家族で考えたい資産の話

母娘で考える資産セミナー(福岡)

母娘で考える資産セミナー ~賢い貯“金”で資産を守る~金を所有する優位性 ―経済危機のギリシャの現実

金は守りの資産
佐久間
長期的な金の価格については。
豊島
2020年の東京オリンピックのとき、国内価格は1グラム当たり7千円になるかもしれません。為替レートが120円、海外価格がドル建てで1700ドルという前提ですが、これでも控えめの読みで自信があります。

その理由としては、金の需要に生産が追い付いていないからです。今、価格が下がり気味なのは、金を持っていないニューヨークの先物取引関係が売りに出ているから。今年12月に引き渡す金の価格を今、決めようというのが先物取引です。売った人は12月までに現物を調達するか、先物取引契約を買い戻すしかありません。つまり、先物の売りで価格が下がっても、何の心配もないのです。

経済成長が減速気味といわれても、昨年、インドと中国は合わせて1600トンもの金を購入。これは世界の年間生産量の半分以上に当たります。さらに、インド、中国、ドバイなどの人々は、本当に金が好きで、花嫁の持参金や貯蓄、装身具などとして大いに活用しています。長期的に見て金の需要が衰えることはありません。

セミナーでも度々公開していますが、私の財産の半分はドルです。円で持つ方が安心という日本人は多いけど、本当は一番危ないのが円です。この3年間で76円から120円へ、円安ですでに4割近く目減りしていますが、それに気付かないだけなのです。

私たちの衣食住を眺めてみると、約4割は輸入品です。生活は半分近く国際化しているのに、サイフの中は全て円というのはマズイ。こういう意識をぜひとも持ってほしいと思います。

プラチナも有望資産
豊島
プラチナの購入もお勧めです。今はギリシャの混乱の影響で値を下げていますが、売っているのは、やはり米国・ニューヨークの先物取引関係です。欧州ではディーゼル自動車が主流で、その排ガスに含まれる有害物質の吸収触媒にプラチナが使われていますから、混乱が落ち着けば値上がりすると予想します。過去にも金より安いことがありましたが、長くて1年くらいの期間です。まだ下がる可能性もありますが、5年後、10年後を考えると、今の価格はプラチナのバーゲンセールといえるほどの安さといえます。
佐久間
若い世代を中心に、年金に対する不安の声が出ています。
豊島
将来、年金が不安という人には、やはり金をお薦めします。なぜなら、株と比べて金は底抜けしないからです。金では1オンス当たり1200ドルという生産コストが掛かります。この価格を割り込むこともありますが、そのままでは鉱山会社は赤字操業ですから、いずれ上昇に転じます。株はゼロになる可能性がありますが、金は希少性に裏付けられた価値があり、底抜けしないのです。

この意味からも金は長期的にコツコツ貯めていく“守りの資産”です。老後まで自分の財産を維持したい、という発想の年金と非常によくなじみます。逆に、短期的な売買でもうけたい、という“攻めの資産”なら、株に挑戦してください。

資産運用では金はあくまでも脇役であり、多くて20%まで。主役は利息や分配金、配当を得る債券や株です。この攻めと守りの使い分けが何より重要なのです。

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※講演者は、セミナー内容につき、その正確性や完全性について意見を表明しますが、その内容を保証するものではありません。また、過去の実績や予想・意見は、将来の結果を保証するものではありません。

プロフィール

豊島逸夫事務所代表
豊島逸夫氏 としま・いつお

1948年、東京都生まれ。一橋大学経済学部卒、三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行後、スイス銀行で国際金融業務に配属され、外国為替貴金属ディーラーとなり、チューリヒ、ニューヨークで豊富な相場体験を蓄積。ワールドゴールドカウンシル(WGC)日本代表を務めた後、2011年に豊島逸夫事務所を設立。金市場をはじめ、国際金融、マクロ経済の動向などを意欲的に発信。
フリーキャスター
佐久間あすかさん さくま・あすか

千葉県出身。四国放送(徳島市)のアナウンサーとして3年間勤務。その後、テレビ大阪の経済・報道ニュースキャスターを3年間務め、2011年10月から日経CNBCキャスターとして活躍中。
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