マーケット市況情報

2010年02月05日 16時05分

2010年1月の貴金属市況2010年02月05日 16時05分

価格ベース
金 US$:London Fixing  円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:London Fixing  円建:   〃

金(Gold)
■海外金相場
  1,113ドル近辺でスタートした1月の金相場は、年末年始をはさみリスク資産を圧縮していた投機筋が買いもちを増やす動きを見せたことから、各国株式相場、高金利通貨等の上昇に追随する形で上昇基調を形成し、1,120ドル台後半に上昇しました。さらに、6日に発表された米経済指標(ISM非製造業景況指数)が市場予想を上回り、景気回復の期待感が強まる中で、景気の先行きに慎重姿勢がとられたFOMC議事録が公表されると、低金利政策の長期化が市場では再認識され、金相場は1,130ドル台に上昇しました。その後は米監督当局が発した「金融機関は金利上昇に対する備えを」との発言から市場心理が冷やされると、金相場は8日の米雇用統計を前に利食い売りが優勢となり、一時1,120ドル台前半まで下落しました。発表された米国12月の雇用統計は失望的な結果ながら、11月の結果に対しては上方修正がなされたことで景気の先行きに楽観的なムードが強まり、金相場にも投機資金が戻ると、1,130ドル台に値を戻しました。
  11日には中国の貿易統計で原油輸入が過去最高水準となったことを背景に原油相場が上昇。またNY市場で上場したプラチナ、パラジウムETFの好調なスタートなども商品市場全般への投機資金の流入を後押しし、金相場は1,150ドル台に急騰。月間最高値となる1,158ドルをつけるに至りました。しかし、12日に中国人民銀行が1年半ぶりに預金準備率を引き上げるとの報道が流れると、それまで楽観視されていた世界的な経済回復に対して懸念が台頭すると、前日に急騰していた金相場は手じまい売りが優勢となり、再び1,120ドル台後半に下落することとなりました。加えて貴金属市場での主役がNY市場でのETF上場をきっかけにプラチナやパラジウムに移ったことや、ギリシャでの財政悪化などを背景にユーロが軟調であったことなどから、これまでの相場牽引役であった金ETFの残高などは伸び悩み、19日ごろまでは上値の重い中でもみ合う展開に終始しました。
  20日に中国銀行監督当局による一部の主要銀行に対する融資抑制指導、中央銀行による預金準備率の引き上げ等の報道をきっかけに投機筋の売りが優勢となると、金相場は一段安となり1,100ドル台後半へ下落。21日にはオバマ大統領が金融機関の過剰なリスクテイクの制限を盛り込んだ新金融規制案を発表したことを背景に投機筋のポジション圧縮の動きが強まり、金相場も1,100ドルを割り込み、22日には1,084ドル近辺へ下落しました。このレベルでは中国を中心としたアジア圏で旺盛な実需の買いがみられ、相場はサポートされましたが、米国の新金融規制案、中国の金融引き締め、ユーロ圏のギリシャの財政問題などを背景とした対主要通貨でドル高が進み、金相場は投機筋の売りが徐々に実需筋の買いを圧倒する展開から、29日に月間最安値となる1,082.75ドルを付けての越月となりました。

