マーケット市況情報

2017年07月11日 16時00分

2017年6月の貴金属市況2017年07月11日 16時00分

価格ベース
金 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:   〃    円建:   〃

金(Gold)
■ドル建て金相場
1,266.15ドルでスタートした6月のドル建て金相場は、2日発表の米5月雇用統計が弱かったことを受け、利上げ見通しに対する不透明感が漂うと20ドル近く急伸。その後はコミー前FBI長官の米議会証言、ECB政策会合や英総選挙などリスクイベントを控え、堅調地合いを維持し6日には月間最高値の1,293.50ドルまで続伸。
前FBI長官の議会証言では予想外の発言も無く、市場に安心感が広がると軟調地合いに転換。ECBが政策金利据え置きと金融政策現状維持を発表した一方、インフレ見通しの下方修正をしたことでユーロが下落し、ドル高へ転換すると、英総選挙で与党・保守党が過半数割れに追い込まれたことでドル高が加速。金相場は徐々に上値を削る展開となり、13日には1,261.30ドルまで値を落とした。翌14日には、米5月CPIと5月小売売上高の低調な結果を受けドルが下落すると、1,270ドル台後半まで反発する場面がみられた。しかし、その後のFOMCでは市場予想通り、政策金利引き上げを決定、年内あと1回の利上げが適切との声明を受けてドルが持ち直し、1,260ドル近辺まで急落した。これまで地政学的リスクや欧州選挙リスクを意識して選好されてきた金であったが、このような逃避需要が弱まったことに加え、米国株式の上昇を材料に上値の重い展開が続き、20日には1,242.20ドルまで下げ幅を拡大した。
その後は、原油相場の下落や米国債利回り低下を手掛かりに、1,250ドル台後半まで反発した場面が見られたものの上値は重く、再び軟調地合いとなると26日に月間最安値の1,240.85ドルまで下落した後は、やや値を戻し1,250ドルを挟んだ水準で推移するもBOE総裁とECB総裁の発言を受けて、欧州の金融政策の転換が意識されて下落し、月末30日には1,242.25ドルで終了。

■円建て金相場
4,558円でスタートした6月の円建て金相場は、為替相場が円高に進む一方、ドル建て金相場が堅調に推移したことで7日に月間最高値の4,586円まで上伸。月半ばにかけてドル建て相場が急落したことで15日には月間最安値の4,500円まで下落。月末にかけてドル建て相場は軟調地合いを維持したものの、円安が進行したことで値を戻し4,525円で終了。

プラチナ(Platinum)
■ドル建てプラチナ相場
943ドルでスタートした6月のドル建てプラチナ相場は、1日発表の米5月ADP雇用統計の良好な結果を受け、ドルが買われたことから930ドル近辺まで急落してスタートしたが、翌2日発表の米5月非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に下回ったことで利上げペースの不透明感が意識されると950ドル台前半まで急反発。その後はFBI前長官の米議会証言を控えて上昇する金相場に連れ高となり、6日には月間最高値の960ドルまで続伸。FBI前長官の議会証言では米政権を揺るがすような発言はなく、市場に安堵感が広がると軟調地合いへ転換。ECBの政策金利据え置きと英総選挙の与党過半数割れが相俟ってドル高が進むと下げ足を強め、940ドル割れまで下落した。その後は、原油相場の反発を手掛かりに値を上げるも、上値は重く、FOMC声明を前に930ドル近辺まで下落。14日発表の米経済指標が低調な結果だったことからドルが売り込まれ950ドル台近辺まで値を戻したが、同FOMC声明では予想通り利上げが発表されたことに加え、年内利上げ回数についても言及があったことからドルが買い戻される中で930ドル台中盤まで反落。翌15日発表の経済指標では米国労働市場の底堅さが意識され、更にドル高が進行すると921ドルまで下げ幅を拡大。
その後は月末にかけて910ドル近辺から930ドル近辺でのレンジ相場を形成し、小動きであった。月初来より下落を続けてきた原油相場が一服すると共に米国債利回り低下を背景に主要通貨に対して下落するドルがサポート材料となり、22日には933ドルまで値を戻したものの、金相場の下落につられて値を落とすと920ドルを挟むレンジで推移。29日には、BOE総裁とECB総裁の発言により金融政策の転換が意識されて売りが優勢となると月間最安値の910ドルまで下落。月末30日にはやや値を戻し922ドルで終了。

