中、1,300ドル近辺で揉み合う展開となった。G7サミットでは米国と同盟国の貿易面での対立が深まる一方で、12日の米朝首脳会談では朝鮮半島完全非核化を目指すことで合意。13日のFOMC声明では予定通り利上げを発表し、年内利上げ回数見通しの上方修正に反応し一時的に下げたあとは、14日のECB理事会で年内に量的緩和策を終了し、現行の低金利を2019年夏まで維持することが発表されドルが強含んだものの、米中貿易摩擦悪化懸念から上昇に転じ、14日に月間最高値の1,305.30ドルをつけた。
その後、米国が中国に対し追加関税を正式に発表し、中国が報復措置をとると表明したことで貿易戦争激化によるリスクオフへの動きが強くなったものの、材料出尽くし感は強く、むしろ先のFOMCで年内利上げ見通しが引き上げられたことが意識され、主要通貨に対しドルが強含んだことで売り込まれ1,280ドル近辺まで急落。その後も上値は重く、20日にはパウエルFRB議長の利上げに対する肯定的な発言も相俟って1,260ドル台後半へ下げ幅を拡大。米国が中国に対する投資抑制を巡って、想定よりも穏健な手段で行うことを表明したことや米株式の上昇にサポートされドルが続伸すると、月末29日に月間最安値の1,250.45ドルまで値を落とし終了。
■円建て金相場
4,591円でスタートした6月の円建て金相場は、ドル建て金相場の動意は乏しかったものの、為替相場が上昇したことで値を伸ばすと15日に月間最高値の4,669円まで上昇。月半ばから下旬にかけてドル建て相場と為替相場の下落が相俟って値を落とすと、月末にかけて引き続き軟調なドル建て相場を受け、29日に月間最安値の4,477円まで下げ幅を拡大し終了。
プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
月間最高値の910ドルでスタートした6月のドル建てプラチナ相場は、相場を押し上げる材料に乏しい中で月を通して軟調な展開となった。月初、市場予想を上回る力強い米5月雇用統計を受けてドルが底堅く推移する中で890ドル台中盤まで下落すると、G7サミット・米朝首脳会談・FOMC・ECB理事会など数多くのイベントをこなしながら890ドル台後半から900ドル台後半で揉み合う展開が続いた。月間最高値の910ドルを試す場面も見られたが上伸する材料に乏しく上げ幅は限定的。その後、米国が中国に対する追加関税を発表し、中国がこれに報復措置を取ると表明したことで貿易戦争激化の様相を呈し、商品市場全般が下落局面となる中890ドル近辺まで急落。
貿易摩擦懸念が燻り、商品市場全般が売り込まれる中、プラチナの買い意欲は乏しく、860ドル台後半まで下げ幅を拡大するも投機筋によるショートカバーも相俟って一時880ドル近辺まで値を戻した。その後は、パウエルFRB議長の利上げに対する肯定的な姿勢と、米国が中国に対して投資規制をする上で強硬手段を選択しなかったことでドルが強含み下落基調へと転換。29日ロンドン時間午前には月間最安値の846ドルまで反落し、同日ロンドン時間午後には851ドルまで値を戻して終了。
■円建てプラチナ相場
3,275円でスタートした6月の円建てプラチナ相場は、為替相場の底堅い推移により値を伸ばすと15日に月間最高値の3,317円まで上昇。月末にかけて、ドル建てプラチナ相場が軟調に推移したことで下落基調となると、29日に月間最安値の3,117円まで値を落として終了。
銀(Silver)
■ドル建て銀相場
16.42ドルでスタートした6月のドル建て銀相場は、同値近辺で推移したあとは、金相場に連れ高となり徐々に下値を切り上げると、銅やニッケルなどの非鉄金属上昇に好感して底堅く推移。FOMCでは予定通り追加利上げが実施され、対ユーロでドルが強含んだものの、米国が中国に対する輸入関税を公表予定との報を受け、ドルが反転したことで15日に月間最高値の17.23ドルまで続伸。
その後、米国が中国に対し追加関税を発表し、中国もこれに対し報復措置を表明したことで貿易摩擦は激化し商品市場全般が下落基調となる中、月初と同レベルの16.40ドル近辺まで下げ幅を拡大。先のFOMC声明で年内の利上げ見通しが引き上げられたことが意識され、主要通貨に対しドルが強含み16.20ドル近辺まで下落するも、非鉄金属上昇に連れ高となり16.40ドル近辺まで反発。しかし、貿易戦争激化による需要減退懸念や、パウエルFRB議長の利上げに対する肯定的な発言などを背景に下落する金相場に連れ安となり軟調な展開となると、月末29日には月間最安値の16.03ドルまで下げ幅を拡大し終了。
