マーケット市況情報

2012年03月07日 09時06分

2012年2月の貴金属市況2012年03月07日 09時06分

価格ベース
金 US$:London Fixing 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:London Fixing  円建:   〃

金(Gold)
■海外金相場
1,744.00ドルでスタートした2月の金相場は、欧州や中国の経済指標の改善を受けてドル安が進行したことを背景に2日には1,751ドルに上昇しました。また1月の米ISM製造業景況指数に改善が見られたことや米新規失業保険者数の減少などを材料に米株式相場が上昇すると、米株式市場の上昇を好感した買いに3日には1,759.50ドルに上昇しました。1月の米雇用統計で失業率が改善したことや非農業部門の就業者数が拡大したことを受けて、米追加金融緩和観測が減速するとドルが上昇する中、金相場は下落し、ギリシャをめぐる追加金融支援の協議難航を背景に欧州債務問題に対する懸念が再燃する中、リスク回避の動きが金相場にも波及すると6日には1,717ドルに下落しました。その後はギリシャが財政緊縮策を受け入れる方向で合意するとの報にギリシャ債務問題に対する警戒感がやや後退し、欧米株式相場や原油価格が上昇する中、金相場にも投機資金が流入し8日には1,746ドルに回復しました。しかし9日に行われたユーロ圏財務相会合においてギリシャの追加支援策の決定がなされなかったことから、欧州債務不安をめぐる先行き不透明感が再燃し、リスク回避の動きから金相場も売られる展開となり10日には月間最安値となる1,711.50ドルに下落しました。その後一時1,730ドル近辺まで値を戻したものの、13日には米格付け会社ムーディーズが財政改革に不透明感が高まっていることなどを理由にイタリアやスペインなど欧州6カ国の国債格付けの引き下げを発表すると、ユーロに対してドル買いが優勢となる中、ドルの代替資産の側面から軟調な展開が継続し16日には1,713ドルに下落しました。月半ばにかけては1月の米住宅着工件数に改善が見られたことや米新規失業保険申請数が低水準であったことなどから商品市場全般が上昇し、さらに中国やインドなどアジア圏からの現物需要にもサポートされ反転し、20日に1,733ドルに値を戻すと、その後欧州連合(EU)などがギリシャ向けの第2次金融支援で合意したことを受けて投資家心理が改善されると原油相場など商品市場全般が上昇する中、金相場にも投機資金が流入し24日には1,778.50ドルに上昇しました。これまでの上昇に対する利益確定の売りに一時1,760ドル近辺に下落する場面が見受けられたものの、月末に欧州中央銀行(ECB)による資金供給を控え、供給策が欧州金融市場を落ち着かせるとの見方からユーロがドルに対して上昇し、ドルの代替資産としての側面から金は買われる展開となり29日には月間最高値となる1,788ドルに上昇しました。月末には米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長が議会証言で、QE3導入に関して直接に言及しなかったことで追加金融緩和観測が後退し、ドル買戻しの動きの中、軟調な展開となると29日のロンドンPMフィキシングでは1,770ドルに下落しました。その後も投機筋の手仕舞い売りが旺盛となる中、1,700ドル近辺に急落して越月しました。


■国内金相場
4,302円でスタートした2月の国内円建て相場は、月初ドル建て金価格が上昇したことに歩調を合わせるかたちで3日には4,344円に上昇しました。しかしその後はドル建て金価格が軟調な展開となる中、7日には月間最安値となる4,274円に下落しました。月半ばにかけてドル建て金価格は下落基調となったものの、ドル円相場が円安基調となったことで国内円建て相場の下値は限定的となり10日には4,367円に回復。その後はドル建て金価格が反転したことに加え、円安が進行したことで国内円建て相場は上げ足を速め20日には4,478円に上昇しました。月後半にかけても堅調なドル建て金価格と円安が継続する中、堅調地合いを維持し27日には月間最高値となる4,664円に上昇しました。月末にはやや上値の重い展開となったものの高値圏を維持し29日は4,657円にて越月しました。

プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
1,611ドルでスタートした2月のプラチナ相場は、欧州や中国の経済指標の改善を受け景気減速観測がやや和らいだことを背景に米株式相場が上昇すると、株価の上昇を好感した買いに3日には1,631ドルに上昇しました。金相場の下落に追随するかたちで6日には月間最安値となる1,609ドルに下落しましたが、南アフリカのインパラプラチナム社のストライキで鉱山労働者が解雇されるなど深刻さを増す中、プラチナに対する供給不安が意識され再び上昇し9日には1,665ドルに上昇しました。しかし9日のユーロ圏財務相会合においてギリシャの追加支援策の決定がなされなかったことや13日には米格付け会社ムーディーズが財政改革に不透明感が高まっていることなどを理由にイタリアやスペインなど欧州6カ国の国債格付けが引き下げられたことで欧州財政不安が再燃し、投機筋の手仕舞い売りが優勢となる中、16日には1,610ドルに下落。1,600ドル近辺では値頃感から実需筋の買いも見られ下値をサポートされると、1月の米住宅着工件数に改善が見られたことや米新規失業保険申請数が低水準であったことなどから米株式相場や原油相場が上昇しました。景気改善に伴う需要回復への期待感が高まる一方で、引き続き南アフリカのインパラプラチナム社のストライキが続く中、投機筋の買いが高まり上昇基調に転換し、ギリシャへの追加金融支援合意も投機資金の流入を後押しし23日には1,729ドルに上昇しました。1,750ドル近辺では投機筋の利益確定の売りも散見され、一時1,700ドル近辺に下落したものの、米株式相場が約3年9ヶ月ぶりに1万3,000ドル台を回復したことを好感した買いに堅調地合いを維持し29日のロンドンAMフィキシングで月間最高値となる1,788ドルに上昇。月末には米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長の議会証言を受けて追加金融緩和観測が後退。投機筋の手仕舞い売りが加速し1,680ドル近辺に下落して越月しました。

■国内プラチナ相場
2月の国内円建て相場は月間最安値となる4,004円でスタートした後、月前半にかけてドル建てプラチナ価格が堅調に推移したことに加え、円安基調となったことで徐々に下値を切り上げ13日には4,258円に上昇しました。その後月半ばにかけてドル建てプラチナ価格が下落したことで16日には4,207円に下落しましたが、その後ドル建てプラチナ価格が上昇基調に転換。また月後半にかけてもう一段の円安が進行したことで国内円建て相場は堅調な推移を示し27日には月間最高値となる4,574円に上昇し、月末29日は4,556円にて越月しました。


■為替相場
76.19円でスタートした2月のドル円相場は、3日に発表された1月の雇用統計で非農業部門の雇用者数が市場予想以上に増加したことや失業率の低下が示されたことで米雇用環境の回復が意識され円売りドル買いが優勢となると、2011年の日本の経常黒字が前年比で減少したことも円売り要因となり8日には76.94円に下落しました。その後ギリシャが欧州連合と国際通貨基金(IMF)による金融支援の条件である緊縮策を受け入れることで合意したとの報を受けて欧州債務問題に対する警戒感が減退し、円が対ユーロで下落する中、この流れがドル円相場にも波及し77円を突破すると13日には77.72円に下落しました。13日には米格付け会社ムーディーズが財政改革に不透明感が高まっていることなどを理由にイタリアやスペインなど欧州6カ国の国債格付けの引き下げが発表され、ユーロに対するドル高が進行する中、日銀が金融政策決定会合で追加の金融緩和策を決定すると、日米金利差の拡大が意識され対円でもドル買いが優勢となり15日には78.53円に下落しました。また堅調な米経済指標の発表も円売りドル買いに作用し、円は徐々に下値を切り下げる展開になり、その後は欧州連合などによるギリシャへの金融支援が実施されるとの期待感から対ユーロで円が下落。ドルに対しても円売りが優勢となり17日には78.95円に下落しました。21日には欧州連合などがギリシャの金融支援で合意し、これを受けて円が対ユーロで下落する中、その後発表された1月の米中古住宅販売件数が市場予想を上回ったことで米景気回復期待感が台頭すると円売りドル買いが旺盛となり23日には80.35円に下落すると、その後も米景気の回復を示唆する経済指標の発表を受けて円売りドル買いの動きが加速し、27日には昨年の7月以来おおよそ7ヶ月ぶりの水準である81.26円に下落しました。月末に欧州中央銀行(ECB)による長期資金供給を控え、この供給策により欧州の金融市場が落ち着くとの期待感からユーロ買いドル売りの展開となる中、対円でもドル売りが優勢となり28日には80.34円に上昇しましたが、月末には米連邦準備理事会のバーナンキ議長が議会証言で量的緩和第3弾の導入について言及しなかったこと米国の追加金融緩和観測が後退し、また2011年第4四半期の米実質国内総生産が上方修正されるなど良好な米経済指標の発表も円売りドル買いを後押しし81.10円近辺に下落して越月しました。


以上
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