マーケット市況情報

2022年07月08日 15時00分

2022年6月の貴金属市況2022年07月08日 15時00分

価格ベース
金 プラチナ 銀 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格 為替:TTM


金(Gold)
■ドル建て金相場
1,829.70ドルでスタートした6月のドル建て金相場は月初、前月末にEUがロシア産原油の輸入を原則禁止で合意し、高インフレ長期化への警戒感が高まったことに加え、市場予想を大幅に下回る米5月ADP雇用統計を背景に値を伸ばすとNY時間には一時1,870ドル近辺まで上昇した。しかし、その後発表された米5月雇用統計では、市場予想を上回る内容であったことから、利上げに関する憂いが取り除かれたことでドル高が進行、金相場はこれまでの上げ幅を急速に打ち消し、1,840ドル近辺まで下落した。月半ばにかけては、米5月消費者物価指数が市場予想を上回ると、インフレへの警戒感から反発し、13日には月間最高値の1,855.95ドルまで上昇した。その後は、利食い売りが強まったことに加え、15日に開催されるFOMCを前に、利上げペースが加速するだろうとの見方が強まったため米長期金利が上昇すると、急速に下げ足を強め1,820ドル近辺まで急落した。同会合では、市場予想通り利上げが実施され、引き続き積極的な金融引き締めが示唆されたことで景気後退懸念が強まり、米株価が急落する中で、投機筋の逃避的な買いと、利益確定の売りが錯綜したものの、総じては買いが勝り1,850ドル近辺まで回復した。月末にかけても、金融引き締めに対する警戒感は継続し、対ユーロでドルが強含んだことで29日には月間最安値の1,811.85ドルまで下落した。月末30日には、上値は重いもののやや回復し、1,817.00ドルで終了した。

■円建て金相場
月間最安値の7,642円でスタートした6月の円建て金相場は、ドル建て金相場が上昇し、為替相場が円安方向に動いたことで、13日には月間最高値の8,153円まで値を伸ばした。月末にかけて、為替は更に円安が進んだものの、ドル建て相場が軟調な展開となったことで、月末30日には8,045円まで下落して終了した。


プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
975ドルでスタートした6月のドル建てプラチナ相場は月初、市場予想を上回る米経済指標や、底堅く推移する米株価を好感した買いから値を伸ばし、6日には月間最高値の1,031ドルまで上昇した。その後は利食い売りから上値を削ると、米新規失業保険申請件数の増加や、高止まりする米消費者物価指数を背景に急落する米株価を嫌気した売りから940ドル近辺まで下落した。月半ばにかけても、FOMCで大幅な利上げを実施するとの見方からドル高となり、920ドル近辺まで続落した。同会合で利上げが実施された一方、今後の景気減速や失業率の上昇を予想したことで上値が重くなると、同値近辺での揉み合いが続いた。その後は、世界的な金融引き締めの動きから景気減速懸念が強まる中で更に値を下げ、月末30日には月間最安値の907ドルまで続落して終了した。

■円建てプラチナ相場
4,113円でスタートした6月の円建てプラチナ相場は月初、堅調なドル建てプラチナ相場に加え、為替相場が円安方向に進んだことで、9日には月間最高値の4,406円まで上昇した。その後、ドル建て相場が軟調な展開となり徐々に上値を削ると、27日には月間最安値の4,069円まで下落した。月末にかけて、為替相場が円安に進んだことで上昇すると、月末30日には4,178円まで反発して終了した。


銀(Silver)
■ドル建て銀相場
21.610ドルでスタートした6月のドル建て銀相場は月初、物価の高止まり懸念が強まったことに加え、民間雇用統計の悪化を受けて上昇する金相場に連れ高となり6日には月間最高値の22.255ドルまで値を伸ばした。月半ばから後半にかけては、FRBが積極的な金融引き締めを実施するとの見方が強まったことでドルが強含んだことに加え、金融引き締めによる景気後退懸念が世界的に無視できないリスクとして認識されていくと、産業用メタルとしての側面から需要後退が連想され、売りが売りを呼ぶ展開となり21ドルを割り込み、月末30日には月間最安値の20.415ドルまで続落して終了した。

■円建て銀相場
月間最安値の92.50円でスタートした6月の円建て銀相場は、ドル建て銀相場の上昇と為替相場の円安を受けて9日には月間最高値の98.10円まで値を伸ばした。しかし、月末にかけて、ドル建て相場が急速に下げ幅を拡大すると、月末30日には93.90円まで下落して終了した。


■為替
月間最安値の128.93円でスタートした6月の為替相場は、日米金融政策の方向性の違いが意識され、月を通して堅調な展開となった。月初、市場予想を上回る米5月雇用統計を受けドル買いが強まり131円を突破したあとは、本邦中央銀行総裁が金融緩和継続を強調したことなどを受け133円近辺まで続伸した。その後は、月半ばに開催されるFOMCを前に、大幅利上げ実施との見方が広がり、更にドル買いが強まると135円近辺まで上げ幅を拡大した。同会合でFRBは利上げを決定したものの、今後の景気減速や失業率の上昇を予想したことでドル売りが強まり、一時132円近辺まで下落した。しかし、日銀金融政策決定会合で現状の金融緩和政策を維持すると表明されたことで、世界各国と本邦の金融政策の方向性に対する温度差が意識され、円売りが強まり下げ幅を打ち消した。その後も、日米金利差拡大を材料にドルが買い進められると136円を突破し、月末30日には月間最高値の136.68円まで続伸して終了した。



略語注釈
ADP: オートマティック・データ・プロセッシング
FOMC:米連邦公開市場委員会
FRB:米連邦準備制度理事会
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