マーケット市況情報

2013年11月11日 18時27分

2013年10月の貴金属市況2013年11月11日 18時27分

価格ベース
金 US$:London Fixing 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:London Fixing  円建:   〃

金(Gold)
■海外金相場
1,332.25ドルでスタートした10月の金相場は、米政府機関の閉鎖をめぐる懸念から商品全般を現金化する動きから投機筋の手仕舞い売りが旺盛となり一時1,290.75ドルに下落。しかしその後は米連邦準備制度理事会(FRB)が政府機関閉鎖の経済への打撃に配慮して量的緩和の縮小開始を延期するとの見方が台頭する中1,300ドル台に回復すると、米債務上限問題をめぐる不透明感から安全資産としての買いも見られ8日には1,329.50ドルに上昇しました。その後米野党の共和党が債務上限の短期引き上げを提案する方針を表明したことを受けて、米債務上限問題の進展への期待が高まる中、安全資産としての側面が薄れ投機筋の売りが優勢となり下落基調に転換。再び1,300ドルを割り込む展開となり15日には月間最安値となる1,255.50ドルに下落しました。
その後月半ばに債務問題を背景に米格付け引下げの可能性が示唆されたことを受けてドル安が進行し金相場は買われる展開となり反発。その後16日には米債務上限問題に関して国債発行継続を容認する法案が可決されたものの、一部政府機関の閉鎖の影響から量的緩和政策が当面維持されるとの観測が広がる中、金相場は上昇基調を維持し17日には1,319.25ドルに上昇しました。しかし米労働省が発表した9月の米雇用統計では非農業部門の就業者数が前月比14万8,000人増と市場予想を下回ったことを受けて量的緩和縮小が遠のいたとの見方が台頭。金相場への資金流入が再び活発化し22日には1,333ドルに上昇。またその後発表された米週間の失業保険申請者数が予想より多かったことなどから量的緩和の長期化観測が高まる中、投機筋の買いが継続。1,350ドルを突破すると28日には月間最高値となる1,361ドルに上昇しました。
月末にかけてはこれまでの上昇に対する投機筋の利益確定の売りも見られ上値を抑えられると、米企業景況感に改善が見られたことや米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明で量的緩和の縮小は経済情勢次第とした一方で、米景気の先行きについて強い警戒感が示されなかったことなどから金相場は売られる展開となり31日には1,324ドルに下落して越月しました。


■国内金相場
4,241円でスタートした10月の国内円建て相場は、2日に一時4,082円に下落したものの堅調なドル建て金価格を背景につき前半にかけては概ね4,150円~4,200円での相場推移となりました。しかし月半ばにかけてドル建て金価格が下落基調となると、為替相場に大きな動きが見られない中、国内円建て相場も軟調な展開となり15日には月間最安値となる4,071円に下落しました。その後再びドル建て金価格が上昇基調となったことで値を戻し17日には4,100円台に回復。その後も堅調な推移を示し29日には月間最高値となる4,284円に上昇し、月末31日は4,281円にて越月しました。


プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
1,407ドルでスタートした10月のプラチナ相場は、米連邦政府機関の一部閉鎖が長引くと実体経済に悪影響を及ぼすとの警戒感から米株式相場や商品全般で現金化の動きが旺盛となり3日には1,373ドルに下落しました。1,380ドル近辺では安値拾いの買いが見られたことや、また南ア鉱山会社での労使交渉に伴うストライキが継続する中で8日には1,407ドルに回復したものの、産業用実需に目立った動きが見られず上値の重い展開となると、その後は金相場の下落に追随するかたちで軟調地合を形成。投機筋の売りが優勢となる中、11日には月間最安値となる1,369ドルに下落しました。
その後は米債務上限問題に関して上院の民主・共和両党が来年2月7日まで国債発行を認めることを盛り込んだ暫定案で合意したことを受けて米株式相場が上昇。株式相場の上昇を好感した買いに下値をサポートされると、米政府機関の一部閉鎖の影響で米量的緩和政策が当面維持されるとの観測や、南アフリカ労働組合AMCUによるストライキ実施懸念などから投機筋の買いが高まり21日には1,439ドルに上昇しました。
月後半にかけては9月の米雇用統計が市場予想を下回ったことや低調な米労働市場に関する指標を受けて米景気の回復ペースが鈍化しているとの見方が台頭。米量的緩和の継続が意識される中、月後半にかけても投機筋の買いが優勢となり堅調地合を維持し24日には1,447ドルに上昇。また南アフリカ鉱山会社での労使交渉の難航も相場上昇を後押しし30日には月間最高値となる1,477ドルに上昇しました。1,480ドル近辺では投機筋の利益確定の売りに上値を押さえられ31日には1,450ドルに下落して越月しました。



