マーケット市況情報

2010年07月12日 09時22分

2010年6月の貴金属市況2010年07月12日 09時22分

価格ベース
金 US$:London Fixing  円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:London Fixing  円建:   〃

金(Gold)
■海外金相場
  6月の金相場は、初日に1,230ドルに迫って始まったものの、5月中旬に1,200ドルの大台を抜けた堅調な推移に対して利益確定の動きが強まり、反落。4日には月間最安値となる1,203.50ドルをつけました。しかし、同日発表された米国5月の雇用統計が市場予想を大幅に下回って悪化した事などから株式相場が急落し、また、ギリシャを端緒とした欧州各国の財政問題において、中・東欧への拡大が意識されユーロが売られたことなどから、金は安全資産としての買いを呼び込み反発。8日には1,248.00ドルをつけました。その後、欧米の株式市場が落ち着きを取り戻し始めると、金の上昇基調も一服となり、軟調な値動きとなりました。一時9,800ドルを割った米国株式が10,000ドルの大台を回復し、景気の先行き不透明感がやや薄れると、10日には1,220ドルを割り込んで下落しました。
  14日の米国格付会社がギリシャの格付けを大幅に引き下げたとの報道をきっかけに、再び欧州での財政問題が景気回復に影を落とし始めると、資金が逃避的に金に集まり上昇。米国でも、住宅や雇用、製造業に関する経済指標が市場予想を下回って悪化したことなどから金が選好され、上値を切り上げての推移となりました。また、19日に中国政府が人民元の弾力性を強化するとの報道から、対ドルで人民元が上昇。これを好感して投機筋の買い意欲が旺盛となり、21日には1,260ドルに迫るまで上昇しました。
  しかし、人民元改革期待はすぐに剥げ落ち、短期的な投機筋の利益確定売りから反落。また、米国の経済指標の悪化などを背景に景気回復の鈍化が徐々に鮮明になると、原油をはじめとする商品相場から資金を現金化する動きが見られ、金も同様の売り圧力から値を下げる展開となり、23日には1,230ドルを割り込むまで下落しました。その後、同日発表のFOMC声明では、雇用情勢や住宅市場の回復ペースが緩くなってきたことが示唆され、改めて利上げは当分先になるとの見方が強まると、金は反発。欧州を中心とした財政問題から、世界的な景気減退の懸念も根強く、28日には月間最高値となる1,261.00ドルをつけました。月末にかけて、高値に対する利益確定の売りから1,230ドル台へ値を下げましたが、米国株式の続落から値を戻し、1,244.00ドルで越月しました。

■為替相場
  91.00円近辺でスタートした6月のドル円相場は、2日の鳩山総理辞任を背景とした本邦の景気先行き不安から円売りが進み、また次期首相として円安志向の強い管副総理が有力視され、円安期待の高まりから、円は4日に92.80円をつけるまで下落しました。しかし、同日発表された米国5月の雇用統計が市場予想を下回って悪化し、米国株式が10,000ドルの大台を割りこんで下落するとドルも急落。ハンガリーの財政悪化懸念の浮上により資金逃避的に円が買われたこともあり、円は一時91.40円近辺まで上昇しました。その後も欧州各国での財政不安に関する報道を眺めながら円は買い進められ、一時91.00円を超えて上昇する場面も見られましたが、世界的な株式相場の反発から景気回復の鈍化がやや薄れると、金利の低い円は売られやすくなり反落。92.00円近辺まで値を下げることとなりました。
  しかし、14日に米国格付会社がギリシャの格付けを大幅に引き下げたとの報道をきっかけに、円を買う動きが優勢となり反発。IMF、EUがスペイン財政支援の準備を進めているとの報道を背景としたユーロ売りや、米国で相次いで発表された住宅や雇用、製造業に関する経済指標が市場予想を下回ったことなども円買いドル売りを進行させました。19日に、中国政府が人民元の弾力性を強化するという、人民元相場上昇を容認したともとれる報道から、対ドルで人民元が上昇。つれて円はさらに値を上げ、一時90円台前半まで上昇しましたが、翌21日の人民元相場が対ドルで下落を見せると、景気回復期待を背景とした人民元高のインパクトは市場から薄れるとともにドルが買い戻され、円は91円台半ばまで下落しました。
  中旬から比較的堅調に推移してきた米国株式が利益確定の売りから下落に転じ、米国の住宅市場に関する指標が市場予想を大幅に下回る悪化を見せると、ドルは再び売られる展開となりました。また、仏大手銀行BNPパリバの格下げなど、欧州金融機関に対する財政不安の高まりからユーロが下落。円は対主要通貨で買われることとなり、90円台を超えて上昇しました。23日のFOMC声明では、景気回復は継続しているとしながらも、雇用情勢や住宅市場の回復ペースが緩くなってきたことを示唆。市場では、あらためて利上げは当分先になるとの見方が強まり(政策金利は0-0.25%で据え置き)、ドルはさらに売られることとなりました。月末にかけて、米国株式が2日間で350ドルを超える下落幅を見せたことや、米国長期金利の低下などから円買いドル売りは加速し、88.50円近辺で越月しました。

