マーケット市況情報

2017年09月13日 10時00分

2017年8月の貴金属市況2017年09月13日 10時00分

価格ベース
金 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:   〃    円建:   〃

金(Gold)
■ドル建て金相場
1,267.05ドルでスタートした8月のドル建て金相場は、4日発表の米雇用統計を前に1,270ドル近辺で動意に乏しい相場を形成。発表された同指標では、失業率はやや改善し、非農業部門雇用者数の伸びや賃金上昇率が好調な数字だったことから、米年内利上げ期待及び9月のFOMCで焦点になるとされる、バランスシート縮小を後押しする形となり、1,260ドル近辺まで値を落とすと、7日には月間最安値の1,257.55ドルまで下落。
米大統領がミサイル・核開発を行う北朝鮮に対し、軍事的解決をも辞さない旨の警告を発すると、北朝鮮側はグアム島周辺に向け中距離弾道ミサイルを発射する計画があると応戦。このような米朝間の緊張の高まりを背景に上昇基調へ転換すると、弱含む米経済指標もサポート材料となり1,290ドル近辺まで急騰した。その後は、両国間の過熱気味であった発言の応酬がやや一服し、一時的に警戒感が和らいだことに加え、好調な米経済指標を背景にドル高が進行すると1,270ドル近辺まで反落。しかし、公表された7月のFOMC議事要旨でインフレ動向を注視し、追加利上げの時期については忍耐強く待つべきだとの見方も示されたことで、1,290ドル近辺まで値を戻した。その後は、所謂夏枯れ相場の様相を呈し、1,290ドル近辺で流動性に欠ける相場展開となったものの、ジャクソンホールで開催された金融シンポジウムにてドラギECB総裁が、最近のユーロ高についてけん制しなかったことが材料視され、対ドルでユーロ高が進行すると1,300ドルを突破。更に、アジア時間早朝、北朝鮮により弾道ミサイルが発射されると、安全資産である金が選好され、29日ロンドン時間午前には月間最高値の1,323.40ドルまで続伸。その後は、良好な米ADP雇用統計と米4-6月期四半期GDP改定値の結果を受け、1,300ドル台中盤まで反落したものの、31日発表の米経済指標が市場予想を下回る弱い結果だったことから、やや値を戻し1,311.75ドルで終了。

■円建て金相場
4,540円でスタートした8月の円建て金相場は、軟調なドル建て金相場から9日に月間最安値の4,516円まで下落。その後、ドル建て相場は反発したものの、為替相場が円高・ドル安に進んだため上値の重い展開。月末にかけてドル建て相場の上昇を受けて値を伸ばすと、31日に月間最高値の4,674円で終了。

プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
943ドルでスタートした8月のドル建てプラチナ相場は、月初、やや値を落とし2日に月間最安値の940ドルをつけたあとは、月を通して堅調な相場展開となった。米企業決算では多くの企業が予想値を上回り、米国株式が過去最高値を更新したことを好感し下値を切り上げ始めた。また、4日発表の米雇用統計が良好な結果であったことに加え、米国株式の高値更新もサポート材料となり970ドル近辺まで上伸。世界最大のPGM生産国である南アフリカでは、同国大統領への不信任案が無記名投票で実施されることが決まり、同投票可決との思惑から対ドルで南アランドが買われたことで強含みの展開となったあと、同案が否決されたことから一転反落する場面がみられたが、緊張感高まる米朝関係を背景に金相場が底堅く推移する中で、下値は限定的で990ドル近辺まで続伸した。
その後、米朝関係の緊張感がやや落ち着きを取り戻し、強い米経済指標を背景にドル高が進む中、反落する金相場に連れ安となり960ドル近辺まで下落。16日発表の7月FOMC議事要旨にて、インフレに対する懸念を示した上で、今後の利上げ時期について慎重になる必要性があるとの見解が示され、ドル安が進行すると980ドル近辺まで値を戻した。その後、他貴金属同様に価格流動性に欠いた相場展開となったあとは、ジャクソンホールで開催された金融シンポジウムにてドラギECB総裁の発言にユーロ高を懸念するコメントがなかったことを背景に対ドルでユーロ買いが進むと急騰し、29日には月間最高値の1,001ドルをつけた。その後は30日発表の米ADP雇用統計と米4-6月期四半期GDP改定値が強い結果だったことから値を落とし、月末31日には986ドルで終了。

