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マーケット市況情報
2006年08月07日 09時33分
2006年7月の貴金属市況2006年08月07日 09時33分
価格ベース
金 US$:London Fixing 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:N.Y.F.M 円建: 〃
金(Gold)
■海外金相場
7月の金相場は6月末に開催された米国連邦公開市場委員会(FOMC)での声明文において、今後の継続的米ドル金利引上げに懐疑的内容となった事から、比較的底堅い展開でスタート。619.5ドルで寄り付いた後、直ぐに620ドル台を回復しました。更に 北朝鮮によるミサイル発射の報道を受けて「資金逃避の買い」が活発化。加えて6日に開催された欧州中央銀行(ECB)の定例理事会後、トリシェ総裁がユーロの追加利上げを示唆する発言を行った事から、ユーロ高・ドル安が顕著となると、基本的にドル為替相場とは逆相関関係にある金市場に資金が流入することとなり、7日には630ドル台を回復しました。その後もインド・ムンバイにおける同時爆破テロ、イスラエルのレバノン侵攻、混迷するイラン核問題等を背景に、所謂 地政学的リスク回避の為の金買いが活発化して、17日には一時670ドルを超えるレベルまで上昇しました。しかし、昨今のテロや軍事的危機に対する市場の理解はインパクトが長続きしないと言うのが共通認識。今回もご多分に漏れず、670ドルを越えた直後から、ファンド筋を中心に手仕舞いの売りが優勢となり24日には月間の最安値となる605.70ドルまで下落しました。但し600ドル近辺では、下値感が台頭し買いが入りました。月末にかけては630ドル台まで緩やかな上昇局面を保ちましたが、27日に発表された米国06年第2四半期のGDP速報値が2.5%の成長と市場予測の3.2%の成長を大幅に下回る結果となり、「米ドル金利の引上げが更に遠のいた」の認識から、米ドル売り/金買いの傾向が強まりました。 尚、COMEXにおける投機家の買い持ち玉数は7月を通じて250トン~350トン程度と大きな変化は認められませんでした。特に月後半は夏枯れ的要因も加わり取引量そのものも伸びませんでした。
■為替相場
7月のドル円為替相場は114円台中盤でスタートした後、5日北朝鮮ミサイル発射の影響から115円台までドル高・円安が進みました。しかし7日に発表された米国雇用統計では、景気浮沈の指標となる非農業部門の雇用者数が12.1万人増と市場予測の18.5万人増を大幅に下回ったことから、ドルの上値が抑えられ週明けの10日には114円近辺までドル安・円高の傾向となりました。その後も引き続き経済指標に敏感に反応する相場となり、12日に発表された5月の米国貿易収支では638.4億ドルの赤字と、市場予測の644億ドルを下回った事を好感して今度はドル買いが先行しレンジを115円台に修正。14日・15日に行われた日銀政策決定会合では、大方の予想通り0.25%の利上げが決定され6年続いたゼロ金利政策に別れを告げる事となりましたが、市場は寧ろ日銀の福井総裁が「連続的利上げを意図しているのではない。」と発言した事に注目。先々の円金利上昇はあまり急ではないと言う認識が市場の大部分を占めると同時に、偶発的にもイスラエルのレバノン進行のニュースが伝播され、円は一気に売られる展開となり19日には月間の最安値レベルである117円台中盤まで、円安が進行しました。その後は円買戻しの動きも出て116円~117円でのレンジ相場となりましたが、27日に発表された米国06年第2四半期のGDP速報値が2.5%の成長と市場予測の3.2%の成長を大幅に下回る結果となり、ドル金利引上げ政策の早期中止が更に現実味を帯びると、ドルは115円近辺まで軟化して越月しました。
■国内金相場
7月の国内円建て相場は、テロや軍事的危機を背景にドル建て金相場の上下動が比較的大きかったのに対して、為替相場の値動き幅が穏やかだった事から、基本的にはドル建て金相場の動きを素直に反映した価格となりました。別の見方をすれば、「地政学的リスク回避以外」の要因では、「ドル建て金価格上昇時=為替市場でドル安」、「ドル建て金価格下落時=為替市場でドル高」で円建て価格は相殺されるという昨年前半までのパターンが戻ってきた感があります。結果、14日から18日にかけてテロや軍事的危機を背景に地政学的リスクの高まりから一時的に2,400円を超えるレベルを記録しましたが、それ以外は概ね2、300円台中盤での持ち合いとなり、昨今の値動きの荒い相場展開を考えれば7月は比較的穏やかな展開であったと言えます。
プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
7月のプラチナ相場は、これまで価格を先導してきた投機筋の動きが鎮静化し、完全な往来相場に終始しました。24日には一時的に1,196ドルと1,200ドルを割り込む場面も見受けられましたが、それ以外は終始1,230ドルを挟み上下20ドル程度でのボックス相場となり、極めて動意の薄い月となりました。上の表が示すとおり7月月初の価格が1,243ドル・月末価格は1,228ドルですが、6月月初の価格1,244ドル、月末の価格1,226ドルと酷似。このことからも分るとおり市場は新しい手掛かりを求めている感が強く、逆に言えば特に新しい材料がなければ動くに動けないと言う展開が続きました。加えて月後半から季節的要因(夏枯れ)から取引量そのものが低調となり、総じて不活発な月となりました。
■国内プラチナ相場
一方7月の国内円建て相場は、高値と安値だけを見れば最高値が4,701円( 7月14日)・最安値が4,520円(7月11日)で値幅181円とかなり値動きがあった様に見られますが、11日から14日にかけてはテロや軍事的危機を背景とした、いわば突発的要因で上昇した金相場に追随した感が強く、実際には月の殆どは4,500円台後半から4,600円前半での持ち合い相場に終始しました。
