マーケット市況情報

2016年06月08日 10時00分

2016年5月の貴金属市況2016年06月08日 10時00分

価格ベース
金 US$:LBMA Price 円建:税抜参考小売価格
プラチナ US$:LBMA Price  円建:   〃

金(Gold)
■海外金相場
月間高値の1,296.50ドルでスタートした5月の金相場は、月初複数の米経済指標が市場予想を下回ったことなどから一時1,300ドル付近まで上昇したものの、その後は利益確定の売りに押されて反落しました。米4月雇用統計の発表を前に様子見ムードが広がる中、1,280ドル近辺を挟んだレンジ相場を形成しましたが、本雇用統計では非農業部門の就業者数が市場予想を大きく下回り、追加利上げの先送り観測が広がると1,290ドル近辺まで反発しました。上伸した金相場の利食い売りや米地区連銀総裁の発言を受けた追加利上げの観測から1,260ドル台中盤まで下落しましたが、米国株安やドル高が一服し、ドル売りが優勢となると1,270ドル台中盤まで反発しました。その後は、米4月小売売上高の良好な結果を受けて、ドルの買い戻しが進行すると、金相場は値を下げ、1,265.90ドルまで下落しました。
発表された中国の4月鉱工業生産と小売売上高は前月からの伸び率が鈍化するなど勢いを欠き、投資家心理を冷やす結果となり、安全資産である金が選好されると1,280ドル台中盤まで急騰しましたが、原油相場の持ち直ししたことなどから米国株が堅調に推移する、とリスク回避姿勢の後退から1,270ドル台前半まで反落しました。その後は米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表を前に様子見ムードが広がり、1,270ドルから1,280ドルのレンジで推移しました。その後に公表された議事要旨では『条件が整えば6月の追加利上げは適切である』との見解を示す委員が多数いたことが明らかとなると19日には1,246.25ドルまで急落しました。
その後も、地区連銀総裁の早期利上げに対する前向きな発言や、外国為替市場でのドル高を背景に金相場は軟調推移しました。更に、原油価格の上昇を背景とした欧米株高により投資家心理は和らぎ、金相場は1,220.60ドルまで下落しました。月末にかけてドル高の一服から金相場は上昇へ転じたものの、27日にイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が数ヶ月以内の利上げが適切と発言したことを受け、一転してドル高基調へ転換し、月末31日には月間安値の1,210.50ドルをつけ、ロンドン時間午後には1,212.10ドルで終了しました。

■国内金相場
4,455円でスタートした5月の円建て金相場は、ドル建て金相場が軟調に推移したものの、それ以上に為替が円安に進み、11日には4,487円まで上昇しました。月半ばにかけて、為替は108円台後半を挟んだ短いレンジで推移する中でドル建て金相場が堅調に推移したことから18日には月間高値の4,518円まで続伸しました。月末にかけて円安が進んだものの、ドル建て金相場が大きく下落する中で30日には月間安値の4,347円まで下落しましたが、月末にはやや反発して4,365円をつけて終了しました。

プラチナ(Platinum)
■海外プラチナ相場
月間高値の1,084ドルでスタートした5月のプラチナ相場は先月末からの上昇基調を引継ぎ、NY時間には1,090ドル付近まで上昇したものの高値警戒感から上値は抑えられ、その後は投機筋を中心とした売りが徐々に優勢となり、1,050ドル台中盤まで下落しました。6日には米4月雇用統計の発表を前に様子見ムードから1,060ドル付近を挟んだレンジ相場で推移し、発表された雇用統計では市場予想を下回る結果に米追加利上げ観測の後退から金相場が上昇するとNY時間には1,080ドル近辺まで急反発しました。
9日には金相場同様に前週末の利食い売りや米連銀総裁発言による早期追加利上げ観測の再燃から1,040ドル台中盤まで急落しましたが、原油価格の上昇を好感して1,070ドル近辺まで値を戻し、その後は米4月小売売上高の良好な結果を背景にドル高基調へ向かう中で投機筋の利食い売りも相俟って、1,042ドル近辺まで反落しました。
米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の内容を見極めたいとの思惑から積極的な取引は行われず、1,050ドルから1,060ドルのレンジで推移しました。米連銀総裁が利上げに対し積極的な発言をしたことや公開された議事要旨で6月追加利上げ観測が強まったことからドルが買われ、プラチナ相場は軟調推移すると19日には1,010ドルまで急落しました。
月の後半には独自材料に乏しい中で米連銀総裁発言を材料にドル高が進むと25日にかけて1,000ドルを割り込み、994ドルまで下落しました。その後は値ごろ感から実需の買いに下値をサポートされ、1,000ドルを回復。27日にはイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の早期利上げに対する発言を受けて反落した後、月末31日には月間安値である971ドルをつけて終了しました。