■為替相場
  92円台後半でスタートした1月のドル円為替相場は、年初より株式や商品価格が上昇する中で、ドルキャリートレードによる売り圧力が強まったことから円高基調となり、5日には91円台中盤に上昇しました。しかし、その後は財政難にあえぐギリシャに対し、ECB理事が救済に対して否定的な発言を行ったことからユーロ安ドル高が進み、相対的に円安基調に切り返しました。7日に管新財務相が円安を誘導するかのような発言を行ったことも円売りを誘い、また米国当局が金融機関に対して「金融期間は金利上昇に対する備えを」との声明を発するとドルは買われ、93円台後半まで円安が進みました。
  しかし、12日に中国人民銀行による約1年半ぶりとなる預金準備率の引き上げ(0.5%上げ)が報道されると、世界経済の回復が疑問視され、高金利通貨や商品相場が売られてドルが買い戻されることとなり円高が進行。91円を超えた場面では一時円買い需要も見られましたが、総じて円高基調を維持し、19日には90円台半ばに達しました。また、この時期に本邦航空大手日本航空が会社更生法適用申請を行い、ポジション解消のドル売りが出るとの懸念も円高基調を後押ししました。
  その後、急速な円高に対する調整なども入りましたが、中国の金融引き締め見通しや、払拭されないギリシャ財政悪化に対するユーロ圏での景気不安などが材料となり、円高基調を継続しました。21日にオバマ米大統領が金融機関の過剰なリスクテイクの制限を盛り込んだ規制案を発表すると、株式市場や商品市場等が急落。これを受けて低金利の円買いに拍車がかかり、FOMC前の26日には90円台を大きく抜けて、一時89.20円近辺まで円買いが進むこととなりました。しかし、FOMCで政策金利が0-0.25%に据え置かれ、超低金利政策の継続が再確認されると市場に安心感が広がり、月末にかけて円にも売り戻しが入り90円台前半での越月となりました。

■国内金相場
  国内円建て相場は、ドル建て相場がボックス圏で推移する中、為替相場が円安に振れたことから堅調に推移。12日には月間最高値となる3,436円をつけました。その後は、ドル建て相場が下落に転じ、為替相場での円高基調も手伝って反落。月末にかけて軟調な推移を変えるほどの勢いはなく、3,163円で越月しました。


プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
  1月のプラチナ相場は1,496ドル近辺でスタートした後、年末にポジションを圧縮していた投機筋が年始に買いを入れたことから1,500ドル台に乗せると、その後も米国でのプラチナETF上場を巡る投機筋の思惑買いから堅調な相場展開となりました。現在の金ETFでは米国の保有残高が最大であり、プラチナも同様に大きな投機資金が流入すると見られ、また金市場の20分の1という市場規模が投機資金の受け皿としてあまりに小さいとの見方も強く、上場直前の7日には1,548ドル台に上昇しました。
  8日の上場後、好調なスタートを切った米国ETFを受けて、プラチナ市場への投機資金の流入はその後も続き、12日には1,600ドル台に乗せましたが、12日に中国人民銀行が預金準備率の引き上げを発表。これが世界景気の回復基調に水を差すとの思惑から、投機筋がロングポジションの手仕舞い売りを入れると1,600ドル台を維持できず、再び1,500ドル台後半に値を戻しました。しかし、プラチナETFは開始後1週で保有残高が2.8トンと好調であったこともあり、売り一巡後は買い戻され14日に再び1,600ドル台に乗せると、19日には月間最高値となる1,641ドルをつけるまでほぼ一本調子での上昇となりました。またETFを巡って需給は引き締められ、月初3.5%近辺でスタートしたリースレートも4.0%台に上昇することとなりました。
  20日に中国が利下げで金融引き締めを行うとの噂が流れると、投機筋の利食い売りが優勢となり、1,600ドル台前半で上値の重い展開となりました。また翌21日にオバマ米大統領が金融機関に対する規制案を発表すると、株式市場、商品市場が急落。投機筋の買いが中心となって月の前半から急騰を見せていたプラチナ市場でも手じまい売りが殺到し、1,600ドル台を割り込んで急落すると、世界的な株安などを背景として1,500ドル台前半まで下落を続けました。このレベルではアジア圏を中心に実需の買いも見られたことから下げ止まりましたが、月末にかけて投機筋の手仕舞い売りに抑えられ上値を試す勢いはなく1,512ドルでの越月となりました。

■国内プラチナ相場
  国内円建て相場は、堅調に推移するドル建て相場を追って上昇。年末にかけて在庫を圧縮していた実需の買いも追い風となり上値を切り上げると、20日に月間の最高値となる4,922円をつけました。月末にかけてはドル建て相場が急落したことを受けて下落に転じ、10日足らずで500円幅近くも値を下げ、4,442円の月間最安値で越月しました。


以上
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