マーケット市況情報

2004年09月03日 20時09分

2004年8月の貴金属市況2004年09月03日 20時09分

価格ベース
金 US$ London Fixing 円建 税抜参考小売価格
プラチナ US$ 〃 円建   〃


金(Gold)

海外金相場

8月の金相場は7月末の軟調な地合を受け継ぎ390ドル程度で始まりましたが、その後 原油価格の上昇や11月の米大統領選に向けての政治イベントの活発化でテロ懸念が強まった事等を受けて底堅い推移となりました。更に6日に発表された7月の米雇用統計で、景気浮沈の指標となる非農業部門就業者数の伸びが予想を大きく下回った事から、米ドルが対ユーロで急落(0.836ユーロ/ドル⇒0.813ユーロ/ドル)すると、金は逆に400ドル近辺まで上昇しました。ドル為替高⇒金相場安/ドル為替安⇒金相場高と言う前月までの傾向を踏襲する形となりました。その後はグリーンスパンFRB(米連邦準備制度理事会)議長が「米国の景気鈍化の兆候は一時的」との見方を示した事から一時的にドルが強含み、金が売られる場面も見受けられましたが、折からの原油高・テロ懸念が下支え要因として作用し、13日にかけて概ね390ドル台後半での往来相場となりました。しかし、13日に発表された6月の米貿易赤字の拡大で米国経済の先行きが再度不安視された事や、連日高値を更新する原油価格(1バレル=50ドル)を受けてインフレ懸念に対する資金回避先として金に買いが集まり、底値を切り上げる形で23日には月間の最高値となる410.60ドルに達しました。又19日に「アルゼンチン中央銀行が本年上半期に42トンの金を購入し、今後も購入意欲を示している。」との報が出た事も僅かながら金相場の支援材料として作用しました。その後24日を境にして原油価格が下落傾向となるとインフレ懸念が払拭されたとの認識から金は売られる形となり月末にかけてはやや軟調な地合となりました。又13日から23日かけての上昇局面の間、COMEXおける投機家の買持ち玉数は100トン程度から260トン程度まで増加しており、やや過熱感が出てきた事から月末にかけて一部投機家の手仕舞い売りを誘発する事となりました。


■為替相場

ドル・円為替相場は8月上旬110円~111円台と比較的ドル高/円安圏でのスタートとなりましたが、金の項でも述べました通り米雇用統計で景気浮沈の指標となる非農業部門就業者数の伸びが予想を大きく下回った事や、米貿易赤字の拡大、更には史上最高値を更新する原油価格が米国経済に悪影響を与えると言った予測等から、徐々にドル安/円高方向に転換。結果19日に110円を割り込むと、23日には109円台半ばまでドル安/円高が進みました。しかし過度のドル安/円高に至ることはなく109円台後半で越月しました。総じて月を通じてドル安/円高基調の取引となりましたが、値幅は約2.5円程度(111円後半⇒109円台半ば)と比較的穏かな値動きとなりました。

■国内金相場

国内金円建て相場は、ドル建て価格が比較的安値圏にあった上旬に為替相場が円安圏であり、逆にドル建て価格が上昇した月後半に為替相場が円高基調となった為、前月までと同様に円建てでの金価格の値動きはドル建て価格の値動きと比較して乏しい状況となりました。しかし、米国の経済に対する先行き不透明感、原油価格高騰を背景とした、金ドル建て価格の上昇は為替相場におけるドル安/円高傾向を上回る勢いとなった為、傾向としては円建て金価格も上旬は安値圏での推移、下旬に高値圏での推移と価格を切り上げる事となりました。結果、2日に月間最安値である1,444円となった後、徐々に価格は上昇し23日に月間最高値である1,492円をつけ、月末まで概ね1,480円台を維持しました。



プラチナ(Platinum)

■海外プラチナ相場

8月のプラチナ相場も、引続きTOCOMを中心とした投機的売買に完全に価格を支配される展開となりました。現物需給は8月も一部自動車触媒用・ガラス装置用は堅調でしたが、それ以外の工業用或いは宝飾用需要は極めて低調でした。又 季節的要因(夏期休暇)もこの低調な現物需要に拍車をかける結果となりました。
しかし、上旬から中旬にかけてTOCOMにおける米系ファンドと見られる投機的な買いは旺盛で3日の月間最安値824ドルから16日の月間最高値885ドルに至るまで、ほぼ調整局面を向える事無く一方的に買い上げられました。又、この期間夏期休暇で一般市場参加者が減少した事も価格上昇に拍車をかける事となりました。その後、米系ファンドがTOCOMにおいて手仕舞い売りに回ったと見られ一転して下落基調に向うと23日には一時840ドル割れまで下落しましたが、その後買戻しが入り860ドル台後半にて越月しました。月を通じてかなり値動きの激しい荒れた展開となり、マネーゲーム的様相の強い相場展開となりました。


■国内プラチナ相場

国内円建て価格は、為替相場が比較的穏かな展開となった一方でドル建て価格が値動きの激しい展開となった為、ドル建て価格の値動きをそのまま踏襲する事となりました。結果、ドル建て価格が安値圏であった3日に円建て価格も3,008円と月間の最安値となり、ドル建て価格が月間の最高値に達した翌17日に円建て価格も3,175円と月間の最高値となりました。
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