マーケット市況情報

2017年06月13日 17時00分

2017年5月の貴金属市況2017年06月13日 17時00分

価格ベース
金 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:  〃   円建:  〃

金(Gold)
■ドル建て金相場
1,255.80ドルでスタートした5月のドル建て金相場は、米国議会で包括的歳出法案について暫定合意し政府機関の閉鎖が回避されたことでドル高となると軟調地合いとなった。3日発表の米経済指標では、市場予想を上回る結果だったものの反応は限定的でその後のFOMC(米連邦公開市場委員会)で政策金利が据え置かれ、今後も緩やかなペースでの利上げが妥当との認識が示されるとドルの上昇から1,240ドル台前半まで値を落とす展開となった。その後5日発表の米4月雇用統計では前向きな結果が示され、仏大統領選の決戦投票にて中道のマクロン候補が勝利したことで欧州リスクが緩和されると下げ足を強め、9日には月間安値の1,220.40ドルまで急落。
月の半ばにかけてFBI(米連邦捜査局)長官の電撃解任による米国政権の混迷や北朝鮮のミサイル問題を背景にリスク回避の動きが強まり、金が選好されると堅調地合いへ転換。12日発表の米4月消費者物価指数では市場予想を下回り、米債券利回りが低下すると主要通貨に対するドル売りの流れが強まる中で再び下値を切り上げ、その後の北朝鮮のミサイル発射や世界的なサイバー攻撃も相俟って底堅い展開を維持。米大統領のロシアに対する機密情報漏洩疑惑やFBI長官解任に対する司法妨害疑惑を受けた米政権への不信感の高まりも続き、ドルの下落が進むと18日には1,261.35ドルまで続伸。
月後半に入ると、ドルの下落が一服したことで1,240ドル台後半まで値を落とす場面が見られたが、その後の原油高を背景に資源国通貨が買われ、ドルが急落すると1,260ドル近辺まで反発。その後のFOMC議事録発表を経て、26日には総選挙を6月8日に控えた英国の世論調査で、与党のリードが縮小したとの報道から英政局に対する不透明感から続伸すると月末にかけても底堅い展開を維持し、31日に月間高値の1,266.20ドルをつけて終了。

■円建て金相場
月間高値の4,582円でスタートした5月の円建て金相場は、為替は円安に進むもドル建て金相場が軟調に推移したことで値を下げると8日に月間安値の4,505円をつけた。月半ばから月末にかけて、徐々に下値を切り上げるドル建て相場になびく形で値を伸ばすと、29日には月初と同レベルまで回復。31日にはやや値を下げ4,531円で終了。

プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
935ドルでスタートした5月のドル建てプラチナ相場は、米国議会で包括的歳出法案が暫定的に合意され、政府機関の閉鎖が回避されたことや、米財務長官の発言を背景にドル高が進むと軟調地合いとなった。3日のFOMC(米連邦公開市場委員会)では市場予想通りに政策金利が据え置かれたものの、6月利上げに含みを残したことで下げ幅を拡大し、翌4日には月間安値の897ドルまで急落。
その後は月初に下落していた原油相場の一服や900ドルを割り込んだことから買い戻しも進み、910ドル台中盤まで反発。7日に実際された仏大統領選でマクロン候補勝利の報道に欧州経済への不透明感が払拭されたことで920ドル近辺まで続伸。9日にはFBI(米連邦捜査局)長官解任による米政局への不透明感や11日の北朝鮮核実験報道を受けて上昇する金相場に連れ高となり堅調地合いへ転換。15日にはサウジアラビアとロシアが原油減産合意の報道から大幅高となった原油相場を好感して米国株が徐々に下値を切り上げると930ドル台前半まで上昇。加えて米大統領による機密情報漏洩疑惑やFBI長官解任の司法妨害疑惑が次々と浮上する中で950ドル近辺まで続伸。
米国24日にはFOMC議事要旨が公表され、急速な利上げペースへの警戒感が和らぐと米株式市場が続伸し、6月英国総選挙の世論調査で与党のリードが縮小したとの報道を受け政治リスクが高まったことで、上昇する金相場をサポート材料に下値が切り上がり、26日に月間高値の961ドルまで上げ幅を拡大。月末には原油相場や米国株式市場の軟調推移を背景に値を落とすと31日には947ドル付近で終了。

■円建てプラチナ相場
3,498円でスタートした5月の円建てプラチナ相場は、為替が円安に進むもドル建てプラチナ相場が急落したことで10日に月間安値の3,417円をつけた。月半ばにかけて、上昇するドル建て相場により下値を切り上げると、17日には3,512円まで値を伸ばした。その後、円高とドル建て相場の反落により下落する展開がみられたものの、底堅く推移するドル建て相場により29日には月間高値の3,536円まで上昇。月末31日にはドル建て相場の下落と円高により値を落とし3,456円で終了。

