家族で考えたい資産の話

親子で考える資産セミナー(大阪)

先行き不透明な時代に家族の資産を守り、引き継いでいくための方法の一つとして「金(ゴールド)」が注目を集めています。8月28日にインターコンチネンタル大阪で開催した「親子で考える資産セミナー賢い貯金≠ナ資産を守る」では、経済評論家で金の第一人者である豊島逸夫さんと、フリーキャスターの佐久間あすかさんが、昨今の経済動向を踏まえながら、どのように資産を守り、運用していけばいいか語り合いました。

主催:日本経済新聞社 クロスメディア営業局 
協賛:田中貴金属工業
日時:2016年8月28日(日) 
会場:インターコンチネンタル大阪

親子で考える資産セミナー〜賢い貯“金”で資産を守る〜

「価値が残ることが大きな強み」
佐久間
家族の大切な資産を守り、引き継いでいくために、まず何を考えるべきでしょうか。
豊島
私たちの衣食住の約4割は輸入品が支えています。それにもかかわらず、資産は円で持つ方が安全だと考え、財布の中身は円だけという人が少なくありません。これは大変なリスクを背負った状態だと言えます。
私のところには、円だけではなく外貨でも資産を運用したいと、財務省や日銀のOBも相談に来ます。彼らは日本の財政の現場を担ってきた人たちですから、その見立てには重みがあります。
日本は借金を重ねています。そのツケを払うのは今の20〜30代であり、将来の世代です。最近、私のセミナーには若者と女性の参加者が目立つようになりました。将来の不安から「まずしっかり勉強したい」と受講する人が増えているのです。
佐久間
将来のことを考えると、やはりコツコツためなければと思います。
豊島
コツコツためるということを考えるとき、選択肢となるのが金です。金は、基本的にもうけるためではなく、ためるためのものです。金は紙幣のように燃えませんし、株券のように紙くずにもなりません。ためておけば必ず価値が残ります。
象徴的な例は阪神大震災のとき、被災者の女性が焼けただれた家庭用金庫を開けると、そこには灰になった札束と、少し焦げただけの金貨がありました。この一件が世間の知るところとなり、実物資産としての金の価値が注目されるようになりました。関西で金の購入理由を聞くと、いまだに「燃えないから」という回答が上位に上がります。
リーマン・ショックのような信じられないことが起きたときも、金の価格は大きく上がりました。かくいう私もリーマン・ショックでは株で損失を出しましたが、運用資産の20%を占めていた金の価格が上昇したおかげで、株の損失の大半を回収できました。金がなければ、すべてやられていました。資産運用の主役はあくまで株や債券ですが、資産の10%ほどは金も備えておくべきだと思います。
金というのは、持っているだけでは利息はつかないし、ただ輝いているだけですが、いざというとき威力を発揮します。だから欧米では「嵐の晩に金は輝く」といわれるのです。
「金需要は底堅く、価格は上昇傾向」

佐久間
金価格の見通しはどうでしょう。
豊島
過去1年間の値動きを見ると、上げ基調に入っています。為替レートなどの条件によりますが、私は今後も上昇傾向が続くと見ています。
そう言える理由は主に2つあります。第一の理由は、金には底堅い需要があるからです。特に中国とインドの需要は強く、年間生産量の約6割を買い占めています。
佐久間
なぜそこまで金を買うのでしょうか。
豊島
中国は長い歴史の中で王朝の興亡を繰り返し、そのたびに通貨が変わる経験をしてきました。その中で、常に変わらぬ価値を保ってきたのが金です。だから多くの中国人にとって、金は銀行より安全で信頼性が高いのでしょう。ファストファッションのように気軽に金を購入できる環境があります。
一方、インドでは娘が嫁ぐときに金を持たせることが習わしで、父親は子どものために多少無理をしてでも金を蓄えます。こうした文化に根差した需要は、経済情勢の変化に左右されない強さがあるものです。
金は鉱山を採掘するなど生産コストがかかります。価格が下がり、赤字になるようだと、減産したり、生産を止めたりします。ここが底値です。すると中国やインドから大量の買い注文が入り、下値を支えます。株や債券と異なり、価格が底割れしにくいのが金の特徴です。
第二の理由は、需要に生産が追いつかないからです。まだ採掘していない金鉱石は海底など掘ることが難しい場所に集中しており、生産量の大幅な増加は見込めません。生産コストも上昇するでしょう。
佐久間
プラチナ価格はどうでしょう。
豊島
プラチナは、自動車をはじめとする産業用需要への懸念などの影響で大きく値を下げました。現在は徐々に価格が戻ってきていますが、まだ割安感はあります。ただし、プラチナは短期的な価格の乱高下にさらされやすいので注意が必要です。
佐久間
金はどのように購入するのがよいでしょうか。
豊島
居酒屋1回分のお金で毎月買い増していくことを勧めています。そこで注目したいのが「純金積立」という方法です。これは毎月決まった金額の金を購入していくもので、私も10年以上続けています。証券会社出身の妻には「地味なことをやっているわね」と言われますが(笑い)。価格が高い日には少なく、低い日には多く購入することで、価格変動リスクを抑えて効率的に購入できます。積み立てを使わない場合も、予定額まで何回かに分けて買うようにし、まとめ買いをしないことがポイントです。
佐久間
親子での資産運用という観点では、金にはどのような魅力がありますか。
豊島
世界的に著名な投資家ジム・ロジャーズ氏が来日した際、田中貴金属の直営店で金の仏像やカップなどを買っていました。私が「金製品は投資に向かないのではないか」と聞くと、「これは娘のためだ」と言います。「何十年も持つことを考えたら、何かに役立つものや鑑賞できるものの方がいい」と言うのです。
これは資産家の話ですが、子孫に資産を残すという意味ではひとごとではありません。長期にわたり資産を承継していく「親子の資産運用」として考えるのであれば、こうした金製品も選択肢の一つだと思います。
佐久間
豊島さんと金の取材で海外へ行ったとき、金がとても身近なものとして人々の暮らしに息づいていることを感じる場面に多く出合いました。
豊島
そうですね。私がスイス銀行に勤めていたとき、同僚のスイス人に金貨アルバムを見せてもらったことがあります。愛娘が誕生日を迎えるたびに、誕生日の写真と金貨を1枚ずつ収めていき、30歳で結婚となれば、30枚の写真と金貨を嫁ぐ前夜にプレゼントするのだそうです。嫁ぎ先で何かあったら、金貨を売ってしのぎなさいという親心です。こんなに思いのこもった贈り物があるでしょうか。
金は冷たい金属ですが、温かい愛情を伝える働きがあります。金には希少価値だけでなく、センチメンタルバリュー(感情価値)があることを実感しました。
佐久間
金は「親子」というキーワードにふさわしい商品かもしれません。本日はありがとうございました。

※講演者は、セミナー内容につき、その正確性や完全性について意見を表明しますが、その内容を保証するものではありません。また、過去の実績や予想・意見は、将来の結果を保証するものではありません。

プロフィール

講師
豊島逸夫さん としま・いつお

豊島逸夫事務所代表。三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラーとなる。独立後はチューリヒ、ニューヨークでの豊富な相場体験をもとに、金市場に限らず、世界経済や国際金融についても多くのメディアで情報を発信、活躍中。
MC
佐久間あすかさん さくま・あすか

フリーキャスター。千葉県出身。四国放送(徳島)のアナウンサーとして3年間、テレビ大阪の経済・報道ニュースキャスターを3年間務める。2011年10月より日経CNBCキャスター。
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