■国内金相場
  3,600円で始まった国内円建て相場は、月初から中旬にかけて、下値を切り上げて推移するドル建て相場につれた展開となりました。概ね3,600円台を保持しつつ、ドル建て相場が上値を試す場面では、円建て相場も上昇。21日に月間最高値となる3,694円をつけました。月末にかけて、ユーロ、ドルが売り込まれ、急速に円高が進む中、円建て相場も勢いを失い、反落。月初の水準を割り込み、月間の最安値となる3,569円で越月しました。


プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
  1,544ドル近辺でスタートしたプラチナ相場は、米国雇用統計の結果を待つ投機筋の様子見から小動きでのスタートとなりました。その後、ハンガリー首相が財政問題に言及したことや、フランス首相のユーロ安容認発言などが出てユーロが急落。加えて4日に発表された米国5月の雇用統計が市場予想を大幅に下回ると、株式市場が急落。同時に商品市場でも投機筋の換金売りが優勢となり急落する展開となると、7日には一時1,500ドルを割り込み、月間最安値となる1,495ドルをつけました。しかし、1,500ドル割れの水準ではアジア圏からの買いが見られたことや、FRB議長による米国経済の2番底懸念に対する否定的な発言などから株式市場が戻りを見せたことで反発。プラチナ市場にも徐々に投機資金が戻る動きとなり、欧州の財政問題で目新しい報道が見られなかったことも投機資金の戻りを後押しし、中旬には1,500ドル台半ばまで値を戻しました。19日には中国が人民元の弾力化を発表。通貨高に伴う新規投資への期待感が台頭し、貴金属市場全般が買われる展開からプラチナも1,600ドル台を目指すと、南アフリカ電力会社が賃金交渉で難航しているとの報道もあり投機資金が流入。21日には月間最高値となる1,605ドルをつけました。しかし、1,600ドルの大台達成感などから投機筋の利益確定の動きが出ると、米国経済指標で市場予想を下回る結果が続き、24日のFOMC声明文で金融環境についての見通しが下方修正されたことなどから、プラチナ市場でも投機資金の流出の動きが加速。月末にかけては徐々に下値を切り下げる展開となり、1,525ドルで越月しました。

■国内プラチナ相場
  4,699円でスタートした国内円建て相場は、ユーロ圏財政懸念を背景にしたドル高が意識される中で、月の前半はドル建て価格の下落を円安が相殺する動きとなり、ややもみあう展開となりました。しかし、中国の人民元弾力化が発表されて以降、円高が進む中で米経済指標の悪化を背景としたリスク縮小の動きから下落するドル建て相場の動きが加わり、22日に最高値をつけた以降は急速に下落幅を拡大。月間最安値となる4,474円で越月しました。


以上
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