マーケット市況情報

2016年12月12日 17時00分

2016年11月の貴金属市況2016年12月12日 17時00分

■ドル建て金相場
1,284.40ドルでスタートした11月の金相場は、前月末に米連邦捜査局(FBI)が、クリントン大統領候補の私的メール問題をめぐる調査再開を発表したことで、同大統領選の不透明感の強まりから1,300ドル台前半まで堅調推移。その後FBIが訴追しないという結論に変更はないとの見解を示したことから、買い進まれてきた巻き戻しの動きが強まり、1,280ドル台前半まで値を落とした。9日アジア時間に米大統領選の開票が始まり、大方の予想を覆してトランプ大統領候補が優勢となるにつれ、リスク回避の動きから一時急激に値を伸ばし、ロンドン時間には月間高値の1,304.55ドルをつけた。しかし、トランプ大統領候補の勝利演説が穏和であったことから、市場は除々に落ち着きを取り戻し、米国時間にはトランプ次期大統領の下、財政出動の拡大やインフレが見込まれるとの期待から米国株への資金流入や米長期金利の上昇を通じてドルが買われ、金相場は下げ幅を拡大すると11日には1,236.45ドルまで反落。その後は動意に乏しい中で1,220ドル台中盤を挟んだレンジ相場を形成すると、17日には市場予想を上回る米経済指標に加え、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長による議会証言で12月利上げが示唆されたことから1,210ドル近辺まで値を落とした。更に、トランプ次期米政権への期待感が先行する形で堅調な米国株やドル高が軒並み進んだことから上値が抑えられ、23日に連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で労働市場が引き締まる中で利上げの論拠が強まっていると判断し、12月に利上げすべきとの見解が示されたことで1,185.35ドルまで続落。25日にはドル高・米国株高が一服したことを背景に、1,200ドル近辺まで値を戻す場面がみられたものの、月末30日には石油輸出国機構(OPEC)総会で減産合意との報道を好感して一段高となる米国株や雇用統計の先行指標とされる米11月ADP雇用統計が市場予想を上回る内容だったことから、12月利上げへの見通しが強まる中で月間安値の1,178.10ドルまで下落して終了。

■円建て金相場
4,341円でスタートした11月の円建て金相場は、月初ドル建て相場は堅調だったが、為替が円高に動いたことで軟調に推移。米大統領選開票後の10日には急激なドル高/円安の進行から月間高値の4,381円まで値を上げた。その後、円安に推移したもののドル建て相場が急落したことで14日には月間安値の4,257円まで下落。月末にかけてもドル建て相場は軟調地合を維持したが、円安により値を戻すと4,327円で終了。

■ドル建てプラチナ相場
983.00ドルでスタートした11月のプラチナ相場は金相場の上昇を好感し値を上げると990ドル台後半でまで推移。その後はクリントン大統領候補の私的メール問題で米連邦捜査局(FBI)が訴追しないという結論に至り、米国株の上昇を材料にプラチナ相場も堅調推移すると一時1,000ドルを突破する場面がみられたが、米大統領選を前に上値も限定的。同大統領選は、9日アジア時間に開票が始まり、大方の予想を覆しトランプ大統領候補が優勢となったことで、安全資産として選好された金相場を追随して月間高値の1,014ドルをつけた。その後はトランプ候補の勝利演説を受けて市場が除々に落ち着きを取り戻す中で今後の経済政策への期待感が先行する形でドルが反発したことから980ドル近辺まで下落。米国株の上昇を好感して値を戻す場面はみられたものの、金相場の下落につられてNY時間には一時940ドル近辺まで急落。14日のロンドン時間にはジョンソンマッセイ社が発表した需給レポートにおいて、本年は供給不足の見通しが示された一方で2017年には2011年以来の供給過剰が示唆されたことから下値を探る展開となった後は方向感の乏しい展開が続いた。17日はイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長による議会証言で12月利上げが示唆されたことで「比較的早期に」適切になる可能性は十分にあるとした発言を受け、金相場が下落すると18日には923ドルまで下げ足を強めた。トランプ次期米政権への期待感による、米国株式や原油価格の上昇に伴い、プラチナ相場の下落も一服し22日には950ドル近辺まで反発したものの、23日には連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公開され、12月利上げの可能性が一段と高まったことから再び下落基調へ転じると、25日には月間安値の906ドルまで反落した。月末にはドル高の一服からやや値を戻して920ドルで終了。

