マーケット市況情報

2008年06月10日 21時24分

2008年5月の貴金属市況2008年06月10日 21時24分

価格ベース
金 US$:London Fixing  円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:London Fixing  円建:   〃

金(Gold)
■海外金相場
  863.50ドルで始まった5月の金相場は、FRBの利下げ休止観測や米株価の上昇を背景に下落して始まりました。2日に発表された米雇用統計が予測を上回りドルが強含むと、月間最安値となる853.50ドルに下落しました。しかし原油相場がナイジェリアでの供給懸念から1バレル=120ドルを突破すると金相場は反発し、更に欧州中央銀行(ECB)の金利据え置きや米金融機関の業績悪化の懸念を背景にドルが主要通貨に対して下落すると、9日には887.25ドルに上昇しました。
その後13日には米小売売上高が底堅い内容となったことで一時865ドル近辺まで下落しましたが、依然として米経済先行き懸念は拭えず、さらに原油相場が米国在庫の大幅減少や、根強い需給逼迫懸念を背景に一時1バレル=130ドルを突破すると、インフレヘッジの買いから約1ヶ月振りに900ドルの大台を回復し、22日には月間の最高値となる928.25ドルをつけました。この間一時475トンまで減少したCOMEXの投機家ロングポジションも投機資金の流入により月末には600トン弱まで増加しました。
海外市場3連休明けの27日には欧州の景況感指数が予想外の低調を示したことでユーロが下落。また原油相場が130ドルを割り込むと投機筋の手仕舞い売りに月末には再び900ドルを割り込み885.75ドルにて終了しました。

■為替相場
103円台後半で始まった5月のドル円為替相場は、前月末のFOMC声明文で利下げ局面の終焉が示唆されたことや、月初の4月米雇用統計等の好結果を受けてドル高基調となり、円は105円台後半へ下落しました。その後米政府系住宅金融機関大手の赤字決算を受け米株価が軟調となりドルが下落。加えてECB政策金利が据え置かれ、インフレリスクに言及したことからユーロ金利の先安感が後退すると、ドル売りが加速し中旬には円相場は一時102円台後半に上昇しました。しかし原油価格の連日高値更新からインフレ警戒感が強まるにつれ、将来のドル利上げを織り込む形でドルの買戻しが強まり103円台に戻すと、その後月末にかけては欧米経済指標や米金利政策への思惑を材料に103~106円のレンジで値動きの激しい往来相場となり、105.75円で越月しました。

■国内金相場
国内円建て相場は、ドル建て相場が下落した2日に月間最安値となる2,887円を付けました。中旬にかけては2,900円台での推移が続きましたが、その後ドル建て相場が上昇したことに加え円安が進行したことから円建て価格は上昇し、22日には月間最高値となる3,115円を付けました。月末にかけてはドル建て相場は下落しましたが、円安で相殺する形となり3,000円台を維持したまま3,017円にて終了しました。


プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
1,917ドルにてスタートしたプラチナ相場は、FRB利下げ休止への思惑を受けて商品市場全般から株式市場・為替市場に投機資金をシフトする動きが強まり、2日に月間最安値となる1,855ドルに下落しました。しかし1,850ドル近辺では本邦を含むアジア圏の実需買いが旺盛となり反発し、また原油相場が連日高値を更新する中で投機筋の買いを後押しし、13日には2,073ドルまで上昇しました。その後米小売売上高が市場予想を上回ると、金相場と同様に下落し一時2,000ドルを下回ったものの、JM社需給レポート発表を控えての思惑買いから急騰し、一気に2,100ドル台を突破しました。
19日のJM社の需給レポートでは供給不足が改めて認識されたことから投機買いが活発化し、22日には月間最高値となる2,192ドルを付けました。月末にかけては原油相場がやや軟調な展開となり、またFRBが年内にも利上げを行うとの思惑から金相場が下落すると、プラチナ相場もなびいて下落し、29日に再び一時2,000ドルを割り込みましたが、実需の買いも見られ反発し、2,008ドルにて越月しました。
尚、19日に発表された英国JM社のPGM年次報告の要旨は以下の通り。
① 07年のプラチナ需要は日本・欧州の排ガス規制に対応したディーゼル車向け触媒の使用量増大や、欧州でのETF上場に伴う投資需要の高まりから、前年比8.6%増の218.6トンとなった。
② 07年のプラチナ供給は、精錬所操業停止、安全面での問題、労使問題などを背景に南アフリカの生産量が減少し前年比4.1%減の203.7トンとなり、14.9トンの供給不足であった。
③ プラチナを含む商品市場からの投資資金の撤退の可能性を示す一方で、需給タイト感と限られた市場流動性、更に潜在的な供給中断の可能性から、今後6ヶ月の価格レベルを$1,775~$2,500/ozと大きな変動幅を予想。

■国内プラチナ相場
国内円建て相場は2日に月間最安値の6,290円を付けたものの、その後ドル建て相場が反発し上値を追う展開となったことや、FRBの利下げ停止への思惑からドルが買い戻され円安となったことから上昇基調となりました。JM社の需給レポートの発表後、ドル建て相場が最高値を付けた22日には円建て相場も月間最高値となる7,384円を付けましたが、月末にかけてはドル建て価格の下落に追随する形で値を崩し6,835円にて越月しました。

以上
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