■国内プラチナ相場
4,518円でスタートした10月の国内円建て相場は、月前半にかけてはドル建てプラチナ価格が上値の重い展開となったことを受けて4,450円近辺での相場推移となりました。月半ば以降はドル建てプラチナ価格の上昇に合わせて徐々に下値を切り上げ23日には4,629円に上昇しました。月末にかけてはやや円安傾向となったこともあり堅調地合を維持すると31日に月間最高値となる4,685円に上昇して越月しました。


銀(Silver)
■海外銀相場
20.70ドルでスタートした10月の銀相場は、米政府機関の閉鎖をめぐる懸念から投機筋の手仕舞い売りに2日に21.14ドルに下落したものの、米政府機関閉鎖の経済への影響から量的緩和が継続されるとの見方から再び投機筋の買いが旺盛となり8日には22.30ドルに上昇しました。その後は米野党の共和党が債務上限の短期引上げを提案する方針を表明したことをきっかけに米債務上限問題を材料に買っていた投機筋の手仕舞い売りから下落基調に転換。金相場の下落にも追随するかたちで15日には月間最安値となる20.49ドルに下落しました。
月半ばには債務問題を背景に米格付け引下げの可能性が示唆されたことや一部政府機関の閉鎖の影響から量的緩和政策が当面維持されるとの観測が広がる中、金相場同様に上昇基調に転換し18日には21.87ドルに回復しました。
月後半にかけては9月の米雇用統計で非農業部門の就業者数が前月比14万8,000人増と市場予想を下回ったことを受けて米量的緩和の長期化が意識される展開となり、投機資金の流入が旺盛となり21日に22.09ドルに上昇すると、堅調な金相場に追随するかたちで値を伸ばし、30日には月間最高値となる22.74ドルに上昇しました。23ドルの水準は9月以来おおよそ1ヶ月ぶりの高値水準であったことやこれまでの上昇に対する投機筋の利益確定の売りに上値を抑えられ31日には1,324ドルに下落して越月しました。


■国内銀相場
71.50円でスタートした10月の国内円建て相場は、2日に月間最安値となる69.10円に下落したものの、その後は徐々に下値を切り上げ9日には72.70円に上昇しました。月半ばにかけてはドル建て銀価格が軟調な展開となったことで16日には70.10円に下落。しかし月後半にかけては再びドル建て銀価格が上昇基調となったことを受けて値を戻し23日には月間最高値となる74.60円に上昇しました。月末にかけてはやや上値の重い展開となったものの、円安の進行に高値圏を維持し31日は74.30円をつけて越月しました。


■為替相場
98.40円でスタートした10月のドル円相場は、米連邦政府機関の一部閉鎖を受けドル売り・円買いの動きが強まると、米雇用関連指標の伸び悩みや9月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数が前月比で低下したことなどから4日には97.30円に上昇。その後も米財政問題を巡る与野党協議に進展がみられない中、ドル売り・円買いの流れが継続し8日に月間最高値となる96.80円に上昇しました。
9日にはFRBが9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を公表すると、議事要旨の公表を受けてFRBが近く量的緩和の縮小に踏み切るとの受け止め方が台頭すると、ドル買い・円売りの動きが強まり、10日には97.61円に下落しました。また米野党の共和党が債務上限の引上げを一時的ながら容認する方針を示したことで、債務不履行の回避に対する期待感が高まりドル買いの動きが継続。その後16日に米連邦政府の債務上限引上げに関連した暫定案が合意されたことを受けて、米国が当面の債務不履行を回避できるとの安心感から主要通貨に対するドル買いが進行する中、17日には月間最安値となる98.81円に下落しました。
その後米議会が債務上限に関連して国債発行継続を容認する法案を可決しましたが、当面の債務不履行は回避されたものの、財政協議を巡る不透明感や政府機関の一部閉鎖の影響から米国の量的金融緩和策の縮小開始時期が先送りされるとの見方からドルが主要通貨に対して下落しましたが、対円でもドル売りの動きが見られる中、21日には98.06円に上昇しました。
米企業の良好な決算結果や中国GDPの伸び率の拡大を材料に米株式相場が堅調な推移を示す中、投資家心理の改善からドルを買い戻す動きが見られ、22日には一時98.50円近辺まで下落する場面が見受けられたものの、その後発表された9月の米雇用統計で非農業部門の就業者数が市場予想より低調であったことから再び米量的緩和の長期化観測が台頭し、ドル売り・円買いの動きが優勢となる中、25日には97.28円に上昇しました。
月末にかけては日経平均株価が大幅下落したことを材料に円売りの動きが見られ28日には97.56円に下落し、また月半ばから継続していた円高・ドル安基調に対する反動や、米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を控え、米国景気認識や金融政策の先行きを見極めたいとの姿勢からドルの買い戻しの動きが見られ31日には98.51円に下落して越月しました。



以上
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