マーケット市況情報

2010年04月09日 10時45分

2010年3月の貴金属市況2010年04月09日 10時45分

価格ベース
金 US$:London Fixing  円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:London Fixing  円建:   〃

金(Gold)
■海外金相場
  1,117ドル近辺でスタートした3月の金相場は、ギリシャ政府が財政再建案を発表するとの報道を受けたユーロの買戻しによるドル安や、堅調に推移する米国株式を背景として投機筋の買いが旺盛となったことなどから上昇。インドの2月の金輸入量が好調な数字を示したことも相場を後押しし、3日には月間最高値となる1,136.50ドルまで上昇しました。買い一巡後は利食い売りも入り、また、5日発表の米国2月の雇用統計が市場予想を上回り、ドルが上昇に転じると上値の重い展開となりました。
  その後はギリシャ財政の支援をめぐるネガティブな報道を背景に対ユーロでドルが買われると、1,120ドル台を割り込んで下落。中国の消費者物価指数が市場予想を上回る好結果だったことを受けた金融引き締めへの警戒感から、金相場は軟調に推移しました。しかし、1,100ドル近辺の水準では実需筋の買い支えもあり、1,100ドルを割り込むまでの下落は見られませんでした。16日の米国FOMCの声明では、予想通り超低金利政策の長期化が確認されたことをきっかけにドルは売りに転じ、金相場は1,120ドル台への反発となりました。しかし、インド政府が2008年7月以来となる利上げを発表したことで、世界景気のけん引役の一国であったインドの景気後退を懸念する動きなどから金相場が売られる展開となり急落。ポルトガルの格付け引き下げや、ギリシャ支援策をめぐる欧州各国の対立を背景とした対ユーロでのドル高も相場を押し下げる材料となり、24日には月間最安値となる1,090.75ドルをつけました。
  月末にかけて、投機筋の手仕舞い売りが散見される中、1,100ドルを割り込む水準ではアジア圏からの旺盛な需要にサポートされると、1,090ドル半ばを挟んだレンジでの値動きに終始しました。26日にギリシャ支援がユーロ圏で合意されるとユーロが対ドルで買い戻され、これを受けて金は1,100ドルを回復。82ドルを越えた原油をはじめとする商品相場の上昇も追い風となり、1,115.50ドルで越月しました。

■為替相場
  89.00円近辺でスタートした3月のドル円為替相場は、米国株式が堅調に推移したことなどからドル買いが優勢となりましたが、ギリシャが財政再建計画を発表するとの報道から対ユーロでのドル売りとなり、連れて円は4日に月間月高値圏となる88.20円近辺まで上昇しました。その後、日銀が追加金融緩和策を検討しているとの報道や、5日に発表された米国2月の雇用統計が市場予想を上回って良好だったことなどから急激にドルが買い戻され、円は90円台半ばまで下落しました。
  その後、ギリシャ財政の支援に対するネガティブな報道などから欧州財政不安が台頭しユーロが売り込まれると、ドル円は一時89.70円近辺まで値を上げましたが、その後は90円台半ばを中心にほぼ横這いで推移。10日から19日にかけて、ギリシャ支援をめぐる欧州各国の対応を眺め、90.00円近辺から90.70円近辺のレンジで方向感の乏しい推移に終始しました。追加の金融緩和策を決めた日銀金融政策決定会合や、超低金利政策の長期化を示した米国FOMCなど、相場を左右すると思われたイベントも、ドル円為替相場へはほとんど影響を及ぼすことはありませんでした。
  しかし、下旬に入り本邦の3連休が明けると、米国債の入札が不調に終わったことから米国金利が上昇。日米の金利差が拡大したことを受けて急速にドルが買われ、25日に円は92円を突破、26日には92.80円近辺まで下落しました。その後、ユーロ圏16カ国がギリシャ支援で合意したことでそれまで売られていたユーロが買い戻され、やや落ち着きを取り戻したものの、対円ではドルの高値安定は変わらず。決算期末を控えた本邦輸出企業によるドル売りに92円台前半まで下げる場面も見られましたが、月末にかけて、米国3月の消費者信頼感指数が良好だったことを好感しドル買いが進んだことや、IMFによるドイツのGDP見通しの引き下げなどを背景としたユーロ売りから円は一段と下落し、93円台後半での越月となりました。

■国内金相場
  国内円建て相場は月間最安値となる3,229円をつけてスタートしました。月間を通してドル円為替相場が円安方向に推移したのに反して、ドル建て相場は比較的軟調に推移。円建て相場は3,200円台半ばから後半での落ち着いた値動きとなりました。29日にはドル建て相場が戻りを見せたことに合わせて円建てでも3,300円台に乗せ、月末に為替相場が急激に円安に振れたことから月間最高値となる3,330円に上昇して越月しました。


プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
  3月のプラチナ相場は、月初日に月間最安値の1,548ドルをつけると、2月の米自動車販売が前年同月比で増加し需要拡大への期待感が強まったことや、ギリシャの財政問題に関しての再建案が示されユーロを買い戻す動きが強まったことから上昇基調でのスタートとなり、8日には大台となる1,600ドル台に乗せました。その水準では投機筋が利益確定の売りをいれる一方で、下落場面ではアジア圏の現物投資需要などが相場を支え、プラチナ相場は徐々に下値を切り上げる展開となると、その後の中国やインドの自動車販売も好調との報道から騰勢を強めて18日には一時1,640ドル近辺まで上昇しました。また、南アでのサッカーワールドカップなどのイベントを前に電力状況に対して投機筋が警戒感を強めたことも相場を押し上げる要因となりました。
  ところが、翌19日にインドが政策金利引き上げを発表したことを受けて金相場が大幅に急落。それを受けた投機筋が手仕舞い売りを入れたことから1,600ドルを割れて下落しました。この水準ではアジア圏を中心に実需筋の買いが見られ、下値が支えられると、月末にかけて1,600ドルを挟んでやや神経質な狭いレンジでの値動きとなりました。その後30日に南ア鉱山会社のロンミン社が事故に伴う炉の一事停止を発表したことをきっかけに投機筋の買いが強まり、プラチナ相場は騰勢を強めました。31日には中旬につけた高値を抜けて、月間最高値となる1,645ドルでの越月となりました。

■国内プラチナ相場
  月初にドル建て相場が月間最安値を付けたこともあり、国内円建て相場も4,509円と月間最安値でスタートすると、中旬にかけては堅調に推移するドル建て相場に合わせて一本調子での上昇基調となり、17日には4,800円台にのせました。その後、ドル建て相場がやや弱含んだことから上値が重くなりましたが、月末に為替相場で円が急落したことから円建て価格が急騰。4.939円と月間最高値での越月となりました。


以上
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