■円建て銀相場
60.30円でスタートした6月の円建て銀相場は、月半ばにかけて上昇するドル建て相場と為替相場を受けて15日に月間最高値の63.90円まで上昇。月末にかけて軟調に推移したドル建て相場を背景に値を落とすと、28日と29日に月間最安値の59.70円まで下落して終了。
■為替
月間最安値の108.94円でスタートした6月のドル円為替相場は、米5月雇用統計が市場予想を上回るレベルだったことに好感して109.50円近辺まで上昇。その後は、米長期金利急落やG7サミットでの通商政策対立に嫌気した売りによって値を落とす場面もみられたが、米朝首脳会談に対する期待感や13日のFOMC声明での利上げ発表並びに年内利上げ見通し引き上げを受けて底堅く推移すると、好調な米6月小売売上高を背景に15日には月間最高値の110.68円まで値を伸ばした。
その後は、トランプ米大統領から中国に対する追加関税検討が発表され、再び米中貿易摩擦への警戒感が高まったことで円買いが強まり109.50円近辺まで急落。日米欧中銀総裁のパネル討論でのパウエルFRB議長の利上げに対する発言を受け反転すると、日経平均株価上昇もサポート材料となり月間最高値レベルまで値を戻した。しかし、21日発表の米経済指標が軒並み低調だったことで110円近辺まで下落。加えて、米大統領がEUから輸入する自動車への関税拡大を示唆し、中国からの投資を制限する計画があるとの報を受け109.50円近辺まで下げ幅を拡大。月末にかけて、米国が中国に対する投資規制に強硬な手段を選択しなかったことでドルが買い戻され、米株高にもサポートされ下値を切り上げると月末29日には110.54円まで上伸して終了。
名称
FOMC 連邦公開市場委員会 FRB 連邦準備制度理事会 ECB 欧州中央銀行
G7サミット 主要7カ国首脳会議 EU 欧州連合
以上
金 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$: 〃 円建: 〃
金(Gold)
■ドル建て金相場
1,299.15ドルでスタートした6月のドル建て金相場は、5月米雇用者数の増加及び失業率の低下からリスク選好の動きが強まり1,290ドル台前半まで値を落としたあとは、ECBが近いうちに金融緩和終了時期を公表する可能性があるとの報により、対ユーロでドルが売られ1,300ドル近辺まで反発。その後はG7サミット ・米朝首脳会談・FOMC・ECB理事会といった多くのイベントが開催される中、1,300ドル近辺で揉み合う展開となった。G7サミットでは米国と同盟国の貿易面での対立が深まる一方で、12日の米朝首脳会談では朝鮮半島完全非核化を目指すことで合意。13日のFOMC声明では予定通り利上げを発表し、年内利上げ回数見通しの上方修正に反応し一時的に下げたあとは、14日のECB理事会で年内に量的緩和策を終了し、現行の低金利を2019年夏まで維持することが発表されドルが強含んだものの、米中貿易摩擦悪化懸念から上昇に転じ、14日に月間最高値の1,305.30ドルをつけた。
その後、米国が中国に対し追加関税を正式に発表し、中国が報復措置をとると表明したことで貿易戦争激化によるリスクオフへの動きが強くなったものの、材料出尽くし感は強く、むしろ先のFOMCで年内利上げ見通しが引き上げられたことが意識され、主要通貨に対しドルが強含んだことで売り込まれ1,280ドル近辺まで急落。その後も上値は重く、20日にはパウエルFRB議長の利上げに対する肯定的な発言も相俟って1,260ドル台後半へ下げ幅を拡大。米国が中国に対する投資抑制を巡って、想定よりも穏健な手段で行うことを表明したことや米株式の上昇にサポートされドルが続伸すると、月末29日に月間最安値の1,250.45ドルまで値を落とし終了。
■円建て金相場
4,591円でスタートした6月の円建て金相場は、ドル建て金相場の動意は乏しかったものの、為替相場が上昇したことで値を伸ばすと15日に月間最高値の4,669円まで上昇。月半ばから下旬にかけてドル建て相場と為替相場の下落が相俟って値を落とすと、月末にかけて引き続き軟調なドル建て相場を受け、29日に月間最安値の4,477円まで下げ幅を拡大し終了。
プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
