マーケット市況情報

2009年08月10日 09時02分

2009年7月の貴金属市況2009年08月10日 09時02分

価格ベース
金 US$:London Fixing  円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:London Fixing  円建:   〃

金(Gold)
■海外金相場
  931.50ドル近辺でスタートした7月の金相場は、2日に発表された米国6月の雇用統計が市場予想より弱い内容であったことから一時940ドル近辺まで上昇しましたが、ECBトリシェ総裁が欧州経済の先行きに慎重な見方を示したことから対ユーロでドルが上値を切り上げる展開となったことや、10日足らずで20ドル以上の急落を見せた原油相場の下落、世界的な株式の下落による景気回復の後退観測を背景とした投機筋の手じまい売りなどを嫌気して反落しました。この下落の流れは月中旬まで変わらず、13日には月間最安値となる908.50ドルまで落ち込みました。
  しかし、900ドルに近い水準では、アジア圏を中心に値頃感から工業実需や投資用実需の買いが入り、反発しました。また、金融大手をはじめとした米企業の4-6月期決算が好調だったことから米株式が上昇に転じ、投機マネーがリスク資産へと還流。原油相場が60ドルを割り込んだところで反発すると、これを好感した金も反発しました。その後も、消費者物価指数や住宅関連など米国の経済指標が高い伸びを示したことから対ユーロでのドル安が進行したことも追い風となり、20日には950ドル台を回復。1週間ほどで40ドルを超える大幅な上昇を見せました。
  その後、急騰の反動からやや利食い売りも見られ、また、原油相場や株式が上昇する中、金は上値の重い中で方向感に乏しい展開となり、27日に月間最高値の956.00ドルをつけながらも950ドル近辺を中心としたレンジ相場での推移となりました。しかし、原油相場の急落や、対ユーロでのドル高、また、欧米ETFの残高が減少傾向に入ったことなど、投機筋による利益確定の売りから下落に転じると、930ドル台前半まで急落し、939.00ドルで越月しました。

■為替相場
  96円台半ばでスタートした7月のドル円為替相場は、2日に発表された米国6月の雇用統計が市場予想以上に悪化したことをきっかけに米景気回復観測が後退すると、リスク回避から円が買われドルは下落。米株式の続落もこれに追い討ちをかけ7日には95円台を割り込むまで下落しました。8日に開催されたG8では為替や経済対策への直接的な議論はなく、ドル円相場への影響も見られませんでしたが、原油をはじめとする商品相場や米国を中心とした株式が軒並み下落する中、世界的な景気に対する楽観論が後退。低金利の円で運用していた新興国通貨が売られた巻き戻しによる円買いもあり、低リスクと見られた円は上昇を続け13日には月間最安値圏の92.00円近辺をつけました。
  しかし、米金融大手各社の4-6月期決算が比較的好調だったことから米株式が反発すると、これに合わせてドルも反発。米国の6月住宅着工件数が先月に続いて前月比プラスだったことも追い風となり、19日にドルは94円台後半まで回復しました。
  米金利の急低下による円買いからドルは一時93円台前半まで下落しましたが、米企業の4-6月期決算発表が相次いで良好だったことや、米ノンバンクの破綻回避の報、また、米国6月の中古住宅販売件数が市場予想を上回ったことなどを好感して米株式が9,000ドル台を回復すると、再びドル高基調となり、24日にはドルも95円台を回復しました。月末にかけて、米株式が9,100ドルを目前に頭打ちとなり、原油相場が4ドル近い下落を見せたことをきっかけに、利益確定の売りから94円を割り込んで下落しましたが、米株式が年初来の高値をつける上昇を見せるとドルも上昇。95円台半ばでの越月となりました。

■国内金相場
  2,914円でスタートした7月の国内円建て価格は、2日に月間最高値となる2,951円をつけた後、軟調に推移するドル建て相場に合わせて下落。ドル円為替相場が円高で推移したこともあり、9日には月間最安値となる2,765円をつけました。しかし、2,800円を割り込む水準では実需筋からの買いも入り、徐々に値を切り上げる展開となり、月末にかけて2,900円台を回復。その後、利益確定の売りから値を崩したドル建て相場に合わせて2,800円台後半で推移し、2,900円で越月しました。


プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
  1,176ドル近辺でスタートしたプラチナ相場は、初旬は市場予想を下回る結果となった米国6月の雇用統計や、中旬に多く控える米企業の4-6月期決算発表に対する警戒感から軟調に推移する米株式の動きを嫌気して、投機筋を中心に売りが先行しました。加えて原油相場が米商品取引委員会から先物取引に関して規制強化を検討との報道を受けて下落したことも悪材料視され、10日に1,100ドルを割り込むと、13日には月間最安値となる1,092ドルをつけました。
  しかし、1,100ドルを割り込む水準では、貴金属価格の下落と同時進行する形で円高が進行していたこともあり、値ごろ感からの買いが膨らんだことや、中国圏でも同様に買い意欲が見られたことから翌日には反発し1,100ドル台を回復しました。その後は米企業決算で市場予想を上回る結果が相次いだことで株式市場が値を戻す動きとなったことから、需要回復への期待感を背景として断続的な買いが入り堅調な推移となりました。21日には南アフリカ鉱山インパラプラチナ社がシャフト事故を起こしたとの報道がありましたが、市場の反応は薄く、他貴金属の価格に追随する形での値動きに終始。27日に発表された南ア鉱山大手アングロプラチナ社の半期報告書の中で強気の相場見通しが示されると、投機筋の買いが入り27日には1,200ドル台を抜け翌28日に月間最高値となる1,213ドルをつけました。しかし、1,200ドル台の達成感が出ている中で、29日に上海で株式が急落したことがきっかけとなり、利益確定の動きが出ると再び1,200ドル台を割り込み、1,189ドルにて越月しました。

■国内プラチナ相場
  3,770円近辺でスタートした円建て相場は、月初に円安が進行した動きから月間最高値となる3,815円をつけました。しかし、その後は段階的に上値を切り上げる為替相場や、投機筋の売りにより上値の重い展開となるドル建て相場から、中旬にかけて400円近い急落を示すこととなり、13日には月間最安値となる3,418円をつけました。しかし、その後は月末にかけて値を戻すドル建て相場や、円安で推移する為替市場の動きから円建て価格は下値を切り上げる展開となり、月末には再び3,700円台を回復して越月しました。


以上
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