銀(Silver)
■ドル建て銀相場
16.95ドルでスタートした5月のドル建て銀相場は、米国議会で包括的歳出法案が暫定合意されるとドル高に進み、金相場同様下落基調となった。3日のFOMC(米連邦公開市場委員会)では市場予想の通り、政策金利が据え置かれたものの、今後も緩やかなペースでの利上げが妥当と6月利上げに含みを残したことでドル高となると16.60ドル近辺まで値を落とした。また、米4月雇用統計の良好な結果と仏大統領選挙でマクロン候補の勝利により欧州政治リスクが緩和されると、9日には月間安値の16.22ドルまで下げ幅を拡大した。
FBI(米連邦捜査局)長官解任を巡る政局の不透明感や北朝鮮の核実験計画報道を受け、安全資産としての金が選考されると、それになびく形で堅調地合いへ転換。その後、米4月小売売上高や米4月消費者物価指数が弱い結果に終わると、経済成長の鈍化が懸念され、6月利上げ観測が後退し、下値を徐々に切り上げる展開となった。更に、北朝鮮のミサイル発射や世界的サイバー攻撃を背景に底堅い相場を形成すると、米大統領に対し、ロシアへの機密情報漏洩疑惑やFBI長官解任の司法妨害疑惑が浮上。米政権への不信感の高まりから17日には16.90ドルまで値を伸ばした。その後も良好な米経済指標によりドルの下落が一服し16.60ドル近辺まで値を落とすも、原油高を背景に資源国通貨が買われると17ドル近辺まで反発するなど、下値は限定的だった。引き続き堅調地合いを維持し、17.20ドル近辺まで上げ幅を拡大するも、24日のFOMC議事要旨発表を前に調整売りから16.90ドル近辺まで下落。しかし、同議事要旨の内容を受けた利上げへの警戒感の緩和から金相場同様反発した。26日には総選挙を控えた英国の世論調査で与党のリードが縮小したとの報道から英国に対する不透明感から続伸すると月末にかけても底堅い展開が続き、31日月間高値の17.31ドルをつけて終了。

■円建て銀相場
63.80円でスタートした5月の円建て銀相場は、ドル建て銀相場の下落により値を下げると10日には月間安値の61.20円をつけた。月半ばにかけて、為替が円安方向に動くも、堅調地合いに転換したドル建て相場により17日には63.70円まで値を戻した。その後、円高とドル建て相場の下落が相俟って値を落とす場面がみられたものの、月末にかけてドル建て相場が反発。円建て相場も堅調に推移すると29日には月間高値の65.00円をつけた。31日にはやや値を下げ64.60円で終了。

■為替
111.49円でスタートした5月の為替相場は月初に米国議会で9月末までの包括的歳出法案について超党派で暫定合意したとの報道が伝わると一部政府機関の閉鎖が回避されたことで安心感が広がると112円台まで上昇。翌3日にはFOMC(米連邦公開市場委員会)声明で米国経済の先行き見通しに強気な見方が示され、113円近辺まで値を伸ばした。
その後は原油がOPEC(石油輸出国機構)減産合意延長の報道から急落するとドル売りの流れから112円前半まで反落したが、7日に実施された仏大統領選挙でマクロン候補が選出されると欧州先行き不透明感が緩和され、113円前半まで反発。
その後もFRB(米連邦準備制度理事会)高官による利上げ発言を受けて米国金利が上昇すると11日に月間高値の114.26円まで急騰。同日、北朝鮮による弾道ミサイル報道に113円半ばまで円高が進むものの、15日にはロシアとサウジアラビアとの間で原油の協調減産合意が報じられ、再びドル売りの流れが強まり、113円後半まで反発した。
18日にかけて、トランプ大統領のロシアへの機密情報漏洩疑惑やFBI(米連邦捜査局)長官解任に対する司法妨害疑惑を受けた米政権への先行き不安感の高まりを背景に円高が進行。欧米時間19日には一時110円台前半まで急落した。
月の後半は北朝鮮によるミサイル発射実験を受けて一時的に円高が進んだものの、24日にかけて米国金利高を受けた円安が急速に進み、112円台後半まで上伸するもFRB議事要旨の内容を受けて利上げへの警戒感が緩み、原油価格の下落も相俟って徐々に円高へのシフトが進むと月末31日に月間安値の110.96円で終了。

以上
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