月間最高値の910ドルでスタートした6月のドル建てプラチナ相場は、相場を押し上げる材料に乏しい中で月を通して軟調な展開となった。月初、市場予想を上回る力強い米5月雇用統計を受けてドルが底堅く推移する中で890ドル台中盤まで下落すると、G7サミット・米朝首脳会談・FOMC・ECB理事会など数多くのイベントをこなしながら890ドル台後半から900ドル台後半で揉み合う展開が続いた。月間最高値の910ドルを試す場面も見られたが上伸する材料に乏しく上げ幅は限定的。その後、米国が中国に対する追加関税を発表し、中国がこれに報復措置を取ると表明したことで貿易戦争激化の様相を呈し、商品市場全般が下落局面となる中890ドル近辺まで急落。
貿易摩擦懸念が燻り、商品市場全般が売り込まれる中、プラチナの買い意欲は乏しく、860ドル台後半まで下げ幅を拡大するも投機筋によるショートカバーも相俟って一時880ドル近辺まで値を戻した。その後は、パウエルFRB議長の利上げに対する肯定的な姿勢と、米国が中国に対して投資規制をする上で強硬手段を選択しなかったことでドルが強含み下落基調へと転換。29日ロンドン時間午前には月間最安値の846ドルまで反落し、同日ロンドン時間午後には851ドルまで値を戻して終了。
■円建てプラチナ相場
3,275円でスタートした6月の円建てプラチナ相場は、為替相場の底堅い推移により値を伸ばすと15日に月間最高値の3,317円まで上昇。月末にかけて、ドル建てプラチナ相場が軟調に推移したことで下落基調となると、29日に月間最安値の3,117円まで値を落として終了。
銀(Silver)
■ドル建て銀相場
16.42ドルでスタートした6月のドル建て銀相場は、同値近辺で推移したあとは、金相場に連れ高となり徐々に下値を切り上げると、銅やニッケルなどの非鉄金属上昇に好感して底堅く推移。FOMCでは予定通り追加利上げが実施され、対ユーロでドルが強含んだものの、米国が中国に対する輸入関税を公表予定との報を受け、ドルが反転したことで15日に月間最高値の17.23ドルまで続伸。
その後、米国が中国に対し追加関税を発表し、中国もこれに対し報復措置を表明したことで貿易摩擦は激化し商品市場全般が下落基調となる中、月初と同レベルの16.40ドル近辺まで下げ幅を拡大。先のFOMC声明で年内の利上げ見通しが引き上げられたことが意識され、主要通貨に対しドルが強含み16.20ドル近辺まで下落するも、非鉄金属上昇に連れ高となり16.40ドル近辺まで反発。しかし、貿易戦争激化による需要減退懸念や、パウエルFRB議長の利上げに対する肯定的な発言などを背景に下落する金相場に連れ安となり軟調な展開となると、月末29日には月間最安値の16.03ドルまで下げ幅を拡大し終了。
■円建て銀相場
60.30円でスタートした6月の円建て銀相場は、月半ばにかけて上昇するドル建て相場と為替相場を受けて15日に月間最高値の63.90円まで上昇。月末にかけて軟調に推移したドル建て相場を背景に値を落とすと、28日と29日に月間最安値の59.70円まで下落して終了。
■為替
月間最安値の108.94円でスタートした6月のドル円為替相場は、米5月雇用統計が市場予想を上回るレベルだったことに好感して109.50円近辺まで上昇。その後は、米長期金利急落やG7サミットでの通商政策対立に嫌気した売りによって値を落とす場面もみられたが、米朝首脳会談に対する期待感や13日のFOMC声明での利上げ発表並びに年内利上げ見通し引き上げを受けて底堅く推移すると、好調な米6月小売売上高を背景に15日には月間最高値の110.68円まで値を伸ばした。
その後は、トランプ米大統領から中国に対する追加関税検討が発表され、再び米中貿易摩擦への警戒感が高まったことで円買いが強まり109.50円近辺まで急落。日米欧中銀総裁のパネル討論でのパウエルFRB議長の利上げに対する発言を受け反転すると、日経平均株価上昇もサポート材料となり月間最高値レベルまで値を戻した。しかし、21日発表の米経済指標が軒並み低調だったことで110円近辺まで下落。加えて、米大統領がEUから輸入する自動車への関税拡大を示唆し、中国からの投資を制限する計画があるとの報を受け109.50円近辺まで下げ幅を拡大。月末にかけて、米国が中国に対する投資規制に強硬な手段を選択しなかったことでドルが買い戻され、米株高にもサポートされ下値を切り上げると月末29日には110.54円まで上伸して終了。
名称
FOMC 連邦公開市場委員会 FRB 連邦準備制度理事会 ECB 欧州中央銀行
G7サミット 主要7カ国首脳会議 EU 欧州連合
以上