マーケット市況情報

2014年12月08日 16時27分

2014年11月の貴金属市況2014年12月08日 16時27分

価格ベース
金 US$:London Fixing 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:London Fixing  円建:   〃

金(Gold)
■海外金相場
1,170.75ドルでスタートした11月の金相場は、米中間選挙の結果を受け、政治膠着の緩和や企業重視の政策への期待が高まったことから米株式相場が上昇したことを受けて、5日に月間最安値となる1,142ドルに下落しました。1,150ドル割れの水準では値頃感が台頭したことや、米雇用統計が市場予想を下回ったことを受けて早期利上げ観測が後退し再び資金流入が見られ10日には1,172ドルに上昇しました。
新規の材料に欠ける中、前日までの急激な上昇を受けて反動で利益確定の売りが出たことや、米欧の株価が堅調に推移したことを受けて金は14日には1,154ドルまで下落しました。
対ユーロでのドル安が進行したことやロシア中央銀行が今年に入り約150トンの金を買い入れていたことや、金調査機関の発行レポートでインドの金需要が拡大しているとの報をうけたことで、投機筋の買いが強まり18日に1,202ドルに上昇しました。
スイス中央銀行の金準備積増に関する法案に対し、世論調査において反対票が上回った事を材料に、売りが優勢となり一時1,180ドル近辺まで下落したものの、中国人民銀行が利下げを決定したことや、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が追加金融緩和示唆したことをきっかけに、再び投機資金が流入し、21日には月間最高値である1,203.75ドルまで上昇しました。
月末にかけては、石油輸出国機構(OPEC)の減産見送りで原油価格が下落しインフレ懸念が和らいだことを受けて、投機筋の売りが優勢となり、28日に1,184.50ドルに下落して越月しました。

■国内金相場
4,292円でスタートした11月の国内円建て相場は、ドル建て金価格が下落したことで6日には月間最安値となる4,257円に下落しました。その後はドル建て金価格に歩調を合わせる形で堅調な推移を示し、12日には4,362円に上昇しました。その後は円安の進行に月後半にかけても堅調地合を維持し25日には月間最高値となる4,581円に上昇しました。しかし月末にかけては円高基調となったことや、ドル建て金価格が下落したことで徐々に下値を切り下げる展開となり28日には4,543円まで下落して越月しました。

プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
1,237ドルでスタートした11月のプラチナ相場は、10月の米自動車販売台数が好調な結果を受けて投機筋の会が強まり月間最高値となる1,241ドルまで上昇したものの、米中間選挙の結果や、ECBが一層の追加金融緩和策を示唆したことから、ユーロに対するドル高が進行し、価格は下落し、6日には1,193ドルに下落しました。
これまでの下落に対する値頃感や、米雇用統計が市場予想を下回ったことを受けて金相場同様に投機筋の買いが強まり10日には1,211ドルに上昇しました。
1,220ドル近辺では利益確定の売りに上値を押さえられると、その後発表された中国の経済指標が低調であったことなどから軟調地合を形成し、14日には1,178ドルに急落しました。
1180ドル割れの水準では安値拾いの買いも見られ下値をサポートされると、米株式相場が史上最高値を好感した買いにより21日には1,230ドルに上昇しました。
石油輸出国機構(OPEC)の減産見送りに伴う原油相場の下落やドル高を背景に軟調に推移し、月末にかけては投機筋の売りが優勢となり28日には1,205ドルに下落して越月しました。


■国内プラチナ相場
4,539円でスタートした11月の国内円建て相場は、7日にドル建てプラチナ価格の急落を受けて月間最安値となる4,501円に下落しました。月半ばにかけてはドル建てプラチナ価格は上値の重い展開となったものの、円建て相場は円安の進行に相殺されるかたちで下値は限定的となり4500円台で推移すると、その後はドル建てプラチナ価格も上昇したことで堅調に推移し、24日には月間最高値である4,696円に上昇しました。しかし月末にかけては円高基調となったことやドル建てプラチナ価格が下落したことで28日には4,657円に下落して越月しました。


