親子で考える資産セミナー(札幌)

親子で考える資産セミナー~賢い貯“金”で資産を守る~

第2部 豊島逸夫さんに聞くわが家の資産と金

これからの世界経済 米国利上げが不安要素
豊島
2008年のリーマンショックから抜け出すために、アメリカは量的緩和を三度、実施してきました。ドルの流通量を増やしたことで、ドルの価値が薄らいでしまい、結果、金の価値が上昇しました。しかし2013年頃より、アメリカの景気回復の兆しが見え、アメリカはここ最近量的緩和を縮小する方向に転じ、金価格は上昇から一転して、下落相場へと潮目を変えました。量的緩和が終わり、今、注目されているのはアメリカの利上げです。利上げとなれば、金利の付かない金はさらに不利となるでしょう。
佐久間
長期的に考えると金はどうなんでしょう。
豊島
短期では悲観的な予測をしていますが、長期でみれば金はこの先、上昇すると思っています。今、金の価格は数年ぶりに大きく下がっていますが、世界最大の人口を抱える中国やインドで金を買い求めているのは、物としての金の価値を深く愛する人々です。売ってもうけることが目的ではないのです。こうした文化が根強く生き続けている限り、金の価値は一時的に下がっても、決して「底が抜ける」ことはありません。これが株や債券などと金の大きな違いです。また、金はもともと量が限られていますし、スマートフォンやタブレットのようなハイテク機器の部品としても欠かせないので、その点でも需要は底堅いです。
円安時代の資産ポートフォリオ
豊島
日本は油や穀物など資源を輸入に依存する国です。そのため、円安の結果輸入品の物価が上がっています。円安で日本人が相対的に貧乏になっていく現実に対して、資産を全部「円」で持つことのリスクも考えるべきでしょう。「円」以外の資産といえば、具体的にはまずドルなどの外貨預金。そして輸入品の資産という発想に立てば、金という選択肢もあります。金は本来、少し上がったから急いで売るといった投機的商品ではなく、長期に保有していざという時に備える資産運用の脇役です。個人のポートフォリオの中では、金の割合は運用資金の10~20%が妥当なラインです。主役は利息や分配金、配当を得る株や債券です。資産運用全般では、アベノミクスの成功を信じて日本株を買いつつ、失敗した場合に備え、金もポートフォリオの脇役としてコツコツ貯めることを私は提唱しています。この攻めと守りの使い分けが何よりも重要です。
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※講演者は、セミナー内容につき、その正確性や完全性について意見を表明しますが、その内容を保証するものではありません。また、過去の実績や予想・意見は、将来の結果を保証するものではありません。

プロフィール

豊島逸夫事務所代表
豊島逸夫氏 としま・いつお

1948年、東京都生まれ。一橋大学経済学部卒、三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行後、スイス銀行で国際金融業務に配属され、外国為替貴金属ディーラーとなり、チューリヒ、ニューヨークで豊富な相場体験を蓄積。ワールドゴールドカウンシル(WGC)日本代表を務めた後、2011年に豊島逸夫事務所を設立。金市場をはじめ、国際金融、マクロ経済の動向などを意欲的に発信。
フリーキャスター
佐久間あすかさん さくま・あすか

千葉県出身。四国放送(徳島市)のアナウンサーとして3年間勤務。その後、テレビ大阪の経済・報道ニュースキャスターを3年間務め、2011年10月から日経CNBCキャスターとして活躍中。
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