■円建てプラチナ相場
月間最高値の3,487円でスタートした6月の円建てプラチナ相場は月初、上昇するドル建て相場になびき高値圏で推移するも、月半ばにかけて円高とドル建て相場の下落が相俟って14日に月間最安値の3,387円まで下落。その後は、ドル建て相場は動意に乏しく、円安が進行したことで下値を切り上げ3,412円で終了。

銀(Silver)
■ドル建て銀相場
17.13ドルでスタートした6月のドル建て銀相場は、月を通して独自材料に乏しく、金相場に連れる展開となった。2日発表の5月米雇用統計が市場予想を下回り、米国経済に対する不透明感が材料視され上昇した金相場に連れ高となり、17.50ドル近辺まで値を伸ばすと、その後のECB政策会合、コミー前FBI長官の米議会証言や英総選挙などのリスクイベントを前に続伸し、7日と8日に月間最高値の17.60ドルをつけた。
議会証言では米政権に対する致命的な発言がなかったことから市場に安堵感が広がり徐々に上値を切り下げると、ECBの金利据え置きやインフレ見通しの下方修正に加え、英総選挙で与党が過半数割れとなったことでユーロ安ドル高基調となり、13日には16.82ドルまで下げ足を強めた。FOMCの前に発表された米経済指標を受けてドル安となると一時17.20ドル近辺まで急騰する場面も見られたが、FOMC声明では市場予想通り政策金利が引き上げられ、年内利上げ回数についても言及があるとドルが値を戻し、銀相場は17ドルを割るレベルまで下落。その後も、地政学的リスクの低減から上値が抑えられると21日には16.51ドルまで値を落とした。
その後は、月初来から下落を続けていた原油相場の反発や米国債利回り低下を手掛かりにドル安となり、徐々に下値を切り上げると、IMFが2017年の米経済成長予測を2.1%に下方修正したことでドルの見通しに不透明感が広がり、ドル安が加速し16.90ドル近辺まで続伸。しかし、欧州金融当局者の発言を背景に下落する金相場につられ軟調推移となると月末30日には月間最安値の16.47ドルをつけて終了。

■円建て銀相場
64.60でスタートした6月の円建て銀相場はドル建て相場の上昇により5日に月間最高値の65.20円をつけた。その後は軟調に推移するドル建て相場から21日と22日に月間最安値の61.90円まで下落すると、月末にかけては円安とドル建て相場の上昇が相俟って62.70円まで値を戻して終了。

■為替
110.97円でスタートした6月の為替相場は月初、米5月ADP雇用統計が市場予想を大きく上回る良好な結果にドル高が進み、111円半ば付近迄上昇したものの、翌2日発表の米5月雇用統計で非農業部門の雇用者数が市場予想を大幅に下回ったことから一転して110円台半ばまで大きく値を落とした。その後もECB政策会合や英国総選挙、コミーFBI前長官の米議会証言を控えてリスク回避の動きが強まる中で7日には月間最安値の109.53円まで続落した後は8日の事前に公表された同議会証言原稿の内容は目新しさに欠け、続く英国総選挙に注目が集まった。同総選挙では与党保守党が過半数割れとなる結果となったことから対ドルでユーロやポンドが売り込まれ、110円台まで反発。
その後はFOMCを前に模様眺めとなり、110円付近を挟んで揉み合う展開が続いた後、14日には米5月CPIと米5月小売売上高が市場予想を下回ったことで米長期金利が大幅に低下し、ニューヨーク時間には一時108円台まで急落。同FOMCでは市場予想通り利上げが発表されたことに加え、同声明文で償還が到来する保有債権の再投資を年内に縮小していくことが示されたことからドルの買戻しが急速に進み、110円台を回復。16日には日銀の金融政策決定会合が行われ、事前予想通り政策変更はなく、日米の金融政策の違いが鮮明になってきたことでドル買い・円売りの地合いが強まる結果となった。月末にかけてもECBやBOEなど相次いで金融緩和を見直す見方が広がったこともサポート材料となり、ドル買いの流れは続いた。29日には月間最高値である112.35円まで値を伸ばした後は月末30日にはやや値を落として112.00円で終了。

■正式名称
ECB 欧州中央銀行 CPI 消費者物価指数 FOMC 連邦公開市場委員会
BOE 英国中央銀行 IMF 国際通貨基金                      

以上