マーケット市況情報

2009年05月12日 18時22分

2009年4月の貴金属市況2009年05月12日 18時22分

価格ベース
金 US$:London Fixing  円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:London Fixing  円建:   〃

金(Gold)
■海外金相場
  919.50ドル近辺でスタートした4月の金相場は、G20金融サミットにおける各国の景気対策協調を好感して株式市場が堅調に推移する中、これまでの投機筋による安全資産への逃避買いが巻き戻される動きから、上値の重い展開となりました。加えてIMFが金売却を検討しているとの報道から下落が加速すると、6日には870.75ドル近辺をつけました。この水準ではアジア圏の実需筋から買いが入ったことや、米株式が反落したことなどから金相場は上昇に転じましたが、欧米のイースター休暇を控えて売買は限定的となり、小動きに推移しました。
  休暇明けに米大手金融機関6社の決算発表を控えた警戒感の中、GMが破産法適用の準備に入ったとの報道から900ドル目前まで上昇したものの、相次いで発表されたシティグループやJPモルガンなどの決算内容が市場予想を上回り、また、金ETFの解約も見られたことなどから下落。20日には月間最安値となる870.00ドルをつけました。
  その後、米株式が280ドル以上の下げを見せたことをきっかけとし、金相場は反発。資産内容の質の低下が露見した米大手金融機関の決算発表が相次ぐ中、米経済指標の低迷などを背景に堅調に推移しました。IMFが発表した世界経済成長が前期比マイナス1.3%であったことや、中国の金準備増加の報道により投機筋の買いが誘われたことも追い風となり、24日には900ドルを回復。27日には911.75ドルをつけました。しかし、対ユーロでのドル高や、原油相場の急落を受け下落に転じると、900ドルを割り込み下落。900ドル割れでは下値をサポートされる場面も見られましたが、米株式の上昇を嫌気して上値の重い展開となり、883.25ドルで越月しました。

■為替相場
  99.00円近辺でスタートした4月のドル円相場は、日銀短観が過去最悪の水準であったことや、G20金融サミットにおける各国の景気回復協調を好感した米株式の上昇などから急速に円安ドル高が進み、6日には月間最安値圏となる101円台前半をつけました。その後、米欧アジアの金融機関が保有する不良資産が4兆ドルに達する見通しであるとIMFが発表するとの観測や、8,000ドルまで上昇した調整から米株式が続落したことなどからドルは売りに転じ、円は99円台中半まで上昇しました。
  8日に発表された米大手銀ウェルズファーゴの1-3月期決算が大幅黒字に転換したことや、米2月の貿易赤字が前月比マイナス28%にのぼる縮小を見せたことを好感し米株式が上昇、ドル買いから100円台中半まで下落しましたが、イースター休暇が明けた14日、3ヶ月ぶりに前月比マイナスとなる米3月小売売上高が発表されると、98円台中半まで上昇しました。その後、シティグループやJPモルガン、バンクオブアメリカなど米大手金融機関の決算が表面的には良好だったことを受けて一時ドルが買われる場面も見られましたが、融資の焦げ付きに備えた貸し倒れ引当金が急増しており、その資産内容の質が低下していることを嫌気してドルの下落基調を変えることはできませんでした。
  月末にかけて、米住宅価格の下げ止まりを示唆する経済指標の発表もありましたが、失業保険申請数が過去最高だったことや、米自動車大手の経営不安再燃などからドル安が進行。新型インフルエンザ被害の拡大が懸念される中、28日には月間最高値圏となる95円台後半をつけました。29日に発表された米1-3月期GDPが前期比マイナス6.1%と予想以上に悪化しましたが、個人消費がプラス2.2%であったことを好感し米株式が上昇。ドルも反発し、98.60ドル近辺での越月となりました。

■国内金相場
  国内円建て相場は、2日に月間最高値となる2,959円をつけた後、円高基調で推移するドル円為替相場に伴って中旬にかけて軟調に推移しました。20日に月間最安値となる2,803円をつけた後、在庫調整の進んだ国内需要家の買いが旺盛となったことや、ドル建て相場が上昇に転じたことから反発。月末にかけて緩やかに上昇しながら推移しました。27日にはドル建て相場が911ドルを回復しましたが、為替相場が円高に振れたことから2,900円台を回復するまでには至らず、2,844円で越月しました。


プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
  1,127ドル近辺でスタートした4月のプラチナ相場は、中国の投資、宝飾がらみの現物需要が堅調であったことや、英ETFセキュリティーズ社が米証券先物取引委員会に対し、プラチナパラジウムETFの上場申請を行ったとの報道を受けて投資需要拡大への期待感が強まり、月の前半は堅調な推移となりました。9日に1,200ドルを抜けると、14日に月間最高値となる1,229ドル近辺まで上昇しました。
  しかし、これまで相場を牽引してきた中国勢の買いもこの水準では続かず、利食い売りに押される展開となると、また、米自動車大手GMが破産法適用申請の準備に入ったとの報道や、景気に対する楽観ムードの減退から需要回復への期待感が後退し、月末にかけて下値を模索する展開となりました。加えて金相場も軟調となったことが投機筋の売りを加速させることとなり、20日に1,200ドルを割り込むと、28日には1,100ドルも割り込み月間最安値となる1,078ドルをつけました。この水準では中国を中心とした現物投資需要と見られる押し目買いや在庫整理が進んだ工業需要の買いが入り、相場はサポートされましたが、大きく押し上げるには至らず1,093ドルにて越月しました。

■国内プラチナ相場
  3,667円近辺でスタートしたプラチナ相場は、中旬にかけてドル円為替相場が100円近辺を意識した水準で小動きとなった中で、ドル建て価格が堅調に推移したことを受けて13日に4,000円台をつけると、翌14日には月間最高値となる4,058円をつけました。しかし、為替相場で円高基調が加速したことや、ドル建て相場が下落する展開を受け、円建て相場も月末にかけて軟調に推移し、3,581円近辺に下落して越月しました。


以上
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