以上
金 US$:London Fixing 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:N.Y.F.M 円建: 〃
金(Gold)
■海外金相場
7月の金相場は6月末に開催された米国連邦公開市場委員会(FOMC)での声明文において、今後の継続的米ドル金利引上げに懐疑的内容となった事から、比較的底堅い展開でスタート。619.5ドルで寄り付いた後、直ぐに620ドル台を回復しました。更に 北朝鮮によるミサイル発射の報道を受けて「資金逃避の買い」が活発化。加えて6日に開催された欧州中央銀行(ECB)の定例理事会後、トリシェ総裁がユーロの追加利上げを示唆する発言を行った事から、ユーロ高・ドル安が顕著となると、基本的にドル為替相場とは逆相関関係にある金市場に資金が流入することとなり、7日には630ドル台を回復しました。その後もインド・ムンバイにおける同時爆破テロ、イスラエルのレバノン侵攻、混迷するイラン核問題等を背景に、所謂 地政学的リスク回避の為の金買いが活発化して、17日には一時670ドルを超えるレベルまで上昇しました。しかし、昨今のテロや軍事的危機に対する市場の理解はインパクトが長続きしないと言うのが共通認識。今回もご多分に漏れず、670ドルを越えた直後から、ファンド筋を中心に手仕舞いの売りが優勢となり24日には月間の最安値となる605.70ドルまで下落しました。但し600ドル近辺では、下値感が台頭し買いが入りました。月末にかけては630ドル台まで緩やかな上昇局面を保ちましたが、27日に発表された米国06年第2四半期のGDP速報値が2.5%の成長と市場予測の3.2%の成長を大幅に下回る結果となり、「米ドル金利の引上げが更に遠のいた」の認識から、米ドル売り/金買いの傾向が強まりました。 尚、COMEXにおける投機家の買い持ち玉数は7月を通じて250トン~350トン程度と大きな変化は認められませんでした。特に月後半は夏枯れ的要因も加わり取引量そのものも伸びませんでした。
■為替相場
7月のドル円為替相場は114円台中盤でスタートした後、5日北朝鮮ミサイル発射の影響から115円台までドル高・円安が進みました。しかし7日に発表された米国雇用統計では、景気浮沈の指標となる非農業部門の雇用者数が12.1万人増と市場予測の18.5万人増を大幅に下回ったことから、ドルの上値が抑えられ週明けの10日には114円近辺までドル安・円高の傾向となりました。その後も引き続き経済指標に敏感に反応する相場となり、12日に発表された5月の米国貿易収支では638.4億ドルの赤字と、市場予測の644億ドルを下回った事を好感して今度はドル買いが先行しレンジを115円台に修正。14日・15日に行われた日銀政策決定会合では、大方の予想通り0.25%の利上げが決定され6年続いたゼロ金利政策に別れを告げる事となりましたが、市場は寧ろ日銀の福井総裁が「連続的利上げを意図しているのではない。」と発言した事に注目。先々の円金利上昇はあまり急ではないと言う認識が市場の大部分を占めると同時に、偶発的にもイスラエルのレバノン進行のニュースが伝播され、円は一気に売られる展開となり19日には月間の最安値レベルである117円台中盤まで、円安が進行しました。その後は円買戻しの動きも出て116円~117円でのレンジ相場となりましたが、27日に発表された米国06年第2四半期のGDP速報値が2.5%の成長と市場予測の3.2%の成長を大幅に下回る結果となり、ドル金利引上げ政策の早期中止が更に現実味を帯びると、ドルは115円近辺まで軟化して越月しました。
■国内金相場
7月の国内円建て相場は、テロや軍事的危機を背景にドル建て金相場の上下動が比較的大きかったのに対して、為替相場の値動き幅が穏やかだった事から、基本的にはドル建て金相場の動きを素直に反映した価格となりました。別の見方をすれば、「地政学的リスク回避以外」の要因では、「ドル建て金価格上昇時=為替市場でドル安」、「ドル建て金価格下落時=為替市場でドル高」で円建て価格は相殺されるという昨年前半までのパターンが戻ってきた感があります。結果、14日から18日にかけてテロや軍事的危機を背景に地政学的リスクの高まりから一時的に2,400円を超えるレベルを記録しましたが、それ以外は概ね2、300円台中盤での持ち合いとなり、昨今の値動きの荒い相場展開を考えれば7月は比較的穏やかな展開であったと言えます。
プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
7月のプラチナ相場は、これまで価格を先導してきた投機筋の動きが鎮静化し、完全な往来相場に終始しました。24日には一時的に1,196ドルと1,200ドルを割り込む場面も見受けられましたが、それ以外は終始1,230ドルを挟み上下20ドル程度でのボックス相場となり、極めて動意の薄い月となりました。上の表が示すとおり7月月初の価格が1,243ドル・月末価格は1,228ドルですが、6月月初の価格1,244ドル、月末の価格1,226ドルと酷似。このことからも分るとおり市場は新しい手掛かりを求めている感が強く、逆に言えば特に新しい材料がなければ動くに動けないと言う展開が続きました。加えて月後半から季節的要因(夏枯れ)から取引量そのものが低調となり、総じて不活発な月となりました。
■国内プラチナ相場
一方7月の国内円建て相場は、高値と安値だけを見れば最高値が4,701円( 7月14日)・最安値が4,520円(7月11日)で値幅181円とかなり値動きがあった様に見られますが、11日から14日にかけてはテロや軍事的危機を背景とした、いわば突発的要因で上昇した金相場に追随した感が強く、実際には月の殆どは4,500円台後半から4,600円前半での持ち合い相場に終始しました。
以上