■円建てプラチナ相場
3,404円でスタートした11月の円建てプラチナ相場は、米大統領選を前に堅調に推移すると、10日には月間高値の3,490円をつけた。その後、ドル建て相場が急落したことで14日に月間安値の3,353円まで下落。月末にかけてドル建て相場は軟調地合いを維持したものの、為替が円安に動いたため、円建て相場は反発し3,427円で終了。

■ドル建て銀相場
18.24ドルでスタートした11月の銀相場は、先月末にFBIがクリントン大統領候補の私的メール問題について調査再開を発表したことで、引き続き堅調に推移し18.75ドル近辺まで上昇するも、訴追しないという結論に至ると18ドル付近まで値を落とした。その後は、米大統領選を前に18.25ドル近辺から18.50ドル近辺のレンジ相場を形成。9日アジア時間に同大統領選の開票が始まり、トランプ候補優勢となるや上昇する金相場を追随し、ロンドン時間には月間高値の18.81ドルまで値を伸ばした。トランプ次期大統領の政策への期待感からドルの上昇に下落すると14日には17.20ドルまで急落。その後、17ドルを挟むレンジで推移すると、17日にはイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の発言と米経済指標の良好な結果を受け、比較的早い段階での追加利上げが意識されると、16.50ドル近辺まで下落。23日には、FOMC議事要旨において12月利上げの可能性が一段と高くなると更に下げ幅を拡大し、翌24日には月間安値の16.31ドルをつけた。米国株式・ドル高が一服したことで、一時16.80近辺まで反発する場面がみられたものの、上値は重く引き続き軟調地合を維持すると16.60ドル近辺で推移し、月末には16.67ドルにて終了。

■円建て銀相場
62.40円でスタートした11月の円建て銀相場は月初為替が円高に推移したものの、堅調なドル建て相場により上昇すると、11日には月間高値の65.90円まで上伸。その後はドル建て相場が急落したことで、14日には61.50円まで下落。その後は円安が進んだものの、ドル建て相場が下落したことで18日には月間安値の61.10円をつけた。月末にかけては、ドル建て相場は動意に乏しく、為替が引き続き円安地合いだったことから円建て相場は反発し62円で終了。

■為替
月初、104.79円でスタートした11月のドル円相場はクリントン米大統領候補の私的メール問題に関する再捜査発表後の世論調査で、トランプ候補が支持を巻き返したとの報道から同大統領選への不確実性の高まりに4日には月間安値である103.02円まで円高が進んだものの、その後は同問題でFBIが訴追しない方針を示したことから同大統領選への警戒感が和らぎ、105円台までドル買い優勢の展開が続いた。アジア時間9日にはクリントン候補有利との見方を覆す形で徐々に米大統領選の開票が進む中でトランプ優勢が伝えられ、一時101円前半まで急落したものの、同日米国時間に入るとトランプ候補の勝利宣言における言動が穏当であったことから同氏の経済政策への期待感が先行する形で米長期金利の上昇をきっかけにして11日にかけて106.69円まで急反発。その後も月の半ばにかけてダウ平均株価が史上最高値を更新し、FOMCでの12月利上げが確実視される中で109円台後半まで値を伸ばした。17日にはイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長による議会証言で12月利上げに対し前向きな姿勢が示され111円手前までドル買い・円売りが進んだ。
月の後半に入ると、22日に発生した福島沖での地震を受けて一時110.20円付近まで値を落としたものの、連日最高値を更新しつづける米国株への資金流入を受けてドル買いが優勢となり、111.20円近辺まで値を戻した。その後も米国で発表される各経済指標が好調なことから12月利上げへの見方が強まることとなり、113円近辺まで続伸。24日の米国祝日の中でもドル買いが進み、25日には月間最高値の113.78円まで続伸。月末にかけて投機筋を中心に利益確定の売りが進む中で111円半ば付近まで急落したものの、月末30日はやや値を戻し112.42円で終了。

以上