銀(Silver)
■海外銀相場
16.15ドルでスタートした11月の銀相場は米中間選挙の結果を受けて米株式市場が上昇したことなどから金相場が下落したことにつられ6日には2010年の2月来およそ4年9ヶ月ぶりとなる安値水準をつけ月間最安値である15.28ドルまで下落しました。
15.30ドル近辺では値頃感から実需の買いも見られ下値をサポートされると、その後発表された米雇用統計が市場予想を下回ったことで金相場同様に投機筋の買いが強まり10日には15.67ドルまで上昇しました。
15.70ドル近辺では急激な上昇に対する反動から投機筋の利益確定売りが見られ上値を押さえられると、欧米株式市場が堅調に推移する中、金相場に追随する形で徐々に下値を切り下げ14日に15.35ドルに下落しました。
ロシア中央銀行の金買い入れやインド金需要好調を材料に金価格が急騰したことを受け投機家からの買いが優勢となり18日には16.27ドルに上昇しました。
月後半にかけては中国人民銀行の利下げや、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の追加金融緩和についての発言を材料にドル安が進行する中、25日には月間最高値である16.66ドルに上昇しました。
月末にかけては石油輸出国機構(OPEC)の減産見送りで原油価格が下落し、商品市場が全般的に軟調に推移する中、金やプラチナ相場同様に投機筋の売りが旺盛となり、28日には15.97ドルをつけて越月しました。


■国内銀相場
61.70円でスタートした11月の国内円建て相場は、ドル建て銀価格が下落したことで6日には月間最安値となる59.60円に下落しました。その後月半ばにかけてはドル建て銀価格が堅調に推移したことで、14日には61.10円に上昇しました。月後半にかけて円安が堅調に推移したことで26日には月間最高値となる66.10円に上昇しました。しかし月末にかけては円高基調となったことや、ドル建て銀価格が下落したことを受けて28日には64.50円に下落して越月しました。


■為替相場
113.76円でスタートした11月のドル円為替相場は、米中間選挙の結果を受けて米株式相場の上昇へ対する期待感が高まったことや米労働市場の回復基調の高まりから円売り・ドル買いの動きが優勢となると、日米の金融政策の方向性の違いも意識される中、7日に115.06円に下落しました。その後7日に発表された10月の雇用統計では非農業部門の雇用者数の伸びが前月から21万4000人増と市場予想を下回ったことを受けて一時114円近辺まで円が買い戻される場面が見受けられたものの、日経平均株価の上昇から円安が意識される中、年内の衆院解散や消費税の増税時期先送り観測などから円売りが誘われ14日には116.15円に下落しました。18日に安部首相が消費税増税の延期と衆院解散・総選挙を表明したことをきっかけに日本の株式相場が上昇する中、円売り・ドル買いが優勢となると、その後発表された米国の住宅や消費に関する経済指標の改善したことも円安基調を後押しし20日には118.21円に下落しました。
月後半にかけては急速に円安が進行したことを受けて利益確定の円買い・ドル売りの動きが見られたことや、本邦財務・金融相の円安をけん制するとも取れる発言も意識される中、円買い・ドル売りが優勢となり21日には118.09円に上昇しました。その後は一時118.50円近辺に下落する場面が見受けられたものの、月末にかけて発表された米経済指標が全般的に低調な結果であったことなどから米景気回復の鈍化が意識され円買い・ドル売りが優勢となり27日には117.52円に上昇しました。
月末にかけては石油輸出国機構(OPEC)が原油生産量の据え置きの報をきっかけに原油価格が下落したことを受けて資源国通貨に対するドル高が進行。ドル高の流れは円などの主要通貨にも波及し、月末28日には月間最安値となる118.23円に下落して越月しました。






以上
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