■国内プラチナ相場
3,734円でスタートした5月の円建てプラチナ相場は、9日にかけてドル建てプラチナ価格は月初並みの水準で推移する中、円安が進んだことから月間高値の3,777円まで上昇しました。月半ばから月末にかけては、円安が進む中でドル建てプラチナ相場も下落基調へ転換したことから19日には3,718円まで下落しました。30日には月間安値の3,572円まで続落した後、月末31日には3,582円まで値を戻して終了しました。

銀(Silver)
■海外銀相場
17.49ドルでスタートした5月の銀相場は、先月末からの上昇を受けて、利益確定の売りが優勢となると4日には17.18ドルまで下落しました。米4月雇用統計発表を前に17.30ドル台のレンジ相場で推移しましたが、同指標発表後には市場予想を大幅に下回ったことから金相場の反発につられて17.50ドル近辺まで上昇するも追随しきれず値を戻しました。
米連銀総裁発言を材料に金相場が下落すると銀相場も追随し17.04ドルまで値を落としましたが、投機筋を中心に値ごろ感から下値をサポートされると翌11日には月間高値の17.51ドルまで上昇しましたが、独自材料を欠く中で投機筋を中心に利食い売りが広がり、17.10ドル近辺まで反落しました。その後は、金相場の上昇を好感して17.30ドル近辺まで買い進められましたが、その後は利食い売りが優勢になると上げ幅を削り、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表を前に17.00ドルから17.10ドルの狭いレンジ相場を形成。同指標発表後は追加利上げ観測の高まりに金相場が急落すると銀相場も同様に下落基調へ転換し、節目となる17ドルを割り込むと16.60ドルまで大きく値を落としました。
その後も米連銀総裁の早期利上げに対する前向きな発言や外国為替市場でのドル高を受けた金相場の下落を材料に16.20ドル台まで続落しましたが、実需を中心とした安値拾いから一時16.50ドル近くまで値を戻すも、その後のイエレン米FRB議長の早期追加利上げへの積極的な発言を受けてドル高が加速し、月末31日には月間安値である16.06ドルまで値を落として終了しました。

■国内銀相場
月間高値の63.70円でスタートした5月の円建て銀相場は、為替が円安に進みましたが、ドル建て銀相場の下落が大きく軟調推移しました。月半ばから月末にかけてもこの動きは変わらず、20日には62円を割り込み61.20円まで続落し、月末31日には月間安値の59.90円で終了しました。

■為替相場
106.42円でスタートした為替相場は月初、前月末に日銀が追加緩和を見送り、米国の為替政策報告書で日本が監視リスト入りしたことを受けて円買いの流れが継続する中、3日には豪中銀による予期せぬ利下げも加わり、105.50円台半ば付近まで下落しました。その後は米4月雇用統計が市場予想を下回る結果となったことからややドル高は一服したものの、その後の米連銀総裁発言を受けて107円台前半まで反発しました。9日には原油価格の上昇や日本を含む先進国株の上昇を受けてリスク選好ムードが広がる中、本邦財務相の発言が伝わり、為替介入への警戒感から10日にかけて109円台前半まで円安が進んだ後は108円台半ばで推移しました。16日には安倍首相が消費税延期を固めたとの報道から日本株の上昇を受けて円安が進むと109円台前半まで上昇し、その後公表されたFOMC議事要旨では6月利上げに積極的な内容から110円前半まで円安が進みました。23日には本邦4月の貿易黒字が市場予想を上回り、円買いが優勢となる中、109.79円まで円高が進みましたが、米FRB議長講演で数ヶ月以内の利上げが示唆されたことから月末に向けて円安が急速に進み、月末31日には月間高値の110.94円で終了しました。

以上
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