マーケット市況情報

2018年04月06日 18時00分

2018年3月の貴金属市況2018年04月06日 18時00分

価格ベース
金 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:  〃   円建:  〃

金(Gold)
■ドル建て金相場
1,311.25ドルでスタートした3月のドル建て金相場は、先月末からの下げ基調を引き継ぎ、同日ロンドン時間午後に月間最安値の1,307.75ドルまで値を下げたあとは、米大統領が鉄鋼・アルミニウムの輸入品に関税を課す方針を発表したことが材料視され米国株やドル売りが先行すると上昇基調へ転換し1,320ドル近辺まで値を伸ばした。その後も、引き続き同国の保護貿易主義な立場を背景に1,340ドル近辺まで続伸したものの、輸入関税について特定国は適用除外する可能性があるとの報道や米朝首脳会談開催予定が発表されたことで北朝鮮の対外姿勢がやや軟化したとの観測から1,310ドル台中盤まで上値を削った。その後1,320ドル台後半から1,330ドル台後半で揉み合う展開となったあとは、良好な米経済指標やFOMCを控えたポジション調整を背景に1,310ドル近辺まで下落。
同FOMCでは市場予想通り追加利上げが決定したものの、年内利上げ見通しは維持されたことから市場に広がっていた利上げに対する警戒感が緩和され1,330ドル近辺まで急伸。その後も米大統領補佐官の退任や、米中通商問題を背景とした貿易戦争への懸念が燻っていることで金が選好され26日には月間最高値の1,352.40ドルまで上値を伸ばした。月末にかけて、米中政府当局者の発言を受けた貿易摩擦に対する緊張緩和や北朝鮮が核兵器放棄に関する協議に前向きであると明らかになったことで再び売りが優勢となり、1,323.85ドルまで値を落として終了。

■円建て金相場
4,563円でスタートした3月の円建て金相場は月初売り込まれる場面は見られたが、月の半ばにかけて総じて堅調推移。19日にはドル建て相場の下落と円高に推移する為替相場から月間最安値の4,517円まで下落。月末にかけてドル建て金相場が急騰したことで27日には月間最高値の4,627円まで上昇したが、月末30日には円高が進んだことから4,582円で終了。

プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
月間最高値の972ドルでスタートした3月のドル建てプラチナ相場は月初、前月の米FRB議会証言を受けた警戒感から軟調推移する流れを引継ぎ、950ドル付近まで下落したが、米国時間1日に米国が鉄鋼・アルミニウムへの輸入関税引き上げの意向を示したことから同国経済への先行き懸念から米国株やドルが売り込まれる中で960ドル台中盤まで反発。その後も米国による保護貿易主義の動きを懸念する向きから金相場が上昇する中で970ドル台後半まで続伸するも、関税引き上げの対象国に例外規定が盛り込まれるとの報道や米朝首脳会談開催予定が発表されたこと等から金相場が下げへ転じると一時950ドル付近まで大幅反落。9日には米2月雇用統計が発表され、ドルが弱含んだことから月の半ばにかけて徐々に下値を切り上げ、14日には969ドルまで値を戻した。
月の後半に入り、米国務長官の解任や米国の中国に対する追加関税措置等、米国内政や通商問題を軸にドルは売られやすい地合いが続き、プラチナの価格の下値は硬かったが、米国株の下落を嫌気して売りが優勢となる場面もみられた。21日にはFOMCが開催され、市場予想通り利上げが決定したものの、年内の利上げペースが加速するほどの内容とは受け止められず、ドル安に動く中で960ドル台後半まで上昇。その後は米国が中国に対する巨額の関税措置を発表。中国も報復関税を発表したことで貿易戦争の様相を呈する中で米国株の下落をきっかけに940ドル付近まで値を落とした。月末にかけて貿易摩擦に関する米中協議や北朝鮮問題の進展への期待感が進む中で月末29日には月間最安値の936ドルで終了。

■円建てプラチナ相場
月間最高値の3,461円でスタートした3月の円建てプラチナ相場は、ドル建てプラチナ価格の下落やドルが売られたことから円建て価格も値を落とすが、月半ばにかけてドル建てプラチナ相場と為替相場が上昇したことで14日には3,407円まで値を戻した。その後は月末にかけてドル建て相場が弱含むと円高も進み、26日には月間最安値の3,294円まで下落。上昇する為替相場とドル建て相場により回復する場面はみられたものの、月末30日にはドル建て相場の急落と円高が相俟って3,295円まで値を落として終了。

銀(Silver)
■ドル建て銀相場
16.32ドルでスタートした3月のドル建て銀相場は、米大統領による輸入関税引き上げの表明を受けて米国株やドルが売り込まれると16.60ドル近辺まで上昇。その後も貿易摩擦による同国経済の先行き不透明感が続く中で7日には月間最高値の16.65ドルまで上伸。しかし、特定の国に対して輸入関税を課さない可能性があるとの報道や米朝首脳会談実現の可能性が台頭したことから下落へ転じると、16.50ドル近辺から16.60ドル近辺のレンジ相場を形成。その後はFOMCを前にポジション調整の売りや良好な米経済指標を受けて下げ幅を拡大すると20日と21日の両日に月間最安値の16.25ドルまで下落。
FOMCでは市場予想通り利上げが決定されたものの、年3回の利上げ回数は維持するとの方向性が示されたことでドルの上値を切り下げられ16.50近辺まで反発。その後、米大統領補佐官の退任や、米中貿易戦争への懸念が広がったことで選好された金相場に連れ高となり16.60ドル近辺まで続伸。月末にかけて、やや過熱気味であった米中貿易摩擦に対する懸念が政府当局者の発言により和らいだことに加え、北朝鮮問題への緊張感も緩和されたことで値を落とすと16.28ドルで終了。

■円建て銀相場
59.00円でスタートした3月の円建て銀相場は、月半ばにかけて総じて堅調に推移すると12日に月間最高値の59.80円まで上伸。しかしその後はドル建て相場の急落と円高が進んだことから19日には月間最安値の58.30円まで反落。その後は一旦反発する場面がみられたものの、23日には再度月間最安値を更新し、月末30日には59.00円まで値を戻して終了。

■為替
106.73円でスタートした3月の為替相場は月初、米トランプ大統領が鉄鋼・アルミニウムへの輸入関税引き上げの意向を表明したことから米国の保護貿易主義台頭への懸念から米国株が大きく売られる中でドル売りが大勢となり、5日には105.55円まで大幅下落。
その後は良好な米雇用関連指標や南北首脳会談の発表等にみられる北朝鮮の対外姿勢の軟化や米輸入関税引き上げで一部の国が適用除外を受ける見通しであることからドル高基調へ反発。9日発表の米2月雇用統計は強弱入り混じる結果ではあったものの、月の半ばにかけて上伸すると12日には月間最高値である106.95円をつけた。
その後は米国務長官や大統領補佐官等の解任を受けて逃避的な円買いが優勢。米国時間21日には新体制で初のFOMCが催され、市場予想通り利上げが決定されたものの、その後の会見では踏み込んだ発言もなく徐々に上値を切り下げ、米国が中国に対する巨額の関税措置を発表したことで、23日には月間最安値の104.93円まで大きく売り込まれた。
月末にかけて、米中間で貿易問題の協議がスタートしたとの報道や中朝主脳会談で北朝鮮が朝鮮半島の非核化に前向きな姿勢を示したとの報道からドルが買い戻されたことから30日には106.24円で終了。

名称
FOMC 連邦公開市場委員会 FRB 連邦準備制度理事会
                      
以上
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