■円建てプラチナ相場
月間最安値の3,435円でスタートした8月の円建てプラチナ相場は、ドル建てプラチナ相場の上昇に伴い下値を切り上げると10日には3,531円まで上昇。下旬にかけて為替相場が円高傾向にあったもののドル建て相場の上昇がうわまわり続伸。月末にドル建て相場がやや弱含んだものの、円安方向に動いたことから上伸し月間最高値の3,606円で終了。

銀(Silver)
■ドル建て銀相場
16.74ドルでスタートした8月のドル建て銀相場は、4日発表の米雇用統計を控え、先月の上昇基調から一転し、月初は軟調な相場展開となった。同指標で市場予想を上回る雇用の増大と賃金上昇が示されたことに好感しドルが上昇すると、7日には月間最安値の16.13ドルまで急落した。
その後は、米朝関係の緊張が高まる中、北朝鮮が大陸間弾道ミサイルに搭載可能な核弾頭の生産に成功しているとの報を受け、米大統領が激しく警告を発したことで徐々に下値を切り上げると、連日繰り広げられる米朝間の応酬に加え、弱い米経済指標も相俟って逃避需要先である金が値を伸ばすと連れ高となり、17.20ドル近辺まで続伸。その後、米朝間の緊張状態はやや和らぎつつある中で、良好な米小売売上高などの結果を受け進行するドル高が重しとなり、16日には16.68ドルまで値を落とした。しかし、FOMC議事要旨にて追加利上げの時期についてインフレ動向を注視しつつ、忍耐強く待つべきとの見方もあったことから17ドル近辺まで値を戻した。その後は金相場同様、動意に乏しい相場を形成するも、ドラギECB総裁が金融シンポジウムで直近のユーロ高についてけん制する発言がみられなかったことを背景に、ドルに対してユーロ買いが進み上昇基調となると、北朝鮮の弾道ミサイル発射も材料視され29日には月間最高値の17.60ドルまで値を伸ばした。月末には良好な米経済指標を受けて下落し、31日には17.34ドルで終了。

■円建て銀相場
62.40円でスタートした8月の円建て銀相場は、ドル建て銀相場の下落に伴い、7日に月間最安値の60.60円をつけた。その後も為替相場の影響は限定的で、堅調地合いのドル建て相場を受けて上昇し、月末31日に月間最高値の64.60円まで続伸して終了。

■為替
110.27円でスタートした8月の為替相場は、月を通じて値動きは限定的で小幅にとどまった。月初、4日発表の米雇用統計を前に米国株式が最高値を更新する中で月間最高値の110.77円まで上昇したが、その後に発表された米経済指標が予想を大きく下回り、110円割れの水準まで反落。米雇用統計では、市場予想を上回る力強い結果となったことから110.70円付近まで反発する展開となった。その後は、米大統領がミサイル・核開発を行う北朝鮮をけん制。北朝鮮もグアム島を照準に弾道ミサイルを発射する計画があると応戦するなど、米朝間の緊張が高まる中でドルが売られ、109円台前半まで値を落とした。その後は両国間の過度な警戒感が後退したことに加え、米小売売上高など市場予想を上回る良好な結果に16日には110.71円まで値を戻すものの、公表された7月FOMC議事要旨で利上げ時期に慎重な見方が示されたことから、ドル売りが優勢をなる中、18日には109.47円まで反落した。その後はジャクソンホールで開催される金融シンポジウムを控えて108.80〜109.80円のレンジで揉みあう展開。迎えた同シンポジウムでのFRB議長講演では「金融政策」に踏み込んだ言及はなく、失望感からドル売り優勢の展開となると25日米国時間には109.80円付近まで円高が進み、29日アジア時間には北朝鮮が日本上空を通過するミサイルを発射し、月間最安値の108.81円まで続落。月末にかけて良好な米経済指標を受けてドルが買い戻され、31日には110.42円で終了。

正式名称
FOMC 連邦公開市場委員会 ECB 欧州中央銀行 FRB 連邦準備制度理事会

以上